「外国人政策」50%という数字は、まず“どういう数字”か

産経ニュースの「週刊フジ」Xアカウントが行ったアンケートで、「投票の際に重視するのは何か」という問いに対し「外国人政策」が50.3%でトップだった、という話が出ています。元の投稿でも同趣旨が確認できます。
ただ、ここで一度深呼吸が必要です。
Xのアンケートは、統計調査ではありません。母集団は「そのアカウントを見て、反応する人」に偏ります。つまり、この50%は「日本国民全体の平均」ではなく、「その場に集まった関心の濃い層の温度」を示す数字です。
それでも、無視できないとも感じます。相談現場でも、ここ1〜2年で「外国人政策って結局どうなるんですか」という雑な質問が増えました。雑、というのは悪口ではなく、論点が多すぎて言葉が追いついていない状態です。
なぜ今、関心が集まりやすいのか:背景は“人数”と“制度の転換期”

在留外国人数は増えています。出入国在留管理庁の公表(令和7年6月末)では、在留外国人数は395万6,619人で過去最高です。
この規模感になると、良くも悪くも「生活の視界」に入ります。職場、学校、賃貸、病院、地域行事。体感の問題として、政治の争点に乗りやすい。
しかも今は制度も動いています。技能実習から育成就労へ、特定技能の運用整備など、「人が増える」だけでなく「制度の作り替え」が並行している時期です。制度が動くと誤解も増え、誤解が増えると不安も増えます。
「外国人政策」と一言で言うと、だいたい議論がねじれる

行政書士の立場から見て、ここが一番の落とし穴です。
「外国人政策」という言葉が大きすぎて、論点が混ざります。
例として、相談でよく混ざるのは次の3つです。
1) 入国・在留の管理(入口と滞在のルール)
在留資格の適正化、更新審査、違反への対応など。これは入管行政のど真ん中です。
2) 労働政策(人手不足をどう埋めるか)
特定技能や育成就労、留学生の就職など。産業政策と労働市場の話が絡みます。ここを「移民」と一括りにすると、現実の設計が見えなくなります。
3) 共生政策(地域で摩擦を減らす仕組み)
日本語、生活ルール、相談窓口、学校や医療への接続。政府でも「秩序ある共生」を掲げた会議体が置かれています。
この3つは、同じ“外国人”が対象でも、目的も手段も別物です。
にもかかわらず、選挙の言葉では一つに圧縮される。すると、議論が荒れやすい。
「不安」の正体は、たぶん“ルールが見えない”こと

アンケートの自由記述には「手遅れになる」「日本がなくなる」といった強い言葉が並ぶとされています。今回の素材でも、その種の反応が紹介されています。
私は、こういう言葉が出る背景を、単に排外感情だと片づけるのは乱暴だと思っています。
現場でよく見えるのは、次のようなズレです。
在留資格のルールは細かいのに、一般向けに整理された情報が少ない。
行政の手続は正しいが、説明が追いつかない。
結果として、「何が許されて、何が許されないのか」が見えにくい。
見えにくいものは、怖い。これは人間の自然な反応です。
一方で、政治が“外国人政策一本足”になる危うさもある

ここは少し苦い話になります。
外国人政策は重要ですが、単独で完結しません。
治安や外交・安保の議論とも接続しますし、労働市場や社会保障ともつながる。実際、今回の文脈でも衆院解散の動きが報じられており、争点設定が一気に進む可能性があります。
だからこそ、投票の前にやっておきたいのは「争点の分解」です。
「外国人政策を重視する」なら、どの層(短期滞在、留学、就労、永住等)をどう設計し、どのルールを強め、どの共生施策を整えるのか。ここまで落とさないと、結局はスローガン合戦になります。
行政書士として、いま一番言いたいこと

私は、制度は「厳しくするか、緩くするか」の二択ではないと思っています。
必要なのは、入口の設計、運用の透明性、出口の整合性、そして地域の受け皿です。
在留外国人が増えること自体は、統計上も既に現実です。
現実が先に進んでいる以上、議論も、もう少し具体に降りてほしい。少なくとも「何をもって“秩序”と呼ぶのか」を、制度の言葉に翻訳していく必要があります。
【結論】

Xアンケートで「外国人政策」50%という結果は、国民全体の代表値ではないが、関心の強い層の不安と優先順位を映す“温度計”にはなる。
議論は「在留管理・労働・共生」に分けて具体化しないと、選挙の言葉が空転する。
【根拠】
在留外国人数が過去最高水準に増加していること、制度改正と運用整備が転換期にあること、政府が「秩序ある共生」を掲げた枠組みを置いていることから、争点化しやすい環境が揃っている。
【注意点・例外】
Xアンケートは統計調査ではなく、回答者が偏る。結果を一般世論の割合として扱うのは不適切。
また「外国人政策」は論点が広いため、何を指すか定義せずに議論すると誤解が増える。専門的判断が分かれる具体論(総量規制の設計、在留審査要素の追加など)は専門家に確認が必要。
【出典】
・「週刊フジ」X投稿(アンケート結果の言及)
・出入国在留管理庁「令和7年6月末現在における在留外国人数について」
・首相の解散意向に関する報道(FNN)
・出入国在留管理庁「特定技能制度及び育成就労制度…」ページ
・首相官邸「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」
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