外国人によるマンション購入と価格高騰はどこまで関係するのか―政府が関西にも調査拡大。その背景と今後の規制を行政書士が解説
マンション価格高騰と外国人購入が再び注目される理由

近年、東京・大阪を中心にマンション価格は高騰が続いています。
背景には「用地不足」「建築費の高騰」という構造的な要因がありますが、外国人による投資目的のマンション購入が一因ではないか、という議論も強まっています。
2025年11月、政府(国土交通省)が実施中の調査対象が東京から大阪・神戸・京都へ拡大したことが報じられました。
今回の調査拡大は、単なるデータ収集ではなく、外国人による不動産取得への規制を検討する前段階とみられ、関心が高まっています。
行政書士として、不動産に関する法律・制度の観点から今回の動きをわかりやすく整理します。
政府が進める「外国人による不動産取得」実態調査とは?

今回の調査は以下のような内容が判明しています。
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新築マンション購入者の所在地が国内か海外かを調査
-
登記情報を複数年追い、転売・短期売買の実態を把握
-
投資目的の購入割合の増減を分析
東京の湾岸エリアでは、「外国人投資家が買い、すぐに中古市場に出す」
という動きが実際に確認されており、一部の物件では新築価格より高い値で売られるケースもあります。
今回、同様の動きが大阪市・神戸市・京都市でも確認され、調査エリアが拡大されました。
なぜ関西で調査が必要になったのか?

関西では次のような状況が指摘されています。
■ 大阪:新築購入直後に中古市場へ
業者買い占め後の転売が疑われ、新築と中古が同時に売り出されるケースも確認。
■ 神戸:湾岸エリアで空室増加
投資目的で購入したが住まない「空き部屋」が問題化し、空室税の導入が議論される段階に。
■ 京都:希少価値の高い高額物件に外国人需要
高さ規制・用地不足で希少性が高く、投資対象として注目されやすい。
これらの都市では、価格高騰が地域住民の生活に影響し始めており、国の調査は急務といえます。
外国人による不動産取得は法律上どこまで自由なのか?
結論から言えば、日本では外国人が不動産を買うことに基本的な制限はありません。
■ 現状のルール
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外国人でも日本人と同様に不動産の売買が可能
-
登記も国籍に関係なく実施可能
-
購入後の用途制限も日本人と同じ
例外としては、
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土地収用法関連の安全保障エリア
-
防衛施設周辺の特別な調査制度
などごく一部に限られます。
したがって、日本は「外国人が不動産を買いやすい国」であることは事実です。
では、なぜ規制が検討されるのか?

政府は今回の調査結果を踏まえ、2026年1月にも規制の方向性をまとめる予定と報じられています。
規制の検討理由は主に3点です。
① 都市部での住宅価格の高騰
外国人投資家による購入が、需給バランスに一定の影響を与えている可能性。
② 空き部屋・転売による市場の混乱
短期売買が増えると、地域住民の居住環境悪化につながる。
③ 他国の規制に比べ日本が緩すぎる
海外では、
-
シンガポール:外国人購入に追加税
-
カナダ:外国人による住宅購入を一時禁止
-
ニュージーランド:外国人の既存住宅購入禁止
などの強い規制があり、日本でも議論が起きるのは自然と言えます。
行政書士としての見解:規制はどこまで実現するか?

結論を述べると、
日本で「外国人の購入全面禁止」のような強い規制が導入される可能性は低いと考えます。
理由は以下の通りです。
-
外国資本が日本の不動産市場を一定程度支えている
-
外国人への一律規制はWTOルールとの整合性が問題になる
-
経済界・不動産業界も慎重姿勢
-
「高騰の主因は建築費」のため実効性に疑問がある
一方で、次のような“ソフト規制”は十分あり得ます。
■ 外国人向けの追加税制
(例)シンガポール方式の追加印紙税
■ 空室税の導入
神戸市が検討中。
■ 転売に関する一定の制限
短期売買への課税強化など。
■ 外国人購入の定期的な報告義務
土地規制法の延長線上での制度構築も考えられる。
では、価格高騰の主因は何なのか?

誤解が広まりやすい部分ですが、
マンション価格高騰の主因は「建築費の高騰」「土地の枯渇」であり、外国人購入は副次的要因です。
-
建築資材の高騰
-
人件費の上昇
-
都心の土地不足
-
超低金利時代の長期化
外国人による購入がまったく影響していないとは言えませんが、主因は別にあります。
まとめ:制度と市場のバランスをどう取るかが問われる段階へ

今回の国交省による調査拡大は、
-
「外国人がマンション価格を押し上げている」という直感的議論
よりも、
-
実際にどの程度影響しているのかを定量的に把握するための調査
であると言えます。
行政書士としては、今後、
-
空室税
-
追加課税
-
転売規制
-
取得申告制度
といった制度が検討される可能性を見据え、不動産業者・投資家・一般市民の皆様に正確な情報を届けていく必要があります。
【結論】
外国人による不動産購入は法律上ほぼ自由だが、価格高騰や空室増加が問題となり、政府が実態調査を関西へ拡大。追加税や転売規制など“ソフト規制”が将来導入される可能性は高い。
【根拠】
-
国土交通省の調査対象拡大報道(産経新聞 2025/11/14)
-
日本の不動産法制(外国人購入の自由原則)
-
他国の規制(シンガポール・カナダ等)
【注意点・例外】
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価格高騰の主因は建築費・土地不足であり、外国人購入は副次的要因
-
安全保障関連土地は別途制限あり
-
規制の詳細は2026年1月以降発表予定(現時点では未確定)
【出典】
産経新聞(2025/11/14報道)
国土交通省資料(外国人土地取得制度・不動産市場関連統計)
諸外国不動産規制制度(シンガポール IRASほか)
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