外国人の日本国籍取得要件が「10年以上」へ?行政書士が読み解く制度変更の背景と今後の実務影響
はじめに:国籍取得に“事実上の10年要件”導入へ
皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
政府は、外国人が日本国籍を取得(帰化)する際の「居住期間要件」について、
現行の5年以上 → 運用上10年以上へ引き上げる方向で検討を進めています。
今回の動きは、
-
永住許可の居住要件(原則10年以上)との整合性を取る目的
-
「国籍取得の方が永住よりも要件が緩い」という逆転現象への指摘
-
外国人政策の見直し(2026年度以降の新方針)
が背景だと報じられています。
行政書士として申請実務に携わる視点から、今回の方針が 何を意味するのか、
そして これから帰化を検討している外国人にどのような影響があるのか を解説します。
今回のニュースのポイントを整理

1. 国籍法の「5年以上」は変えず、運用で“10年以上”へ
政府は、国籍法自体の改正ではなく、
審査運用 により「10年以上の在日」を基本とする方向性を示しています。
つまり、
-
法律:居住5年以上で帰化申請可能
-
実務:10年以上でなければ許可されにくくなる(実質的基準の引き上げ)
という状態に近づく可能性があります。
H3:2. 永住許可との整合性問題が背景
永住許可は原則「10年以上の在留」が必要。
これに対し、国籍取得は「5年以上」で可能。
政府内では、
「より重い法的地位である国籍の条件が軽いのは不合理」
という意見が以前から議論されていました。
今回の方針は、この“逆転問題”に対応したものと言えます。
3. 日本語要件は帰化の方が厳しい
一方で、帰化には以下の要件もあります。
-
日常生活に支障がない程度の日本語能力
-
生活の安定性(収入・納税)
-
素行善良性(交通違反・税金・年金なども影響)
永住よりも厳しい部分も存在しており、
すべての面で「永住>帰化」というわけではありません。
行政書士が見る“制度変更の本質”

1. 帰化審査の「裁量領域」がさらに拡大
帰化は元々、法務局の裁量要素が非常に大きい制度です。
今回の運用見直しにより、
-
要件を満たしていても不許可
-
地域による判断基準の差
-
審査期間の長期化(現在でも12〜18か月)
といった「裁量の幅」がさらに大きくなる可能性があります。
2. 今後は「永住を取ってから帰化」に流れやすくなる
帰化の居住要件が事実上10年以上になると、
-
永住許可(在留10年以上)
-
安定した生活基盤の確立
-
その後に帰化申請
という2段階モデルがスタンダードになります。
これは、アメリカ・欧州諸国では一般的な仕組みですが、
日本でも徐々に同じ流れが強まりそうです。
帰化を検討している外国人への実務的影響

1. 「5年以上居住したから申請できる」という考えは通用しなくなる
今後は、
-
申請可能(5年) と 許可される水準(10年) が乖離
-
実務上は10年以上を待つのが安全
-
転職回数・職歴の安定性がより重視される
という状況になります。
2. 帰化の手続き開始時期を見直す必要
例えば以下の方々は影響を受けます。
-
日本に来て6〜8年で帰化を考えていた人
-
すでに法務局に相談予約を入れている人
-
結婚を機に帰化を希望していた人
個別案件によっては、
「いま申請すべきか」「永住を先に取るべきか」 の判断が変わるため、
専門家への個別相談が重要になります。
3. 審査の長期化が予測される
帰化申請者数は2024年で 1万2,248人。
許可は 8,863人(法務省)。
今回の厳格化により、
-
申請者の調整(絞り込み)
-
審査時間のさらなる延び
が発生し、1年以上の審査期間は当たり前 となる可能性があります。
行政書士としての提言

1. 帰化希望者は「情報の早期キャッチ」が必須
制度の正式変更は 2026年前後 と推測されますが、
運用はすでに始まりつつある可能性があります。
ニュースを見てから動くのではなく、
早い段階で行政書士に相談し、戦略を立てること が重要です。
2. 永住か帰化か、個別事情によって結論は異なる
例えば
-
年収が高い
-
納税・年金に問題なし
-
長期在留歴あり
-
日本語に自信がある
→ 帰化の方が向くケースもある
逆に、
-
転職が多い
-
納税・年金に不安
-
日本語が十分でない
→ 永住を先に取る方が現実的
という具合に、ケースバイケースです。
3. 不許可リスクを甘く見ない
帰化は永住以上に「書類の完成度」が許可を左右します。
-
納税資料
-
年金記録
-
交通違反
-
在留歴
-
世帯全体の生活状況
-
職場の安定性
-
交友関係や生活実態
は、法務局が詳細に確認します。
準備期間は最低でも3〜6か月、
資料収集は早めに進める必要があります。
まとめ:今回の厳格化は「大きな制度転換点」

今回の居住要件厳格化は、
永住→帰化 の自然な流れを国として明確にしたとも言えます。
帰化は「国との法的な結びつきを持つ」大切な制度であり、
要件が引き上げられることは予想されていた流れです。
今後は、
-
いつ申請するか
-
永住と帰化どちらを先に考えるか
-
審査の長期化にどう備えるか
が重要になってきます。
Asocia行政書士法務事務所では、
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「自分はいつ申請すべき?」
「今からできる準備は?」
といったご相談にも対応していますので、
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