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特定在留カードとは？マイナンバー機能が統合され在留管理が大きく変わる｜行政書士がわかりやすく解説
2024年6月に成立した出入国管理及び難民認定法の改正により、「特定在留カード」 が新たに導入される予定です。
在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚にまとめるという、在留外国人にとって非常に大きな制度変更となります。
この記事では、行政書士の視点から制度の特徴・メリット・注意点・今後の課題 をわかりやすく解説します。
特定在留カードとは？
特定在留カードとは、在留カードにマイナンバーカードの機能を統合した新しいカード のことです。
対象者は以下のとおりです。
-
住民登録している中長期在留者
-
特別永住者
2024年12月末時点の対象人数は 377万人規模 とされています。
いつから申請できる？
2026年6月までに政令で開始日が公表される予定 ですが、現時点では未定です。
導入の背景：外国人比率10％時代に向けた在留管理の高度化
特定在留カード創設は、次の理由で進められています。
-
外国人の急増による在留情報の複雑化
特定技能制度などの導入により、外国人労働者数が急増。
-
在留状況・雇用状況・社会保険加入情報を一元化する必要性
複数の省庁で管理していた情報を整理し、行政の正確性を高める目的。
-
身分証明書の信頼性向上と利便性向上
在留カード更新とマイナンバー更新が別手続きで不便という課題があった。
行政側の効率化だけでなく、外国人本人の手続き負担も大幅に減らす狙いがあります。
特定在留カードの主な特徴
① マイナンバーがカード裏面に記載される
現行カードでは記載されていませんが、
特定在留カードには「マイナンバーが裏面に記載」されます。
② 記載情報が簡略化され、在留期限等はICチップ記録に
券面から削除されるのは以下の情報です。
-
在留期間
-
許可の種類と年月日
-
在留カードの交付日
これらは ICチップにのみ記録 されます。
③ 更新手続きが「入管」に一本化
従来、
-
在留カード更新 → 入管
-
マイナンバーカード更新 → 市区町村
特定在留カードの場合：
➡ すべて入管で更新可能
手続きが一気に簡単になります。
④ 顔写真は16歳未満でも掲載へ
本人確認精度を高めるため、「1歳以上」なら顔写真が掲載されます。
⑤ 特定在留カードは任意取得
取得は義務ではありません。
選択肢は以下の3つ
a. 特定在留カードを取得
b. 在留カードとマイナンバーカードを別で持つ
c. 在留カードのみ保持（マイナンバーは付番される）
特定在留カードのメリット
◆ 1枚で本人確認が完結
会社・役所・銀行などで提示が1枚で済みます。
◆ 更新手続きが大幅に軽減
窓口の二重手続きがなくなるのは大きなメリット。
◆ 偽造対策の強化
在留カードとマイナンバー双方のセキュリティ技術を搭載し、
不正利用や偽造防止に強くなるとされています。
想定される課題と注意点
① 部分失効の仕組みが複雑
例：紛失した場合
-
マイナンバー機能 → 失効
-
在留カードとしての機能 → 有効
このように 機能が別々に失効する 設計になっています。
運用に混乱が起きる可能性があります。
② 行政間のデータ連携が必要
– 在留カード → 入管庁
– マイナンバー → J-LIS（地方公共団体情報システム機構）
情報を正確に同期させる仕組みが不可欠です。
③ 外国人への周知が重要
377万人規模への周知は大きな課題です。
-
多言語対応
-
やさしい日本語
-
手続きの違い（三択のどれにするか）
特に、誤解が起きやすいため丁寧な説明が求められます。
④ 偽造リスクの高度化
偽造対策が強化されても
“偽造すべき情報が増える”点は新たなリスクになります。
行政書士としての見解
特定在留カードは、
在留外国人の利便性向上と行政の効率化 を両立させる制度です。
一方で、
-
選択肢が3つあり、誤解が起きやすい
-
失効の仕組みが複雑
-
行政の情報連携が追いつくか
-
多言語による正確な広報が必要
といった課題も見逃せません。
導入後しばらくは現場で混乱が生じる可能性が高いため、企業・自治体・支援者は制度を正確に理解しておく必要があります。
まとめ
特定在留カードは、
「外国人比率10％時代」の到来を見据えた大規模な制度改革 です。
-
在留カードとマイナンバー機能の一体化
-
更新手続きの一本化
-
情報管理の高度化
便利になる反面、制度理解が欠かせません。
当事務所では、制度開始後の申請サポートや、企業・自治体向けの研修にも対応しています。
制度改正に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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