「公営住宅の申込み用紙って、結局どこまで書かせていいんですかね」
自治体の担当者と話していると、たまにこういう“ため息混じりの質問”が出ます。
住宅は生活の土台です。だからこそ、制度の話がいきなり現場の作業量と摩擦に直結する。
報道ベースではありますが、政府が取りまとめる外国人政策の基本方針に「公営住宅やUR賃貸への入居時に、国籍や在留資格などの情報確認を求める」趣旨が盛り込まれる見通しだとされています。23日に関係閣僚会議で公表予定とのことなので、最終版で文言が変わる可能性は残ります。
ここは未確認事項として扱います。
ただ、材料はすでに出始めています。
自民党側の提言資料では、公営住宅等に外国人が集住することで学校現場の負荷が増す、緊急時に国籍が分からず対応が遅れる、といった問題意識が明記されています。
今後の新規入居者について国籍・在留資格等を把握することを「検討すべき」と整理されています。
「国籍把握」は“締め出し”なのか、それとも“段取り”なのか

今回の話を、単純に「外国人の入居制限だ」と受け取るのは早計です。少なくとも、提言資料の書きぶりは「入居資格を直ちに変える」よりも、「事業主体によって把握の有無がバラついているので、まず揃える」という色が濃い。
実務的に言い換えるなら、「申請書類の記載項目と確認書類が、全国的にもう少し統一されるかもしれない」という話です。
ここが第一段階。
一方で、第二段階として「把握したデータをどう使うのか」が必ず争点になります。
災害対応、連絡体制、学校や医療・福祉の受入体制の見立て。目的が“段取り”にとどまれば、現場の納得は作りやすい。
逆に、データが制裁的に運用される印象を与えると、共生の土台が崩れるリスクが出ます。
政府側の検討全体をみると、「秩序ある共生」を掲げつつ、未払い・制度逸脱への対応強化や、日本の制度学習プログラムの創設などが並行して語られています。
この“共生と管理の同時進行”が、現場にとって一番難しいところです。
住宅の現場で起きそうなこと:申請書、確認、説明

もし「国籍・在留資格の確認」が制度として降りてきた場合、現場でまず増えるのは次の3つです。
-
申請書の改訂(国籍、在留資格、在留期間などの記載欄)
-
在留カード等の確認フロー整備(写しの扱い、保存期間、閲覧権限)
-
申込者への説明(何のために、どこまで使うのか)
ここで雑にやるとトラブルになります。説明が弱いと「監視されるのか」と誤解される。
保存や共有が曖昧だと、個人情報の事故が起きる。結果として自治体も住民も疲弊する。
個人情報の取り扱いは、目的の特定と必要最小限が基本です。
住宅は生活に直結するので、なおさら丁寧さが要る。これは実務の感覚として強く思います。
「学校が大変」問題は、住宅だけで解けない

提言資料が挙げる理由の一つに「特定の学校で外国籍の児童生徒が急増し、学校に過大な負荷」という指摘があります。
この現象自体は、自治体によっては現実です。
ただ、住宅で国籍を把握したからといって、学校の負荷が自動的に下がるわけではない。
必要なのは、日本語支援、通訳、学習支援員、保護者対応の設計、地域の受け皿づくり。
つまり、教育・福祉側にリソースを回す仕組みがセットでないと、住宅側の“把握”だけが先行して終わります。
だから私は、この論点は「把握の是非」よりも、「把握した後に何を増やすか」の議論に踏み込んでほしいと思っています。
把握は手段で、目的は生活の安定のはずなので。
永住の日本語要件、帰化の居住年数…“長く住む人”への設計が変わる

今回の政策パッケージは、住宅だけの話で終わりません。
報道では、永住許可要件として日本語能力や収入基準の議論、帰化の居住要件を「原則10年」へ運用で引き上げる検討が並びます。
帰化の居住要件については、少なくとも「法改正ではなく運用で引き上げを検討」とする報道が出ています。
永住の日本語要件については、経団連の政策提言でも「日本語能力や日本社会・文化への理解度を測る仕組みを要件化することを検討すべき」と整理されています。
ここは、専門家に確認が必要な論点も多い。
たとえば「どの水準の日本語を、誰に、いつから、どうやって証明させるのか」。
線引き次第で、真面目に働いてきた人ほど困る制度にもなり得ます。
反対に、支援設計がうまく組めれば、社会統合の助けにもなる。
住宅の国籍把握も同じで、設計次第です。締め付けの象徴にするのか、生活インフラの整備にするのか。
23日公表後、まず確認したいポイント

23日に政府方針が出たら、私はまず次を見ます。
・「国籍把握」の対象範囲(公営住宅、UR、民間委託先まで含むか)
・確認する情報の範囲(国籍だけか、在留資格・在留期間までか)
・保存と共有のルール(誰が、どこまで、何の目的で)
・不利益取扱いの歯止め(確認できない場合の扱いをどうするか)
・共生施策の実装(日本語・生活オリエンテーション等が“絵”で終わらないか)
政府は2025年11月に関係閣僚会議を立ち上げ、「基本的な考え方・取組の方向性」を示す流れを進めています。
だからこそ、今回の公表は“スタートの文章”です。現場は、ここから具体化の波を受けます。
結論

公営住宅・URの入居時に国籍や在留資格等の把握を求める動きは、「制限」より先に「運用の統一・段取り」の色が濃い。ただし、データの使い方次第で共生にも分断にも振れる。
根拠
自民党提言資料に、公営住宅等での国籍・在留資格等の把握検討と、その理由(学校負荷、緊急時対応)が明記されている。
政府の方針原案に、制度学習プログラム創設や未払い情報の活用などが盛り込まれる旨の報道がある。
注意点・例外
・政府の最終方針は2026-01-23公表予定で、文言や対象範囲が変わる可能性がある(現時点では未確認)
・個人情報の取り扱い、共有範囲、不利益取扱いの有無は制度設計次第で、専門家に確認が必要
・「学校負荷」の問題は、把握だけでは解決せず、教育・福祉側の体制整備が不可欠
出典
・自民党「外国人政策本部 提言」
・名古屋テレビ(メ~テレ)報道(政府方針原案、有識者会議意見書)
・首相官邸「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」
・TBS NEWS DIG(帰化の居住要件を運用で原則10年へ検討)
・経団連「転換期における外国人政策のあり方」(永住要件見直しの検討)
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