外国人バス・タクシー運転手、特定技能N4で公道へ!行政書士が読み解く新制度と実務の未来
皆さんおはようございます!
新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所です。
先日、バス・タクシー業界の深刻な人手不足解消に向けた政府の新たな動きとして、特定技能の在留資格における外国人運転手の日本語能力要件緩和が大きく報じられましたね。
特に注目すべきは、これまでの日本語能力試験N3レベルから、N4レベルでも受け入れ可能となる点です。
これは、私たち行政書士にとっても、今後の実務に大きな影響を与える重要な変化だと捉えています。
本日は、この新制度がもたらす影響と、私たち行政書士が果たすべき役割について、詳細に掘り下げていきたいと思います。
「N4で公道」が意味するもの【人手不足解消への緊急策】
報道によると、国土交通省は「バス、タクシーの運行を維持するためには、一刻も早く日本語能力要件を緩和する必要がある」と強調しています。
現在のバス・タクシー業界は、長時間労働と低所得という厳しい労働環境から、バス運転手だけでも毎年約3,000人ずつ減少する懸念があり、すでに年間約2,500kmもの路線が廃止されているという深刻な状況にあります。
このような背景から、政府は令和10年までの5年間で、トラック、バス、タクシー運転手合わせて最大2万4,500人の特定技能による受け入れを見込んでいます。
今回のN4要件緩和は、まさにこの緊急事態に対応するための切迫した施策と言えるでしょう。
新制度のポイント【N4ドライバーと「日本語サポーター」】
今回の有識者会議で示された案の主要なポイントは以下の通りです。
- 日本語能力の緩和
日本語能力試験N4レベルでも特定技能運転手として受け入れ可能となります。N4は「基本的な日本語を理解できる」レベルとされており、日常会話においてゆっくり話されればほぼ理解できる程度です。 - 「日本語サポーター」の同乗義務
N4レベルの運転手には、安全確保のため、バス運転手OBやバス会社の事務員、バスガイドなどの日本人「日本語サポーター」の同乗が義務付けられます。
これにより、マニュアルで想定されていない状況への対応や、乗客との円滑なコミュニケーションを補完する狙いです。 - 単独乗務の特例
事故率の低い半島部や離島では、N4運転手の単独乗務も認められる可能性があります。
これは、地域ごとの実情に合わせた柔軟な運用と言えます。 - 第二種運転免許の多言語化
既に昨年度から、第二種運転免許の学科試験が最大20言語で受験可能となっており、外国人材の免許取得を強力に後押ししています。
国土交通省は、「N3もN4も、評価試験に合格し第二種運転免許を取得した上で、新任運転者研修も受けるのは同じで、運転技能や接客能力は同じ水準を確保している」と説明しており、運転スキル自体に差はないと強調しています。
行政書士として注視すべき実務ポイント
この制度変更は、私たち行政書士の業務にも新たな視点と対応が求められることを意味します。
1. 申請書類と審査の厳格化
日本語能力の証明(JLPT/NAT-TEST)はもちろんのこと、今後は「評価試験」や「第二種運転免許取得」の証明資料の確認がより重要になります。
特に、N4レベルでの申請においては、雇用主側が「日本語サポーター」を確保できる体制にあるかどうかが、在留資格申請時の審査で厳しく問われる可能性が高いです。
私たちは、単に書類を揃えるだけでなく、企業がサポーター確保の具体的な計画や体制をどう構築しているか、「絵に描いた餅」にならないかを事前に確認し、必要に応じて助言する役割が求められます。
2. 地域特性を考慮したコンサルティング
「半島部や離島での単独乗務」が認められるという特例は、受け入れ先の地理的条件によって要件が大きく変わることを意味します。私たちは、クライアント企業の事業所がどの地域に該当し、どのような運用が適用されるのかを正確に把握し、その上で適切な在留資格申請プランを提案する必要があります。
「特定地域に特化した専門知識」が、今後の行政書士業務において差別化のポイントになるかもしれません。
3. 特定技能1号から2号への長期的な支援
今回の報道にもある通り、4月末時点で特定技能の評価試験に合格した外国人はバス171人、タクシー82人(合計253人)いるものの、実際に特定技能を取得しているのはタクシー3名、バスはゼロに留まっています。今後、これらの人材が実際に特定技能を取得し、日本で活躍していくためには、私たち行政書士の継続的なサポートが不可欠です。
特定技能1号は最長5年・家族帯同不可ですが、2号へ移行できれば永続的な在留が可能となり、家族帯同も認められます。
私たちは、単なる1号の申請支援に留まらず、特定技能2号への道筋を見据えたキャリアプランや生活設計のコンサルティングを行うことで、外国人材の日本への定着と活躍を長期的に支援していくことが重要です。
これは、雇用主にとっても、優秀な人材の確保と定着に繋がる重要な視点です。
まとめ【外国人ドライバー活用の「架け橋」として】
今回の要件緩和は、「即戦力としての外国人材活用」と「地域交通の持続可能性」という二つの喫緊の課題を両立させるための、政府の強い意志を示すものです。
日本語能力をN4まで下げることへの不安視する声があることは承知していますが、サポーター同乗や地域による運用の柔軟性を設けることで、制度全体のバランスが図られています。
正直なところ、N4レベルの外国人は本当に日本語理解が乏しく、運転手として機能するのか。
また、サポーターの同乗が必須という点に関しては、要件の緩和ではなく、むしろ外国人を雇用するために更に新たな人材確保や既存人員の負担増など、雇用する企業側の様々な負担が増加し、ハードルが上がってしまっているように思えます。
そうした現場と制度のギャップを埋めるために、私たち行政書士は、単に書類の作成・申請を行うだけでなく、この新しい制度の「雇用主と外国人の架け橋」として、実務的かつ現場目線での多角的なサポートが今後ますます求められるでしょう。
変化の激しい時代だからこそ、常に最新の情報をキャッチアップし、クライアント企業のニーズに応えられる専門家として、皆様の事業の一助となれるよう精進して参ります。
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