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TOP > コラム > 留学生の不法就労対策は新ルールではない 日本語学校が見落とせない法務省の考え方

留学生の不法就労対策は新ルールではない 日本語学校が見落とせない法務省の考え方

2026.04.13
コラム留学ビザ
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留学生の不正バイト防止で日本語学校に問われる責任 法務省資料から読む在籍管理の本質

日経新聞で、出入国在留管理庁が日本語学校に対し、留学生の就労状況を3カ月ごとに面談して把握するよう義務付ける方向だと報じられました。

2026年4月11日時点で、私はこの新通知の原文までは確認できていません。

したがって、面談の対象者、記録方法、未報告時の扱いなど細部は未確認です。その点は慎重に見ておく必要があります。

ただ、法務省・入管の既存資料を読むと、今回の話はまったく新しい義務が突然できたというより、もともと学校側にあった管理責任を、あらためて具体的に言い直したものとみるほうが自然です。

日本語学校側からすると、「新しい負担」よりも、「今まで当然やるべきだったことを、より明確に求められた」と受け止めるべき話だと思います。 

今回の論点は「新しい義務」より「もともとの責任」

今回の報道を見て、私がまず感じたのは、制度が急に厳しくなったというより、現場の管理がそこまで信用されなくなっているのだろう、ということでした。

留学生の資格外活動、いわゆるアルバイトは、単なる生活指導の問題ではありません。

週28時間の上限を超えれば、在留資格「留学」の更新や変更にも影響し得る話です。本人だけの問題ではなく、雇用先、そして受入機関である学校の管理のあり方まで問われます。

つまり、学校が「授業はしているからよい」「出席は見ているからよい」と考えているだけでは足りません。

留学生を受け入れる以上、その在留の安定と資格外活動の適正まで含めて見ていく立場にある。私はそこが本質だと思っています。

日本語学校が法務省資料を把握していないのはかなり危うい

ご指摘のとおり、文科省通知だけでなく、法務省側の資料を把握していないことのほうが、日本語学校にとってはむしろ深刻です。

法務省の「『著しく不適切な受入体制』の考え方」は、教育機関による留学生の受入体制をどう評価するかの判断枠組みを示した資料です。留学生を受け入れる機関にとって、かなり根幹に近い資料といえます。 

日本語学校は、制度の外にいるわけではありません。制度の真ん中にいます。だからこそ、法務省・入管が何を問題視しているかを知らないまま運営しているのは、実務感覚として相当危ない。

少しきつい言い方ですが、車を運転しているのに標識を見ていないのと近いです。

事故が起きてから「そんなルールだったんですか」では済まない。留学生の受入れも、もうそういう段階に来ている気がします。

告示基準でも、学校には資格外活動の把握が求められてきた

この点は、日本語教育機関の従来の基準を見てもかなり明らかです。

日本語教育機関については、告示基準の中で、生徒の在留期間や資格外活動許可の有無・内容を把握し、入管法令違反がないよう適切な助言・指導を行うことが求められてきました。

学校は教育だけしていればよいのではなく、在留と資格外活動の実態まで見て、必要な指導を行う立場に置かれていたわけです。 

ここから言えるのは、留学生のアルバイト実態を学校が把握するという発想自体は、今回突然出てきたものではないということです。

すでに土台はあった。その土台を、入管がもう一度、もっと分かりやすく前面に出してきた。

そう読むほうがしっくりきます。

入管は「卒業後も面談する学校」を前提にしている

この流れは、卒業後の就職活動継続に関する特例にも表れています。

出入国在留管理庁の公表資料では、海外大卒者が日本語教育機関卒業後も日本で就職活動を継続する場合、留学生本人について、在籍中の出席状況がおおむね9割以上であることや、日本語教育機関在籍中から就職活動をしていることが求められています。

さらに、卒業後も学校と定期的に面談し、就職活動の進捗を報告し、学校から情報提供を受けることまで要件化されています。 

日本語教育機関にも要件が課されている

同じ資料では、日本語教育機関側にも要件があります。

認定を受けた課程であることに加え、直近3年間において在籍管理が適切に行われていること、問題在籍率が5%を超えるなどの事情があれば不適切と扱われ得ること、卒業後も定期面談をして進捗確認や情報提供を行うこと、就職が決まらなければ適切な帰国指導を行うことなどが示されています。 

