外国人による農地取得が過去最多 ― 背景と法的枠組みを徹底解説
皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
はじめに
農林水産省の発表によれば、2024年に外国人やその関係法人が取得した日本国内の農地面積は 175.3ヘクタールと、統計開始以来最多を記録しました。
取得者の国籍別では中国が最多。農業従事目的や相続による取得が多い一方で、「外国人が農地を持つなんて大丈夫なのか?」という不安の声もあります。
今回は、行政書士の立場から 外国人による農地取得の仕組みと規制の限界 を解説します。
1.なぜ外国人が農地を取得できるのか
日本の「農地法」では、農地の売買や賃貸借には原則として 農業委員会の許可 が必要です。
つまり、単なる投資目的では取得できず、耕作の実態がある場合に限られます。
しかし一方で、日本はWTO協定の一部である GATS(サービスの貿易に関する一般協定) に加盟しているため、外国人に対して不利になる規制を設けることはできません。
結果として「外国人だから禁止」という制度は存在せず、あくまで農地法の基準に合致すれば取得可能となっています。
2.統計の中身 ― 取得者は誰なのか
農水省の調査によれば、2024年の取得者は以下のような特徴があります。
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日本に住む外国人個人:95ヘクタール(54%、377人)
→ 多くは営農目的。日本人配偶者を通じた相続取得も。 -
外国人が出資・理事の法人:79ヘクタール(32社)
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海外に住む外国人・企業の関係法人:ごく少数(計1.3ヘクタール)
国籍別では中国が最多(27%)、続いて韓国・ブラジル・米国・ベトナムと続きます。
👉 ポイントは「現に日本に住み、農業を行う外国人」による取得が中心であり、ニュースで懸念されるような“投資目的の買い占め”は農地法上不可能だという点です。
3.社会的な懸念と実態
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懸念1:農地が投機対象になるのでは?
→ 農地法により、耕作の実態がない限り許可されません。 -
懸念2:中国資本による土地支配?
→ 取得面積は175ヘクタールと、日本全体の農地(約440万ヘクタール)から見ればごく一部です。しかし、これから増加傾向となるのか注視が必要なところです。 -
懸念3:監視体制は十分か?
→ 2023年9月から、農業委員会への国籍報告が義務化され、実態把握が進められています。
4.行政書士から見た今後の課題
実務上、外国人が農地を取得する際には「農業委員会への申請書類」や「在留資格(経営・管理や特定活動など)との整合性確認」が不可欠です。
特に相続の場合、日本人配偶者等や永住者が関わるケースも多く、在留資格の相談と併せて対応する必要があります。
今後の課題は、
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適正な耕作を継続しているかのモニタリング
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外国人農業者に対する技術指導や地域コミュニティとの連携
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外国資本による間接的な土地利用のチェック
といった点に移っていくでしょう。
まとめ
外国人による農地取得は「過去最多」と報じられていますが、その大半は実際に農業に従事する外国人による正規の取得です。
法律上、投資目的の買い占めはできず、制度的にも監視体制が強化されています。
行政書士としては、誤解や不安を煽るよりも、 法制度に基づいた正確な理解 と、 現場での適正な手続き支援が重要だと考えます。
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