「支援は、ゴールまで連れて行くことではない」。

この言葉に、私は少し救われました。外国人支援の現場では、善意が先行するほど“助けすぎ”が起きるからです。助けた側は達成感が残る。
けれど、助けられた側には「次からも誰かがやってくれる」という空気だけが残ることがある。
医療の現場は、その矛盾がいちばん露出します。
通訳がいない。説明が伝わらない。結果として診療が遅れる。検査や同意が曖昧になる。
最悪なのは、患者さんが「わかったふり」をしてしまうことです。
これは語学の問題ではなく、安全の問題です。
三重大学病院の発信には、医療通訳士が外来・入院時の通訳だけでなく、窓口対応、支払い相談、翻訳、多職種連携まで担い、令和5年度に年間4,658件対応したことが記載されています。
通訳が“診療の周辺”ではなく、医療提供の“中核”に食い込んでいる実態が見えます。
厚労省の医療通訳関連資料でも、医療通訳者に求められる知識・技能・倫理を明示し、専門職として機能させるためのカリキュラム基準が整理されています。
つまり国としても「専門職として整える」方向性自体は持っている。
ここで大事なのは、「通訳を増やそう」という単純な話ではありません。
通訳を“個人の善意”で回すのではなく、「医療チームの一員として機能できる土台」をどう用意するか。研修、雇用、連携、守秘、同意の取り扱い。ここが整って初めて、現場が救われます。
もう一つの現場が、防災です。
災害時に弱いのは、体力がない人ではなく「情報が届かない人」です。外国人住民が地域の情報網から外れていると、避難や支援が遅れます。そこで効いてくるのが、やさしい日本語と、地域の“顔の見える関係”。
消防庁の「やさしい日本語」ガイドラインは、災害情報を外国人に的確に伝えるための作成指針として示されています。
内閣府(防災)のポスターも、やさしい日本語や多言語QRで「備え」を届かせる設計になっています。
ここまで来ると、支援は「翻訳」ではなく「設計」だと腹落ちします。届く形に整える。迷わない動線を作る。
これがスタートライン整備です。
そして私は、この“整備”が「支援される側を支援する側へ」移す鍵だと思っています。
三重県国際交流財団(MIEF)の資料でも、四日市市の外国人防災リーダーズ育成研修が「支援される側から支援する側へ」と明確に掲げています。
さらに、四日市市の記者発表では、外国籍の団員に辞令交付を行うことが示されています。
外国人が地域の防災の“当事者”になる流れは、行政の文書にも現れています。
ここまでの話を、行政書士の実務に引き寄せると、見えてくるものがあります。
入管手続、住民手続、医療、学校、雇用。支援が必要な場面は山ほどある。
だからこそ、私は「手続を代行すること」と「生活を代行すること」を分けて考えたい。
たとえば、手続面での支援は、本人が日本社会のルールにアクセスできるようにする“梯子”になります。申請書類の作り方、説明の整理、証拠資料の揃え方。これは本人の努力を前提に、制度の入口まで連れていく仕事です。
一方で、生活の判断までこちらが抱えると、本人の意思決定が痩せていく。これは現場で何度も見ます。親切は、依存を生みます。
支援のゴールは「同じスタートラインに立てる状態」。

私はその状態を、次の3つで捉えています。
1つ目は、情報にアクセスできること。
やさしい日本語、多言語、相談窓口の明確化。
2つ目は、意思決定できること。
理解した上で選べる環境(医療ならインフォームド・コンセントの実質化)。
3つ目は、地域の役割を持てること。
防災リーダーのように「支える側」に回れる回路。
「郷に入っては郷に従え」という言い方は、乱暴にも聞こえます。
でも本来は、相互にルールを共有するということです。
日本側が“説明責任”を放棄して「守れ」だけを突き付ければ摩擦になる。
外国人側が「分からない」で止まれば孤立する。
両方の歩み寄りが必要で、その接点が“スタートライン整備”なのだと思います。
記事末尾整理
【結論】
外国人支援は「過剰な介入」で生活を代行することではなく、日本人と同じスタートラインに立てるよう、情報・理解・役割の土台を整えることに価値がある。
【根拠】
医療通訳は専門職としての知識・技能・倫理が制度的に整理されており、現場では通訳が診療の安全と運用に深く関与している。
防災では、やさしい日本語等の公的ガイドラインや、多言語で備えを促す公的資料が整備されている。
「支援される側から支援する側へ」を掲げる研修や、外国籍団員への辞令交付など、参加の回路も具体化している。
【注意点・例外】
医療通訳の費用負担や診療報酬上の評価の扱いは、制度設計・地域事情・医療機関の体制で変わり得るため、専門家に確認が必要。
支援の「適量」は個別事情(在留資格、家族状況、日本語力、健康状態、災害リスク)で変動するため、一律の正解はない。
【出典】
厚生労働省「医療通訳に関する資料 一覧」「医療通訳育成カリキュラム基準(育成カリキュラム実施要領)」
三重大学病院(Online MEWS)医療通訳士の対応実績等
四日市市 記者発表資料(消防団員辞令交付式)
三重県国際交流財団(MIEF)四日市市外国人防災リーダーズ育成研修資料
総務省消防庁「やさしい日本語」作成ガイドライン
内閣府(防災)「外国人のための減災のポイント」
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