不動産登記に「国籍」記入が義務化へ
マンション価格高騰の背景と、外国人取得の実態把握が狙い
皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
はじめに

都市部のマンション価格高騰を背景に、政府は不動産登記に所有者の国籍記入を義務付ける方向で法改正を検討しています。
これまで登記簿には「氏名・住所」のみが記載され、国籍情報は把握できませんでした。
今回の報道は、不動産市場の透明性向上、投機的な短期売買の抑制、日本人・外国人双方が安心できる市場づくりに向けた重要な動きです。
行政書士として制度を整理しつつ、実務的な影響を解説します。
■ なぜ「国籍記入」が検討されるのか

◇ 背景1:マンション価格の高騰
大手不動産デベロッパーや調査機関が繰り返し指摘してきたのが、外国人投資家による新築マンション取得が価格上昇を後押ししている可能性です。
政府は今春から登記情報を基に調査を開始しましたが、
・登記上の住所が日本
・日本在住の外国人
については国籍がわからず、正確な実態把握ができないことが課題でした。
そのため、国籍を明記することで投資動向を詳細に分析できるようにする狙いがあります。
■ 今回の調査結果(速報値)

報道によれば、国土交通省の調査では次のデータが判明しています。
【2025年1〜6月/東京都内の新築マンション】
-
外国に住所がある人の取得割合:3.0%
-
取得後1年以内に売買された割合:8.5%
なお、住所が日本の外国人(在留外国人)の取得は調査できていませんでしたが、今後はこの点も明確化されます。
■ 国籍記入の義務化で何が変わる?

① 不動産市場の透明性向上
国籍情報があれば、
・投資目的の買い増し
・特定国・地域からの集中投資
・短期売買の傾向
が可視化され、政策に反映しやすくなります。
② 不正・投機的取引の抑制
不動産協会は、「引き渡し前の転売禁止」を盛り込んだ新指針を策定中であり、国籍情報とのセットで取引の健全化が進むと見られます。
③ 外国人への差別につながる?
もっとも懸念されるのは、「国籍で不利益が生じるのでは」という声です。
現時点では、
-
国籍記入=単なるデータ把握
-
取引制限を設ける段階ではない
とされています。
ただし制度が誤解されやすいテーマであるため、情報発信の丁寧さが不可欠です。
■ 行政書士として感じる影響

1. 在留外国人からの「誤解相談」の増加
最も多いケースは次のような誤解です。
-
外国籍だと住宅ローンが組めなくなるのでは
-
不動産購入に制限が入るのでは
-
永住者と非永住者で扱いが変わるのでは
現時点で、こうした変化は起こりません。
あくまで「登記簿に国籍が載るようになるだけ」です。
2. 売買契約時の説明義務の増加
仲介会社や司法書士も
外国人向けに制度の説明や翻訳、契約支援
を求められる場面が増える可能性があります。
特に、
-
在留資格を有する外国人が購入者の場合
-
海外居住の外国人(非居住者)の場合
では説明内容が大きく異なるため、専門的なアドバイスが必要です。
3. 企業の社宅購入・投資案件での相談増加
外国人エンジニアを大量採用する企業や、海外資本の企業が不動産を購入するケースでは、
「国籍情報が登記に載ることのリスク」
に関する企業内コンプライアンスの確認が必要になります。
■ 法改正のスケジュール感

報道ベースでは次の通りです。
-
2025年内に関連法令改正の検討開始
-
総合経済対策に調査費を計上
-
不動産登記法等の改正が必要(国会審議)
-
施行は2026年以降が現実的
制度導入までには一定の時間と議論を要するとみられます。
■ 今後想定される追加施策

国籍記入に続いて以下も議論される可能性が高いです。
-
非居住者による不動産購入の追加条件
-
投機的な短期売買への税制強化
-
外国資本による土地取得の監視強化(安全保障分野)
-
海外送金の透明化
特に“短期転売(フリップ)”対策は不動産協会が既に動いているため、
市場全体で「健全化」の方向性が強まるでしょう。
■ まとめ:外国人の不動産取得は今後“可視化”が進む

国籍記入の義務化は、
「外国人の不動産取得を制限する制度」ではなく、
「まず実態を正確に把握するための制度」です。
不動産価格高騰の原因として外国人取得が注目されがちですが、
実際には国内需要、建築費高騰、利便性重視のトレンドなど多様な要因が絡みます。
行政書士として重要なのは、
誤解なく制度の本質を伝え、外国人と日本人の双方が安心して取引できる環境を支援することだと考えています。
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