ここまで読むと、入管は日本語学校を「卒業したら関係終了の存在」とは見ていないことが分かります。

卒業後も学生の動きを追い、状況を確認し、場合によっては帰国指導まで行う主体として見ている。かなり重い位置づけです。 

だから今回の報道は「ゼロからの新義務」ではない

今回の日経報道にある、3カ月ごとの面談や就労状況の把握という話は、こうした既存の制度や運用の延長線上にあります。

推測ですが、現場では「在籍管理はしている」「出席は見ている」と言いながら、実際にはアルバイトの時間や内容、勤務先の変更、生活実態まで十分に追えていない学校もあったのだろうと思います。

だからこそ、入管はそこを曖昧にせず、はっきり言葉にし直した。そんな流れに見えます。

つまり、今回問われているのは、日本語学校に新しい能力が必要になったというより、もともと必要だった管理感覚を本当に持っていたのか、という点です。

入管のガイドライン「把握していないのもやばいのでは」という感覚はかなり妥当

私は、この問いに対しては、かなり率直に「はい、やばいです」と答えてよいと思っています。

もちろん、個別の学校が直ちに法的に不適正と評価されるかは別問題です。実際の運営体制、出席管理、指導記録、報告体制、改善措置の有無などを個別に見なければいけません。

そこは専門家に確認が必要です。

ただ、少なくとも、法務省・入管が従前から出してきた在籍管理や資格外活動管理の資料を把握せずに、留学生を受け入れ続けるのは危うい。これはかなり言ってよいと思います。 

学校が見るべきなのは、表面的な出席率だけではありません。

欠席が増えた理由、生活費の見通し、アルバイト先の実態、勤務時間、進学や就職への意欲、場合によっては在留継続の見込みまで含めて、きちんと見ていく必要があります。

その地味な仕事を後回しにしてしまうと、最後は更新不許可や不法残留、資格外活動違反といった形で一気に表に出てきます。制度というのは、案外そういうところで本性を見せます。

留学生の不正バイト対策は、留学生だけの問題ではない

留学生の不正バイト対策というと、どうしても本人側の問題のように見えがちです。

でも、実際にはそうではありません。受け入れた学校、雇った事業者、仲介に関わった者、そして審査する行政。それぞれの責任が少しずつズレたまま進んできた結果が、今の厳格化なのだと思います。

だから私は、今回の報道を、留学生を締め付ける話としてだけは見ていません。

むしろ、日本語学校を含む受入機関が、自分たちの責任範囲をどこまで本気で理解しているかが問われている。そこにこの話の重さがあるように感じます。

まとめ

法務省・入管の資料を踏まえると、日本語学校が留学生の資格外活動や在籍管理を把握していないことは、単なる情報不足では済みにくいです。

今回の報道は、新しい義務がいきなり増えたというより、従前からあった管理責任が、あらためて逃げ道の少ない形で示されようとしている。そのように見るのが自然です。

留学生を受け入れる学校である以上、教育と在留管理は切り離せません。

そこを理解していない学校は、これからますます厳しく見られていくはずです。私はそう考えています。

【結論】

日本語学校が法務省・入管の在籍管理や資格外活動管理に関する資料を把握していないのは、かなり問題です。

今回の報道は、まったく新しい義務が突然課されるというより、従前からあった管理責任を、より具体的に確認する流れとみるのが自然です。

「把握していないのもやばいのでは」という見方は、実務的にかなり妥当です。

【根拠】

法務省・入管は、日本語教育機関について、留学生の在籍管理や卒業後の面談、問題在籍率などを具体的に要件化・明示しています。 

卒業後の就職活動特例でも、日本語教育機関に対して定期面談、情報提供、帰国指導まで求めています。 

これらから、学校が資格外活動や在留状況を把握する責任は、従前から制度の中に組み込まれていると整理できます。 

【注意点・例外】

2026年4月11日時点で、日経報道にある新たな入管通知の原文自体は未確認です。したがって、3カ月面談の細部までは断定できません。

個別の学校が直ちに法的に不適正と評価されるかは、実際の運営体制や指導状況によります。専門家に確認が必要です。

法務省PDFの一部は取得制限があり、この場では公開ページ等で確認できた範囲を基礎に整理しています。 

【出典】

出入国在留管理庁「大学等を卒業後就職活動のための滞在をご希望のみなさまへ」 

出入国在留管理庁関連公開資料・公開ページ確認結果 

 

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