外国人の医療費不払い「1万円」で入国審査に影響へ
中長期滞在者も対象拡大、企業・外国人本人が知っておくべき実務ポイント
はじめに
2025年11月26日、政府は「外国人の医療費不払い」に関する審査強化方針を示しました。
今回の大きなポイントは以下のとおりです。
-
不払い額の共有基準が「20万円 → 1万円」へ大幅引き下げ
-
短期滞在者だけでなく、中長期在留者にも対象拡大(2027年度以降)
-
入国審査だけでなく在留審査(更新・変更)にも活用検討
行政書士として外国人本人・企業双方を多く支援してきた実務経験から見ると、今回の変更は 在留管理の根本に関わる制度強化 といえます。
本記事では、制度の仕組み、企業・本人が注意すべき点、今後想定される影響をまとめます。
新制度の概要

「1万円以上の医療費不払い」で入国審査情報へ
従来、厚生労働省は 20万円以上の医療費不払い がある外国人をデータベースに登録し、情報を入管庁と共有していました。
今回の改正では以下のとおり変更されます。
1万円以上で登録
-
2026年4月から基準を 1万円 に引き下げ
-
病院側は、未払い者を厚労省システムへ登録
-
入管庁が情報を受け取り、入国審査を厳格化
これは、訪日客の増加とともに「少額の不払い」も問題となっている現状を踏まえたものと考えられます。
対象は短期滞在だけでなく中長期在留者へ拡大

政府方針では、2027年度以降、
中長期在留者(留学・就労・家族滞在など) も対象に含める構想が示されています。
つまり、
-
技人国・特定技能・技能実習・留学生・永住申請中の外国人など
→ 医療費不払いがあれば更新・変更の審査に影響する可能性
が出てきます。
なぜ国は医療費不払いに強い姿勢を取るのか

主な理由は以下の3点です。
① 訪日外国人の急増に伴う医療費未払いの増加
近年、訪日外国人は年間3,000万人を超える水準に回復しており、医療機関からは
「短期滞在者の治療費未払いが深刻」との声が増えていました。
② 悪用事例(観光名目 → 実質“医療目的”入国)の指摘
一部の国籍で、治療目的で短期滞在を取得し、治療後に未払いのまま帰国するケースが問題視されています。
③ 行政経費の増大
医療費の未払いは医療機関の経営だけでなく、公的保険や自治体負担の増大につながるため、国として対策を強化する流れです。
行政書士としてみる「実務上の影響」

今回の制度は、外国人本人だけでなく 企業(受入機関)にも確実に影響 します。
影響① 在留資格更新のハードルが上がる可能性
政府は「在留審査への活用」を検討としており、今後次のような運用が想定されます。
-
医療費不払いがあると 更新・変更 で不利になる
-
1万円の未払いでも「生活態度不良」と評価され得る
-
永住許可審査では確実にマイナス要因
ここは企業にも重大な影響があります。
影響② 外国人労働者の「健康保険加入」管理がより重要に
企業が特定技能や技人国を雇用する場合、
-
社会保険加入
-
国民健康保険の加入状況
-
保険料の滞納の有無
は必ず確認すべき実務です。
厚労省・入管庁は、すでに2024~2025年にかけて
-
保険料滞納者は更新不許可(2026年6月〜)
-
国保「前納制度」導入(外国人含む)
など、 “保険・医療関連の審査強化” を一貫して進めています。
今回の医療費不払い制度は、その延長線上といえるでしょう。
影響③ 企業が労働者の「病院受診後の未払い」を把握しづらくなる
医療機関が直接入管へ情報を送るため、企業は本人から聞かない限り把握できません。
結果として、
-
企業が気づかないまま更新不許可リスクが発生
-
最悪の場合「不法残留」が発生し、企業責任が問われる可能性も
企業は「健康保険加入状況の定期チェック」を制度化すべきです。
外国人本人のリスク

① 1万円でも再入国拒否の可能性
短期滞在者の場合、次のような運用が想定されます。
例:
-
観光で来日
-
風邪で病院受診、自己負担1.5万円の支払いを放置
→ 次回入国時に再入国不可の可能性
② 中長期者も「医療費未払い」は重大な審査マイナス
例えば、
-
技人国で働く外国人が病院の支払いを忘れたまま帰国
→ 再入国・更新で厳格化 -
留学生が保険未加入で治療を受けて未払い
→ 更新拒否や特定活動付与不可の可能性
「たった1万円」と軽視できない制度 になります。
行政書士が推奨する実務対策

