経営・管理ビザに日本語要件追加へ ― 外国人起業家が知っておくべき新ルール

皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。

日本で会社を設立し経営を行うために必要な在留資格が「経営・管理ビザ」です。

これまでの要件は、会社設立やオフィスの確保、資本金500万円以上などでしたが、2025年10月施行予定の改正で大きな変更が加わります。

すでに資本金要件が 500万円から3000万円へ引き上げ られることは公表済みですが、さらに 日本語要件 が新しく追加される方向で調整されています。

今までの改正の記事は以下をご参照ください。
【続報】経営・管理ビザ申請が難化！資本金・学歴・雇用の新要件とは？

【速報】経営管理ビザは“格安定住ルート”？資本金要件見直しの背景を行政書士が解説

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1．新しい日本語要件の内容

入管庁が示している基準では、B2レベル（中上級）相当の日本語力 が必要になります。

これは国際基準（CEFR）に基づいたレベルで、JLPT（日本語能力試験）でいうとN2程度 にあたります。

N2は「日常的な場面だけでなく、幅広い場面で使われる日本語を理解できる」水準で、会議や取引の打ち合わせ、行政手続きにも対応できるレベルです。

ただし、要件を満たすのは経営者本人でなくても可。

常勤の日本人スタッフを雇用し、その人が必要な日本語力を持っていればクリアできます。

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2．なぜ日本語要件が追加されるのか？

背景には「経営・管理ビザの不正利用」があります。

これまで資本金500万円で形式的に会社を作り、日本で生活するだけというケースが相次ぎ、社会的な批判を受けていました。

そこで入管庁は、

• 資本金3000万円以上（資金力の証明）

• 日本語力B2（JLPT N2相当）（地域との関係構築能力）

という二本柱を導入し、「本気で日本でビジネスを行う人だけを受け入れる」 方向に舵を切ったのです。

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3．外国人起業家への影響

行政書士として実務を見てきた立場から、今回の改正は外国人起業家にとって次のような影響があります。

1. 準備資金が大幅に増える

   　資本金3000万円という数字は、中小企業でも簡単ではありません。
   資金計画を慎重に立てる必要があります。

2. 日本語か、日本人スタッフかを選ぶ必要

   　経営者自身がN2レベルを目指して日本語を学ぶか、あるいは信頼できる日本人スタッフを雇うか、早い段階で戦略を決める必要があります。

3. 地域社会とのつながりが必須に

   　行政、銀行、取引先、近隣住民とのやりとりが日本語でできなければ事業は成り立ちません。今回の改正はその現実を制度に反映したものといえます。

 

4．補足：経営・管理ビザのフル要件（改正後想定）

今回注目されているのは「資本金」と「日本語」ですが、実際には次のような複数の要件を満たす必要があります。

• 資本金要件：3000万円以上

• 常勤職員要件：日本に居住する日本人等の常勤職員を1名以上雇用

• 経営能力要件：経営経験3年以上、または経営に関する学位を有していること

• 事業計画要件：提出する事業計画について、中小企業診断士など専門家の評価書を添付

• 日本語要件（新設）：経営者本人または常勤職員のいずれかが、日本語能力 B2（JLPT N2相当） を有すること（NEW)

 

まとめ

日本での起業は確かにハードルが上がりました。しかし裏を返せば、資金と体制を整え、本気で事業に挑む外国人起業家にこそ門戸が開かれるという方向へ進んでいるともいえます。

「経営・管理」ビザの改正は、外国人起業家が日本社会の一員としてビジネスを成功させるための土台づくりでもあります。

これから日本で起業を考えている方は、資金計画とともに日本語対応や人材確保も含めて、早めに準備を進めることをおすすめします。

 

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