外国人受け入れに「上限」？ 維新の提言を行政書士が読み解く

皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。

先日、日本維新の会が「外国人政策に関する提言」を公表しました。

その柱となるのが、

• 外国人受け入れに「総量規制（上限設定）」を設けること

• 帰化の厳格化と「帰化取り消し制度」の創設
  です。

このニュースはインパクトが大きく、SNS上でも賛否が分かれています。

行政書士として日々外国人の在留資格や帰化申請に関わる立場から、今回の提言を整理してみたいと思います。

---

1. 外国人受け入れ「総量規制」とは？

「総量規制」とは、人口に占める外国人の割合に上限を設け、それ以上は受け入れないという考え方です。

現状、日本の人口に占める外国人の割合は約3％弱。欧州主要国（フランス約12％、ドイツ約18％）と比べれば低い水準です。

ただし、少子高齢化が急速に進む日本では、労働力確保のために外国人受け入れは拡大傾向。すでに製造業・介護・建設などでは外国人材が不可欠になっています。

ここで「上限」を設けると、人手不足解消とのバランスをどう取るのかが大きな課題となります。

---

2. 帰化審査の厳格化と「帰化取り消し制度」

帰化（日本国籍の取得）は、法務大臣の裁量によって許可されます。
現行制度でも、犯罪歴や素行不良、納税義務違反などがあれば不許可になります。

今回の提言では「帰化取り消し制度」を新設することが盛り込まれています。
つまり、一度日本国籍を得た後でも、虚偽申請や反社会的行為があれば取り消せる仕組みです。

現行法では、国籍法第11条で「自発的に外国籍を取得した場合」などに国籍喪失が定められていますが、政府が帰化を取り消す制度は存在しません。

一旦外国人が日本国籍を取得すると、日本は二重国籍を禁止しています。
帰化を取り消した場合に国籍の問題の議論は避けられないと考えます。

もし導入されれば、制度運用の明確なルール作りが不可欠で、国際人権条約との整合性も議論になるでしょう。

---

3. 外国人政策に「国家戦略がない」？

維新は「日本の外国人政策は場当たり的」と批判しました。

たしかに、技能実習制度の廃止と新制度「育成就労制度」への移行（2027年度予定）、そして特定技能との接続や経営管理ビザの要件厳格化など、近年は制度改正が相次ぎ、現場でも混乱が少なくありません。

企業や学校、そして地方自治体からすれば、「将来どの分野でどれだけ外国人材を受け入れるのか」という長期的な見通しが示されないと、人材育成や地域社会の共生策も立てにくいのが実情です。

---

4. 行政書士として考えること

私の立場から見ても、「上限」や「帰化取り消し」という発想はかなり強硬です。
しかし、背景には国民の不安感も存在します。
例えば、外国人による土地取得や、地域社会での急速な人口比率変化に戸惑う声は確かにあります。

大切なのは、感情的な排除ではなく、透明で公正なルールを設けること。
そのためには、政治の場での議論と同時に、現場で外国人と日々接している私たち専門家も「実態」を社会に伝えていく責任があると考えています。

---

まとめ

• 維新が「外国人受け入れ上限」「帰化取り消し制度」を提言

• 現状、日本の外国人割合は3％弱で国際的には低水準

• 帰化取り消しは新制度であり、導入には国際的議論が必須

• 技能実習は廃止され、2027年度から「育成就労制度」へ移行予定

• 重要なのは数字だけでなく、社会に根差した共生戦略

外国人材の受け入れは、日本の将来を左右する大きなテーマです。
短期的な議論にとどまらず、中長期的な国家戦略のもとで制度を設計していくことが求められています。

—————————————————————————————————————————————

特定技能ビザをはじめとする各種ビザ・在留資格のご相談や代行申請はホームページのお問い合わせフォームをはじめ、お電話・LINE・Facebook・Instagramからもお問い合わせが可能です。

また、当事務所のYouTubeチャンネル「ビザ新潟ちゃんねる」も更新中です。興味のある方はYouTubeもぜひのぞいてみてください。
ビザ新潟ちゃんねる

以上、新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所でした。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
新潟のビザ・入管業務のことならお任せ下さい。
ビザの相談・申請代行専門
Asocia行政書士法務事務所
新潟県初の登録支援機関（１９登-００００８５）
代表行政書士　播磨　史雄
住所：新潟市西区平島2丁目13-11 2F
℡:025-201-7514
mail：info@fumio-h-office.com
総合ホームページ：https://fumio-h-office.com/
新潟ビザ相談センター：http://visa-asocia.com/
新潟県お酒の販売許可申請代行センター：https://www.sakemenkyo.com/
一般社団法人設立専門ページ：https://niigata-syadan.com
新潟成年後見相談センター：http://www.niigata-seinenkouken.com/

LINEからの相談は『24時間365日』受け付けています。

https://lin.ee/yN2iB6a

対応エリア

全国対応
新潟県全域対応可能（新潟市、長岡市、三条市、柏崎市、新発田市、小千谷市、加茂市、十日町市、見附市、村上市、燕市、糸魚川市、妙高市、五泉市、上越市、阿賀野市、佐渡市、魚沼市、南魚沼市、胎内市、聖籠町、弥彦村、田上町、阿賀町、出雲崎町、湯沢町、刈羽村、関川村、粟島浦村、津南町）ビザ新潟
福島県全域対応可能（福島市、会津若松市、郡山市、いわき市、白河市、須賀川市、喜多方市、相馬市、二本松市、田村市、南相馬市、伊達市、本宮市、桑折町、国見町、川俣町、大玉村、鏡石町、天栄村、下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、会津坂下町、湯川村、柳津町、三島町、金山町、昭和村、会津美里町、西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村、石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町、新地町、飯舘村、大玉村、天栄村、檜枝岐村、只見町、南会津町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、湯川村、柳津町、三島町、金山町、昭和村、飯舘村）ビザ福島
山形県全域対応可能（山形市、米沢市、鶴岡市、酒田市、新庄市、寒河江市、上山市、村山市、長井市、天童市、東根市、尾花沢市、南陽市、山辺町、中山町、河北町、西川町、朝日町、大江町、大石田町、金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、鮭川村、戸沢村、高畠町、川西町、小国町、白鷹町、飯豊町、大蔵村、鮭川村、戸沢村）ビザ山形

上記エリア以外でも当事務所はオンライン申請に対応しております。

面談もZoomでの対応可能です。

LINEからの相談は『24時間365日』受け付けています。

友達追加してお気軽にご相談ください。