不法残留者7万人時代──「知らなかった」では済まされない外国人雇用リスク
皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
出入国在留管理庁の最新データによると、令和7年(2025年)6月末時点で日本に不法残留している外国人は7万1,229人。
半年前から約3,600人減少したものの、依然として7万人を超える水準で推移しています。
国籍別ではベトナムが約1万3千人で最多、次いでタイ・韓国・中国と続きます。
かつて平成5年(1993年)には約29万8千人に達していたことを思えば大幅な減少ですが、外国人雇用が一般化した現在では、「企業側の管理責任」がより問われる時代に入りました。
■ 不法残留とは何か

「不法残留」とは、在留期限を超えて日本に滞在している状態を指します。
正規に入国しても、在留期間の更新や資格変更を怠れば、その瞬間に「不法残留者」となります。
つまり、
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留学生が中退して報告せず在留期間が切れるケース
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技能実習終了後に帰国せず働き続けるケース
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短期滞在ビザ(観光目的)で就労してしまうケース
などが典型です。
なお、「不法滞在」とは入国時点で許可を得ていない状態を指し、法的には区別されます。
しかし、いずれの場合も退去強制の対象であり、雇用した企業にも厳しい責任が及びます。
■ 企業が見落としがちな「不法就労助長罪」

外国人を不法に雇用した場合、企業や経営者個人は入管法第73条の2(不法就労助長罪)に問われるおそれがあります。
この罪は「知らなかった」では免れられません。
在留カードを確認しなかった、あるいはコピーを取っていなかった場合も管理体制の不備として指摘されます。
罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人の場合は両罰規定)であり、刑事事件として報道されれば社会的信用も失墜します。
また、ハローワークへの求人停止・取引停止など、事業継続に直接影響するリスクも現実的です。
■ 在留カード確認は「形式」ではなく「防波堤」

企業が採用時に最低限確認すべきは次の3点です。
1️⃣ 在留カードの有効期限・在留資格の種類
→「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」など、業務内容と一致しているか必ず確認。
2️⃣ 在留カードのコピーを保存(3年間)
→厚労省通達に基づく保存義務。更新時も再確認が必要。
3️⃣ ICチップ読取または在留カード等番号失効情報照会
→偽造カード対策として、入管庁の公式サイトで照合可能。
特に短期滞在(90日)の在留資格は就労不可です。
「友人の紹介」「通訳の手伝い」などの名目で業務に関わらせると、知らず知らずのうちに不法就労助長に該当する場合があります。
■ なぜ不法残留が減らないのか──背景にある構造問題

統計上は減少傾向にあるものの、7万人を超える不法残留者が存在する理由の一つに、「在留資格の切替に失敗した留学生」や「実習期間を終えた技能実習生の就労継続希望」があります。
特定技能制度が導入されたとはいえ、試験・受入機関の手続きなど制度の壁が依然として高く、
結果として“合法的に働き続けたいのに在留資格がない”というミスマッチが生まれています。
このような背景を理解せず、安易に雇用を受け入れると、「善意のつもりが法違反につながる」危険があります。
■ 行政書士が企業にできるサポート

外国人雇用に関しては、次のような点を行政書士がサポートできます。
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在留資格変更・更新の代理申請
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雇用前チェックシートや在留カード確認マニュアルの整備
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特定技能・技人国・留学など資格ごとの就労範囲の判定
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社内体制の整備(在留期限管理リスト・内部監査体制など)
不法残留を未然に防ぐためには、制度理解だけでなく、「管理の仕組み」を社内に作ることが重要です。
■ まとめ:制度理解が「企業防衛」の第一歩

不法残留者数は平成初期の3分の1以下に減少しましたが、依然として7万人以上が国内に滞在している現実があります。
そして、雇用する企業側にも入管法上の責任が問われる時代です。
「知らなかった」「確認していなかった」では済まされない——。
雇用主として法令遵守を徹底し、外国人とともに安心して働ける環境を整えることが、結果的に企業の信頼と継続的な成長を守ることにつながります。
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