【企業向け】
① 健康保険加入状況の確認を徹底
-
社会保険の資格取得日
-
国民健康保険加入証明
-
保険料滞納の有無
を採用時および年1〜2回確認。
② 本人への周知
-
「病院の支払忘れは在留に影響する」旨を説明
-
特定技能・技能実習では特に必須
③ 海外出張・一時帰国時の注意喚起
医療費未払いのまま帰国すると、戻って来られないケースが増えます。
【外国人本人向け】
-
病院の支払いは必ず確認
-
保険証の有効期限に注意
-
保険料を滞納しない
-
不明点があれば行政書士や市役所に相談
を徹底すべきです。
今後の展望

-
情報連携が強化され、医療費不払い・保険料滞納・税金未納などが “ワンストップで審査に反映” される可能性
-
永住許可・高度専門職・特定活動(告示)等の審査基準がさらに厳格化
-
企業側のコンプライアンス責任が高まる流れは続く
今回の制度は「外国人の医療費未払い」対策としては小さく見えて、実務的には非常に広い範囲に影響を与えます。
【まとめ:行政書士としての最終見解】

【結論】
1万円以上の医療費不払いが入国・在留審査の対象になるため、
外国人本人も企業も“医療保険・医療費の管理”が今まで以上に重要になる。
【根拠】
-
毎日新聞報道(2025/11/26)による政府方針
-
厚労省・入管庁の既存制度改定(保険料滞納者の更新拒否等)
-
PTで示された政府資料の方向性
【注意点・例外】
-
制度の詳細運用は2026年4月〜順次開始(不確定要素あり)
-
中長期者への適用は2027年度以降検討段階
-
“1万円以上” の範囲や除外規定は今後の通知を要確認
【出典】
-
毎日新聞「外国人の医療費不払い『1万円』から情報共有」2025/11/26
-
厚生労働省 国保関連通知(2024–2025)
-
出入国在留管理庁 審査運用関連資料
—————————————————————————————————————————————-
特定技能ビザをはじめとする各種ビザ・在留資格のご相談や代行申請はホームページのお問い合わせフォームをはじめ、お電話・LINE・Facebook・Instagramからもお問い合わせが可能です。
また、当事務所のYouTubeチャンネル「ビザ新潟ちゃんねる」も更新中です。興味のある方はYouTubeもぜひのぞいてみてください。
ビザ新潟ちゃんねる
以上、新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所でした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
新潟のビザ・入管業務のことならお任せ下さい。
ビザの相談・申請代行専門
Asocia行政書士法務事務所
新潟県初の登録支援機関(19登-000085)
代表行政書士 播磨 史雄
住所:新潟市西区平島2丁目13-11 2F
℡:025-201-7514
mail:info@fumio-h-office.com
総合ホームページ:https://fumio-h-office.com/
新潟ビザ相談センター:https://visa-asocia.com/
新潟県お酒の販売許可申請代行センター:https://www.sakemenkyo.com/
一般社団法人設立専門ページ:https://niigata-syadan.com
新潟成年後見相談センター:http://www.niigata-seinenkouken.com/
LINEからの相談は『24時間365日』受け付けています。
対応エリア
全国対応
新潟県全域対応可能(新潟市、長岡市、三条市、柏崎市、新発田市、小千谷市、加茂市、十日町市、見附市、村上市、燕市、糸魚川市、妙高市、五泉市、上越市、阿賀野市、佐渡市、魚沼市、南魚沼市、胎内市、聖籠町、弥彦村、田上町、阿賀町、出雲崎町、湯沢町、刈羽村、関川村、粟島浦村、津南町)ビザ新潟
福島県全域対応可能(福島市、会津若松市、郡山市、いわき市、白河市、須賀川市、喜多方市、相馬市、二本松市、田村市、南相馬市、伊達市、本宮市、桑折町、国見町、川俣町、大玉村、鏡石町、天栄村、下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、会津坂下町、湯川村、柳津町、三島町、金山町、昭和村、会津美里町、西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村、石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町、新地町、飯舘村、大玉村、天栄村、檜枝岐村、只見町、南会津町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、湯川村、柳津町、三島町、金山町、昭和村、飯舘村)ビザ福島
山形県全域対応可能(山形市、米沢市、鶴岡市、酒田市、新庄市、寒河江市、上山市、村山市、長井市、天童市、東根市、尾花沢市、南陽市、山辺町、中山町、河北町、西川町、朝日町、大江町、大石田町、金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、鮭川村、戸沢村、高畠町、川西町、小国町、白鷹町、飯豊町、大蔵村、鮭川村、戸沢村)ビザ山形
上記エリア以外でも当事務所はオンライン申請に対応しております。
面談もZoomでの対応可能です。
LINEからの相談は『24時間365日』受け付けています。
友達追加してお気軽にご相談ください。
