外国人患者が急増する日本の医療現場 ― 言葉の壁・医療費未払いと制度の課題
皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
はじめに
ここ数年、日本の医療現場では「外国人患者」が目に見えて増えています。
観光庁の統計によれば、訪日外国人旅行者数はコロナ禍を経て再び右肩上がりに推移し、さらに在留外国人も過去最多を更新。
観光客に限らず、留学生や技能実習生、特定技能で働く人材、さらには永住者に至るまで、多様な外国人が医療機関を利用する時代になっています。
しかし、現場の実態はどうでしょうか。医師アンケートでは約9割が「外国人患者が増えている」と回答した一方、病院の9割が「受け入れ体制を整えていない」と答えています。
つまり、患者数は増加する一方で、対応の準備はまだ十分ではないというギャップが浮き彫りになっているのです。
本記事では、外国人患者をめぐる 「言葉の壁」 と 「医療費未払い」 という2大課題に焦点を当て、医療機関・国・そして行政書士の立場から考えられる今後の方向性を整理してみたいと思います。
言葉の壁が生む診療の難しさ
東京・日本橋のクリニックでは、英語に堪能な医師とスタッフを配置し、外国人患者の不安を和らげる工夫をしています。
雑談を交えながら診察を進め、手術の説明まで英語で対応することで、患者との信頼関係を築いているといいます。
このような取り組みは、トラブルの未然防止につながる成功事例といえるでしょう。
一方で、千葉のクリニックでは「UIBC」という血液検査の数値を説明する際、医師が英語での説明に苦慮し、患者が不安を覚える場面がありました。
医学的な専門用語は難解であり、日本語でも理解が難しいものです。これを正確に英語や他言語に置き換えるのは容易ではありません。
実際、通訳を常時配置できる医療機関は限られています。
都市部の大病院を除けば、多くの診療所や中小規模病院は「通訳コストをどう負担するか」という課題に直面しています。
医療費未払い問題の深刻化
外国人患者の増加に伴い、医療費未払いの問題も無視できません。
厚生労働省の調査によれば、外国人患者を受け入れた病院の16.3%が未払い被害に遭っており、1か月あたり平均約50万円、最高では1,187万円という事例も報告されています。
なぜここまで未払いが発生するのでしょうか。その背景には 制度の違い があります。
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日本:皆保険制度が基本。普段から医療費の「見積もり」や「事前精算」の文化がない
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海外:事前に費用を提示し、支払能力に応じて治療範囲を決定するのが一般的
つまり、日本の医療機関は「支払い能力を確認せず診療を行い、後払い」という仕組みで運営されています。
その結果、保険証を持たない旅行者や短期滞在者が高額な治療を受け、支払いを残したまま帰国するケースが後を絶たないのです。
国の対策とその限界
厚労省は未払い防止のため、20万円以上の医療費未収が発生した場合、病院が報告すると次回のビザ発給に影響を与える仕組みを設けています。
しかし、観光客の多くは「一度きりの来日」であり、再入国しなければ制度が機能しません。
また、医療機関が未払い分を回収する保証はないため、現場の不安は依然として残っています。
行政書士の視点からの提案
行政書士として、入管制度と医療制度をつなぐ立場から、以下のような改善策が考えられます。
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医療機関側の対応強化
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診療前にクレジットカード登録やパスポート情報の確認を義務化
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多言語による診療同意書・注意事項を整備し、責任を明確化
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国・自治体の支援
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医療通訳の育成・配置への補助金制度
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出国時に医療費を清算する仕組み(空港での未収金回収など)の導入検討
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外国人患者への周知
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入国時に「日本の医療制度の仕組み(皆保険が使えない場合は全額自己負担)」を案内
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旅行者には医療保険加入を義務化、在留者には民間医療保険の加入促進
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まとめ
外国人患者の増加は、グローバル化が進む日本において避けられない現象です。
医療現場に負担を押しつけるのではなく、制度的な整備と社会全体での理解が不可欠です。
行政書士として強調したいのは、医療費未払いが単なる「病院の損害」にとどまらず、入管制度・ビザ発給・外国人の権利保護と密接に関わっているという点です。
国が「外国人を呼び込む」政策を掲げる以上、医療体制や費用負担のあり方についても同時に整備していく必要があります。
「外国人だから困る」ではなく、異なる文化や制度を前提にした仕組みを構築することで、患者も医療機関も安心できる共生社会に近づくのではないでしょうか。
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