入管施設で何が起きているのか?ハンストと餓死が示す人権問題
皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
2025年5月、出入国在留管理庁が発表した「不法滞在者ゼロプラン」に対して、日本弁護士連合会(日弁連)は「国際人権法に反する」とする声明を出しました。
この背景には、入管施設で起きている長期収容や医療放置、そしてハンガーストライキ(以下「ハンスト」)の果てに餓死者が出るという、見過ごせない事実があります。
私は外国人在留資格を専門とする行政書士として、日々外国人の相談を受ける立場にあります。その視点から、今回の入管問題の核心に迫ってみたいと思います。
ハンストはなぜ広がったのか?
収容の長期化や仮放免の不許可、処遇の不透明さにより、全国の収容施設で2019年にハンストが広がりました。
自らの声が届かない中、ハンストは「命を賭けた抗議」として選ばれた最後の手段だったのです。
収容者の中には難民申請中の者、送還先が見つからない者、または家族が日本にいる者も多く、ただ「不法滞在だから収容しておけばよい」という単純な話では済みません。
餓死事件【大村センターで起きた現実】
2019年6月、大村入国管理センターでハンストを続けていたナイジェリア人男性が餓死しました。
内部調査報告書は、職員の判断ミスや医師不在を「仕方ない」と片付けましたが、体重が70kgから46kgにまで落ちた末の死を「予見できなかった」とするのはあまりに無責任ではないでしょうか。
法務省通達では、ハンスト22日目以降には強制治療を行うとしています。
しかし常勤医がいないという理由でそれすら実施されなかったのです。
医療放置の実態【ムスタファ氏のケース】
トルコ出身のクルド人男性ムスタファ氏は、精巣がんが疑われながらも外部病院での検査が許されず、やむなくハンストを決行。
仮放免後に受診した病院でがんの告知を受け、手術・抗がん剤治療を開始しました。
入管は「連行職員の確保が困難だった」と弁明していますが、命の危機にある人を放置することが許されるわけではありません。これは「治療を受けるために命を削る」ような状況であり、法の趣旨に明らかに反します。
再収容の圧力と「見せしめ政策」
ハンストの末に仮放免を勝ち取っても、その期間はわずか2週間。その後の再収容により、絶望感はさらに深まりました。
イラン人サファリ氏やクルド人デニズ氏は記者会見で涙ながらに語りました。「逃げるつもりもないのに、また戻される」。
仮放免を「ご褒美」として与えておきながら、その希望をも奪うような運用は、まさに見せしめであり、制度の信用を失わせます。
行政書士として見た「不法滞在ゼロプラン」
「不法滞在ゼロプラン」は、ルールを守らない外国人を排除する目的を掲げていますが、背景事情を考慮しない一律の対応は、むしろ問題の根本を見誤らせます。
DV被害者、人身取引の被害者、難民申請者……。
こうした立場にある人たちは、「不法」かもしれませんが、「保護されるべき存在」でもあります。こうした人々を一括して「ゼロ」にしようとするプランは、制度の理念と矛盾します。
終わりに【制度改善のために必要な視点】
入管施設で起きているのは、単なる「行政の問題」ではなく、命と人権に関わる重大な問題です。
外国人であっても、人間としての尊厳は等しく守られるべきです。
入管行政は、もっと透明で、説明責任を果たすべきです。そして第三者による監視体制の導入、収容の最小化、医療の充実、仮放免の柔軟な運用こそが、制度改善の鍵となるはずです。
今、日本社会に問われているのは、「ルールを守らせるか」ではなく、「誰をどう守るべきか」です。行政書士として、これからも声なき声に耳を傾け、支援を続けていきたいと思います。
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