訪日外国人の医療費不払い「1万円以上で再入国拒否」へ
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新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
制度の大転換と在留外国人の更新審査への影響
ニュースを読んだ瞬間、胸の内がざわついた。
医療費不払いの基準額が「20万円以上」から「1万円以上」に一気に引き下げられる。
行政書士として日々在留手続きを支援する立場からすると、この数字の軽さは単なる調整ではない。制度の姿勢そのものが変わる兆しだと感じる。
なぜ今、医療費不払い対策が強化されるのか

訪日外国人の増加と医療現場の負担が背景にある。
インバウンド医療の現場で起きていること
夏の観光地。ホテルで高熱を出した旅行客が救急病院に運ばれる。
診察を受け、日本語が通じず、旅行保険も確認できない。
「支払いは帰国後でいいか」
そんな場面に医療機関の担当者が直面することは珍しくない。
もちろん大半の外国人は真面目に支払う。
ただ、海外の医療保険に加入していない旅行客が一定数存在し、未払いの事案が積み重なっていく。
国はこれを「ただ乗り」問題として把握している。
現行制度:20万円以上の未払いで入国審査を厳格化
これまで基準額は20万円。
高額医療費を想定したラインだったが、未払い額が小さくても件数が多く、医療機関にとっては負担が重い。
「制度が実態と合っていない」
そんな声を国は受け止めたのだろう。
新制度:基準額「1万円以上」へ

ここまで大幅に下げるのは異例だ。
再入国拒否もあり得る仕組みへ
・1万円以上の未払い
・医療機関の情報が国に共有
・出入国在留管理庁が登録
・次回の入国審査で拒否または厳格化
これは、事実上の「医療費未払いブラックリスト」に近い。
中長期在留者も対象に
記事によれば、令和9年度以降は対象を拡大し、
「3カ月以上滞在する在留外国人」
の更新審査にも反映させる方針だ。
ここに制度の重さがある。
訪日観光客だけの問題ではなくなる。
在留外国人にとって何が変わるのか

行政書士として実務に携わる感覚からすると、この制度は更新審査に確実に影響を与える。
在留資格更新で問われる「素行要件」
入管法上、更新許可の判断では「素行が不良でないこと」が求められる。
医療費の未払い情報が国に共有されると、この素行判断に組み込まれる可能性が高い。
1万円の未払いが、更新不許可につながりうるという意味だ。
もちろん、全件が即アウトということではない。
ただ、未払い理由が放置されていたり、再三の督促に応じていない事案では、審査が厳しくなるだろう。
企業にとっても重大なリスク
日本企業が外国人を雇用する場合、健康診断や受診の場面で医療費未払いが発生しうる。
例えば、
・受診後の費用を本人が放置
・保険証切れで高額請求に気づかず放置
・技能実習生や特定技能での立替金トラブル
など、現場ではよく見かける。
企業からすると、在留更新リスクは事業の存続に直結する。
制度の強化で、本人任せでは済まない段階に入った。
行政書士として見える制度の狙い

制度変更の大きな狙いは「公平性の確保」にあると感じる。
医療制度は日本人も外国人も同じ土俵で利用する仕組みだ。
その中で未払いが放置されてしまえば、最も影響を受けるのは医療機関と地域住民だ。
国としては、制度に対する不公平感を解消したいのだろう。
ただ、1万円という金額設定は、
「軽いミスでも記録される時代」
の到来を意味する。
その重さは、現場の外国人にも企業にも強く伝えていく必要がある。
今後の留意点と提案
行政書士の立場として、次の3点を強く意識したい。
1 医療費の支払い管理を徹底する仕組みが必要
外国人本人だけでなく、企業側も確認できるフローを整えるべきだ。
特定技能や技能実習では、立替金管理が曖昧なケースが目立つ。
2 多言語での医療費説明サポートの必要性
支払方法が分からないだけ、という相談が少なくない。
制度強化と同時に、情報提供の改善も求められる。
3 行政書士として相談者の不安を減らす情報発信
制度が厳格化すると、
「小さなミスでも在留が危ういのでは」
と不安になる外国人は多い。
誤解を避けるためにも、冷静な制度解説が欠かせない。
おわりに

今回の基準額引き下げは、日本の入国管理政策における大きな転換点だ。
訪日観光と在留外国人の双方を対象とし、「公的制度の適正利用」をより強く求める流れが明確になった。
行政書士として思うのは、制度が厳しくなるときこそ、現場には柔らかいサポートが必要になるということだ。
誤解を減らし、冷静に制度を運用する。
その積み重ねが、外国人と日本社会の共生にとって本当に大切だと思っている。
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