タクシーの運転手が足りない。
しかも「都内なら年収500万円超」と言われても、日本人の応募が増えない。現代ビジネスの記事を読んで、正直、現場で聞く肌感とずれていませんでした。
むしろ、ここから先は「外国人ドライバーを入れるか」ではなく、「入れないと回らない地域が出る」という段階に入っている。そんな空気です。
一方で、外国人採用は“善意”だけで走ると、法令と実務が必ず追いかけてきます。タクシーはインフラに近い仕事で、事故やクレームの一発が会社の信用を削る。だからこそ、在留資格と免許と日本語、この3点を最初に固めた方がいい。
タクシー運転は、在留資格の「相性」がシビア

昔からある誤解が、「日本語ができる外国人なら、どの就労ビザでも運転手として雇えるでしょ」というものです。できません。
記事の中では、日の丸交通が、英語・日本語の観光ガイド資格などを根拠に「技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)」で採用した例が紹介されています。
これは“その人の主たる活動”をどう設計し、どう説明したかが肝で、一般論として「技人国でタクシー運転ができる」と短絡するのは危険です。運転そのものが主業務なら、制度趣旨から外れやすい。
いま「タクシー運転者」を正面から想定しているのは、特定技能の自動車運送業分野です。国交省も分野として受入れ枠組みを整理し、協議会加入などの手続も用意しています。
「特定技能(自動車運送業)」は、2024年末から受入れが本格化

自動車運送業分野は、特定技能の対象分野として追加され、少なくとも2024年12月19日の上乗せ告示の施行を受けて、受入れが可能となった旨が入管庁側からも整理されています。
この枠組みでは、タクシー・バス・トラックの区分で制度が動きます(記事でも「3分野」と整理)。
ここで大事なのは、特定技能は「来日したらすぐ運転手」ではない点です。運転免許の取得や研修の“準備期間”が制度として切り出されています。
先に“準備の在留資格”がある:特定活動(特定自動車運送業準備・いわゆる55号)

入管庁は、自動車運送業分野の特定技能1号になるための準備活動(日本の運転免許取得や新任運転者研修の修了)を目的とする「特定活動」を案内しています。
そして在留期間は、トラックは6か月、タクシー・バスは1年で、更新はできないと明記されています。ここ、実務では一番こわいところです。間に合わなければ、制度上、次の手が細くなる。
現場で起きがちな失敗は、「外免切替が想定より伸びた」「二種の教習枠が取れない」「研修の予約が先」など、“遅れる理由”がいくつも重なることです。準備期間が固定されている以上、会社側がスケジュール設計を持たないと事故ります。
「日本語サポーター同乗」は、現時点では“案”として整理されている

記事では「日本語が十分しゃべれない外国人ドライバーには日本語サポーター同乗が義務付けられる」と触れられています。
ただ、一次情報側を見ると、国交省資料や入管庁資料は「バス・タクシー運転者に係る日本語能力要件(案)」として、N3を基本にしつつ、N4の場合に日本語サポーター同乗などの条件を付す“見直し案”を示しています。
ここは未確認のまま断定しない方がよい点です。つまり、「もう義務化された」と会社が思い込むのも、「そんなの聞いたことない」と切り捨てるのも危ない。採用設計の前に、最新の運用要領・告示・Q&Aの版を確認した方が確実です。
行政書士の実務感覚でいう「会社が準備すべきこと」

制度の話をすると、どうしても書類の話になりがちですが、タクシーは書類より先に“運行”がある。私が相談を受けるなら、次の順で整えます。
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どの在留資格で雇うか(特定技能か、身分系か、別ルートか)
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免許ルート(外免切替の可否、二種取得の見込み、研修枠)
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日本語の設計(運行管理、接客、緊急時。サポーター配置の要否も含む)
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特定技能なら支援体制と協議会関係(国交省の協議会加入等を含む)
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最後に申請書類
逆にいえば、1〜3が曖昧なまま「とりあえず人を取る」は、事故の芽を育てます。
タクシー業界に限らず、外国人材活用が“目的”になった瞬間に現場が荒れる。必要なのは、目的ではなく設計です。運転手不足という現実を直視しつつ、制度の縫い目で無理をしない。そこが会社にも、働く本人にも、一番やさしい落としどころだと感じます。
【結論】

タクシー業界の人手不足を背景に外国人ドライバー活用は現実的な選択肢だが、在留資格・二種免許・日本語要件の設計を誤ると不適法就労や運行リスクに直結する。
【根拠】
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タクシー業界の人手不足と外国人採用の実態(取材記事)
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特定技能「自動車運送業分野」の受入れ枠組み(国交省の案内)
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準備段階の特定活動(特定自動車運送業準備)の在留期間と更新不可(入管庁の案内)
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日本語要件の見直しが「案」として検討されていること(国交省・入管庁資料)
【注意点・例外】
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「技人国でタクシー運転ができる」と一般化するのは危険(業務実態次第で不適合になり得る)。
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日本語要件・日本語サポーター同乗は、資料上「案」で示されている部分があるため、最新の運用を必ず確認したい。
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特定活動(準備)は在留期間が短く更新不可のため、免許取得・研修の遅延が致命傷になり得る。
【出典】
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現代ビジネス(講談社)記事(2026-01-05)
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国土交通省「自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れについて」
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出入国在留管理庁「自動車運送業分野の『特定技能1号』になるための準備活動(特定活動)」
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国土交通省/出入国在留管理庁 公表資料「バス・タクシー運転者に係る日本語能力要件(案)」
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出入国在留管理庁「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加」
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