19年間の不法滞在と外国人労働の実態~中古車輸出業に従事していたスリランカ人逮捕を受けて~
皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
2025年8月5日、北海道でスリランカ国籍の男性(47)が入管難民法違反(不法残留)の容疑で逮捕されました。
報道によると、彼は2006年に短期滞在ビザで入国後、約19年間にわたって在留資格を持たずに日本国内で生活していたとみられています。
■事件の概要
この男性は、中古車を海外へ輸出する仕事に従事していたと供述しており、栃木県に居住していたようです。
逮捕のきっかけは、北海道長沼町で仮ナンバー付きの車を搬送中に職務質問を受け、パスポート不携帯だったため、その場で現行犯逮捕となったことでした。
■在留資格がないまま働くとはどういうことか
今回のケースでは、「仕事をしていた=就労できる在留資格を持っていた」というわけではありません。
在留資格が失効した状態での就労は明確な違法行為です。
また、一部報道では、短期滞在で入国してそのまま就労していたという情報もあり、
もし「短期滞在」の在留資格で入国して就労していた場合にも、短期滞在は就労できる在留資格ではないため、不法就労となります。
このように、不法残留や不法就労状態で仕事を続けている外国人の中には、自動車関連や建設業、農業など人手不足が顕著な業種で働くケースが多く見られます。
当事務所にもたまに、「短期滞在で働いている。何とかして就労できる在留資格に変更できないか?」というような相談が寄せられます。(勿論、そのような時には、国に帰りなさいとしか言えないのですが…)
■誰が責任を問われるのか
入管法では、外国人本人だけでなく不法就労を助長した事業者や関係者も罰則の対象です(入管法第73条の2)。
不法就労助長罪の罰則
⇒ 5年以下の懲役または500万円以下の罰金、またはその両方
そのため、雇用側も「知らなかった」では済まされません。
在留カードの確認や資格外活動許可の有無のチェックなど、企業側にも厳格な確認義務が求められます。
しかも、19年間も在留カードの確認をしなかったなどは、普通は考えられません。
今回のケースのように、中古車を海外へ輸出する会社の多くの経営者は外国人の方が多いのが実情です。
その経営者の多くは、経営管理の在留資格や永住権などの在留資格を持って日本に在留しているので、在留資格については多少なりの知識があり、在留カードの確認や就労できる在留資格については「知らなかった」ではすまされないと考えますので、処罰の対象になり得ると考えます。
■長期の不法在留を防ぐためには
今回のように、19年間も不法に在留していた事実は、入管行政の網をかいくぐって生活基盤を築いていたことを意味します。
外国人本人にとってもリスクの高い状態であり、医療、保険、雇用契約、子育て等の社会保障からも排除された生活を強いられていた可能性があります。
この点について本来、労災保険などは不法就労等であっても加入義務は免られないのですが、今回のケースではどうだったか気になる点でもあります。
行政側には継続的な在留管理の強化が求められるとともに、企業側や市民にも「在留資格の有無」や「就労資格」の理解が必要です。
■行政書士として伝えたいこと
先ほども述べましたが、当事務所に、不法就労状態を解消したいのでどうにかできないか?
というような趣旨の相談があります。
相談者は経営者や、外国人本人だったりと様々ですが、
「不法就労状態を分かった上で雇用している」企業が、一定数存在するのが現状です。
既に不法就労状態であることをどうにか軌道修正することは、
正直私たちにはどうしようもありません。
経営者であれば、入管法を少しでも理解するようにしていただき、自社で不法就労を未然に防止することが大切です。
外国人本人にとっては、手続きの煩雑さや日本語の壁、雇用主との関係性が不法滞在の背景にあることも少なくありません。
しかし、不法状態が長期化するほど、将来的な在留資格の回復や正規化は極めて困難になります。
行政書士として、外国人の方々が正しい手続きを経て、合法的に日本で働けるようサポートすることが重要だと、改めて強く感じました。
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