経営・管理ビザの厳格化と「移民ブローカー」の影

皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。

今回は話題になっている 「経営・管理ビザ」の取得要件厳格化 について、背景や今後の影響を行政書士の視点から整理してみます。

 

１．なぜ厳格化されるのか？

これまで経営・管理ビザは、

• 資本金500万円以上または常勤職員2名

• 日本国内に事務所を設置

という条件で認められてきました。

ところが、近年は 「不動産購入＋民泊」 だけでビザを取得し、実際には事業運営に関与しないケースや、同一住所に多数のペーパーカンパニーを設立する事例が目立つようになりました。

特に中国人取得者が約2万人と全体の半数を占め、ブローカーの介在が社会問題化しています。

その結果、出入国在留管理庁は次のような大幅見直しを発表しました。

• 資本金要件：500万円 → 3000万円以上

• 常勤職員：1名以上の雇用を必須

• 経営経験3年以上または修士相当以上の学位

• 中小企業診断士や公認会計士による事業計画確認

つまり「移住目的のビザ取得」を防ぐために、起業家としての実態を強く問う内容になっています。

２．中国人富裕層が日本を目指す理由

背景には中国国内の事情があります。
ゼロコロナ政策のロックダウンや、不動産不況、教育や老後への不安などから 「潤（ルン：中国脱出）」 が流行語となりました。

仲介ブローカーが「日本移住100％保証」と甘い言葉を並べ、多額の手数料を取るケースもあり、社会問題化しています。

３．「裏ルート」として狙われる別のビザ

厳格化されると、移住希望者は別の在留資格に流れます。

• 知人企業を通じての 技術・人文知識・国際業務ビザ（偽装就労）

• 子どもの教育目的での 留学ビザ

• 投資・経営ではなく、配偶者や親族呼び寄せによる 家族滞在ビザ

これらも、実態が伴わなければ 入管法違反（虚偽申請や不法就労助長） に発展しかねません。

４．厳格化で何が変わるのか

資本金3000万円・日本語力・事業計画審査といったハードルにより、中間層の移住目的申請は難しくなると見られます。

しかし、ブローカーは次のターゲットとして「就労系ビザ」や「留学ビザ」を狙っていく可能性が高いでしょう。

５．行政書士としての視点

本来の経営・管理ビザは、日本で実際に事業を行い、雇用を生み、日本経済に寄与するための制度です。
制度を悪用した申請は、日本社会に不信感を招くだけでなく、真剣に挑戦したい外国人起業家のチャンスを奪ってしまいます。

これから申請を検討する方は、

• 資金計画の透明性

• 日本語や地域との関係構築の意思

• 実行可能性の高い事業計画

が求められる時代になったと心得るべきでしょう。

私の事務所でも、起業・経営管理ビザのご相談では「事業の実在性・継続性」を徹底的に確認しています。
もしお悩みの方がいれば、ぜひ専門家に早めにご相談ください。

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以上、新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所でした。

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