外国人介護人材が支える現場──フィリピン出身女性たちの転身に見る「人手不足」時代の実相
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新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
■ 夜の世界から介護現場へ――変わる外国人就労のかたち

名古屋市の介護老人保健施設「セントラル堀田」では、元フィリピンパブ勤務の女性たちが介護職員として活躍している。
かつて「興行」ビザで来日し、バブル期の日本を支えた彼女たちは、今や介護福祉士として高齢者に寄り添う存在だ。
「人生の先輩を尊敬しています」と微笑むその姿には、日本社会に根を下ろして生きる外国人の新しい姿が映し出されている。
この背景にあるのは、介護業界の深刻な人材不足である。
厚生労働省は、2026年には約240万人、2040年には280万人の介護職員が必要と試算しているが、すでに2023年時点で従事者数は減少に転じている。
若手の採用が難しく、70代の職員が夜勤を担う施設も珍しくない。
こうしたなか、外国人人材の存在は「補充」ではなく「支え」に変わりつつある。
■ 外国人介護人材の主な在留資格と特徴
介護分野で働く外国人には、主に以下の3種類の在留資格がある。
|
在留資格 |
対象・特徴 |
主な要件 |
|---|---|---|
|
EPA介護福祉士候補者 |
フィリピン・インドネシア・ベトナムとの経済連携協定に基づき入国 |
各協定国が定める教育機関を卒業し、介護士として認定されていることなど |
|
特定技能1号・2号 |
2019年に創設。実務能力と日本語力に基づき就労可 |
N4以上、技能評価試験合格。2号で家族帯同可 |
|
日本人の配偶者等・永住者等 |
家族滞在から介護職に転職するケースも多い |
職種制限なし。日本語力・資格によりキャリアアップ可 |
特に注目すべきは、「日本人配偶者等」などの在留資格をもつフィリピン出身女性の増加だ。
彼女たちは長年日本に定住し、日本語会話に長け、文化・マナーを理解している。
技能実習や特定技能のように受入れ枠の制限がないため、施設側にとっても貴重な即戦力となる。
■ 制度の壁と支援の必要性

一方で、制度面には課題も多い。
技能実習制度では「人材育成」を目的とするため、介護現場に長く定着できないケースがある。
また、特定技能1号の外国人は在留期間が最長5年であり、介護福祉士資格を取得しなければ永続的な就労が難しい。
さらに、日本語能力や記録作成など、現場業務に直結する課題も多い。
「話すのは得意でも、記録の漢字が難しい」という声は現場でもよく聞く。
行政書士としても、採用前に在留資格の確認・就労可否の範囲を十分に精査し、雇用契約書・労働条件通知書を日本語・母国語で整備することを推奨している。
■ 採用・受入れ時の法的チェックポイント(実務向け)

介護事業者が外国人介護人材を受け入れる際には、以下の確認が不可欠である。
-
在留カードの確認
表面の「在留資格」欄だけでなく、「就労制限の有無」を必ずチェック。
「資格外活動許可」の有無によって、アルバイト時間の上限も異なる。
-
契約書・労働条件通知書の言語整備
入管庁は外国人の労働トラブル防止のため、多言語での交付を推奨。
フィリピン人職員には英語版を併記することで誤解を防ぐ。
-
介護福祉士取得支援制度の活用
EPA候補者や特定技能者が国家試験に合格すれば、永続的就労が可能となる。
法人内で資格取得を支援する体制づくりが、定着率向上につながる。
-
特定技能外国人支援計画の義務
特定技能外国人を雇用する場合、生活オリエンテーション・相談体制の整備が必須。
委託先(登録支援機関)の選定も慎重に行う必要がある。
■ 行政書士から見た現場の今後

取材に登場したフィリピン出身女性たちは、「水商売だけではない、自分たちの生き方を見てほしい」と語る。
彼女たちは日本社会に定着し、介護を通じて新たな貢献の場を見出している。
この動きは、単なる人手不足対策ではなく、多文化共生社会への移行期を象徴する現象といえる。
介護現場で外国人職員が笑顔で働ける環境を整えることは、採用・教育・定着のすべてに関わる「経営課題」でもある。
制度を理解し、法的リスクを回避しつつ、多様な人材が力を発揮できる職場づくりこそ、これからの介護事業経営の鍵となるだろう。
🟩 まとめ

外国人介護人材の受入れは「安価な労働力確保」ではなく、共に働くパートナーを迎える制度的・文化的プロセスである。
特定技能・EPA・配偶者ビザなど、それぞれの在留資格の特徴を理解し、採用時の法的確認と支援体制を整えることが、介護事業者に求められる新しいマネジメントの形といえる。
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