皆さんおはようございます!
新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所です。
育成就労制度を前に、労働局が本格的に“現場”に動き出した
こんにちは。Asocia行政書士法務事務所です。
外国人の在留資格や労務環境に関するご相談を日々受けている中、今回は2027年春に施行が予定されている「育成就労制度」を前に、神奈川労働局が労働環境の是正に本腰を入れ始めたというニュースを取り上げます。
技能実習制度に代わる形で新たに創設されるこの制度。
報道によると、神奈川労働局はすでに外国人労働者を多く雇用する企業への監督指導を強化しており、特に賃金・労働時間・安全衛生管理といった基礎的な部分の確認を徹底しているとのことです。
技能実習制度の“課題”が育成就労制度の出発点
私もこれまで多くの技能実習生の在留手続きや事業者側の支援をしてきましたが、実際の現場では次のような声があがっていました。
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「実習生の勤務時間が建前と異なる」
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「寮費を不当に天引きされている」
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「転職したくても実質不可能」
特に問題が多いとされていたのが「転籍の制限」です。
🔹【用語解説】転籍とは?
「転籍」とは、技能実習生が受け入れ企業を変更することを指します。
技能実習制度では、原則として転籍ができず、やむを得ない事情(例:会社の倒産・パワハラなど)に限ってのみ可能でした。
しかし、実習生本人の意思による職場変更はほぼ認められず、仮に問題があっても「我慢して働く」しかないケースが多かったのです。
✅【実例】転籍できずに“逃げるしかなかった”実習生
建設業の現場で働いていた技能実習生Aさんは、暴言・過剰な残業に悩み、監理団体に相談しましたが「あと1年我慢すれば帰国できる」と説得されました。
最終的に彼は夜逃げのようにして寮を出て失踪、在留資格も失効してしまい、不法滞在状態となる結末を迎えました。
制度の趣旨が「技能移転」ではなく「労働力確保」に傾いた結果、実質的な労働者としての酷使や人権侵害すれすれの処遇が問題視されるようになりました。
厚生労働省の調査では、技能実習を受け入れている事業所の約73%が労基法違反という、驚くべき数字が出ています。
これを受けての制度見直しである「育成就労制度」は、まさに今後の外国人労働政策の試金石になるでしょう。
神奈川労働局の動きは制度の“先取り”
今回の神奈川労働局の動きは、制度開始前に「下地作り」を始めたとも言えます。
とくに、製造業や建設業など災害リスクが高い業種では、労働災害や安全教育の実施状況が重点的に確認されているとのこと。
このような行政の姿勢は、我々行政書士としても歓迎すべきです。
なぜなら、劣悪な労働環境のまま制度だけ新しくしても、また同じ問題が繰り返されるからです。
企業に求められる“今からの備え”
企業側としては、制度施行を待って動くのではなく、今のうちから労働環境の整備を見直すことが重要です。
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就業規則や労働契約書の整備
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外国人への研修体制の構築
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母語対応・翻訳体制の準備
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残業・賃金管理の適正化
こうした取り組みは、制度適用時に“選ばれる受入れ企業”になるための準備でもあります。
🔹【用語解説】労基法違反とは?
「労基法違反」とは、労働基準法に違反する企業の行為全般を指します。外国人労働者であっても、日本人と同じく労基法の保護対象です。
✅【よくある違反例】
違反内容 | 具体例 |
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賃金不払い | 所定の残業代が支払われず、月給が契約より少ない |
最低賃金割れ | 時給が地域の最低賃金(例:新潟県は2024年度で時給985円)を下回る |
過剰労働 | 週40時間を超え、かつ36協定が未締結のまま長時間労働が行われている |
適切な労災保険未加入 | 現場作業中にケガをしたが、労災未加入のため自己負担で治療したケース |
有給休暇の不付与 | 有休の取得を一切認めない(または申請しても黙殺される) |
これらは日本人労働者にも多い違反ですが、外国人労働者が“言葉の壁”や“立場の弱さ”ゆえに泣き寝入りしてしまうケースが後を絶ちません。
このような現実を踏まえ、育成就労制度では「転籍の柔軟化」や「違反企業の排除」が制度設計に盛り込まれています。
今後は、行政も事業者も、“制度”と“現場”のギャップを埋める責任を担っていくことになります。
行政書士としての支援の役割
私たち行政書士は、単に在留資格の申請を行うだけでなく、受入れ企業に対する法的助言や制度運用サポートも行っています。
制度が変わる過渡期にある今こそ、「制度を守って人を守る」ことが、最も重要なのだと感じています。
【まとめ】
制度の施行はまだ先ですが、行政(労働局)はすでに動いています。
企業も、支援する私たち専門家も、「見てから動く」のではなく「見越して備える」姿勢が求められます。
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以上、新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所でした。
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