訪日外国人3900万人突破 数字の熱と、現場の体温
ニュースの見出しに「3900万人」と書かれていると、もう桁が大きすぎて実感が湧きにくいです。けれど、空港の到着ロビーや観光地の混雑を見ると、統計が“現場の肌感”に追いついてくる瞬間がある。行政書士として入管実務に関わっていると、こういう波は、遅れて手続や運用に影を落とします。
今回のポイントは大きく2つです。
ひとつは「過去最多を更新した」という事実。
もうひとつは、中国からの「訪日自粛(渡航注意)」が出た後でも、少なくとも11月の数字では“全面的な失速”には至っていないことです。
まず押さえたいのは「訪日外客数」の定義と、今回の確定点

日本政府観光局(JNTO)の発表(2025年11月推計値)では、11月の訪日外客数は3,518,000人で、前年同月比10.4%増。1〜11月の累計は39,065,600人となり、年間で過去最高だった2024年(36,870,148人)をすでに上回っています。
ここで大事なのは、これは「訪日(入国)した人の数」であって、「日本に住んでいる外国人の数(在留外国人数)」とは別物だという点です。議論が混ざると、話がねじれます。
混雑や消費、地域摩擦に直結するのは訪日外客数。一方で、制度設計や共生の足腰に効いてくるのは在留のほう。ニュースを見る側も、ここを意識しておくと体感が整理しやすいです。
中国の「訪日自粛」 影響は“限定的”だが、鈍化は見える

報道で触れられているとおり、中国側の渡航注意(訪日自粛の呼びかけ)があった後も、11月の中国からの訪日客は562,600人で前年同月を上回りました(伸びは鈍化)。
私はここを「影響がない」と言い切るのは違うと思っています。伸び率の“温度”は確実に変わっている。一方で、少なくとも統計上は“今月から一気に崩れた”というほど単純でもない。
観光は、感情と政治と価格(為替や航空便)で揺れます。
だからこそ、単月の印象論ではなく、推計値でも一次データの筋を見ておくのが安全です。
「観光が増える」と、入管実務では何が起きやすいか

ここからは現場目線です。訪日客の急増は、入国審査の混雑や、入口での“確認の厳しさ”として表れやすい。これは外国人側の落ち度というより、物理的な処理能力の問題です。
短期滞在で来る方に関して、典型的に見られるのは次のズレです。
・申告する目的と、実際の行動が噛み合わない(観光と言いながら就労に近い動きがある)
・滞在先や帰国便、資金計画の説明が曖昧
・「手伝い程度なら大丈夫」という誤解(就労に当たるかは内容次第で、線引きは簡単ではない)
入国時は、ここがクリアだと通りやすい。逆に言うと、ここが曖昧だと、本人に悪意がなくても止まりやすい。急増局面では、この“止まりやすさ”が露出します。
4000万人時代 制度側に問われるのは「歓迎」よりも運用の設計

JNTOの発表でも、政府目標(持続可能な観光、消費額拡大、地方誘客促進)に触れ、動向を分析しながら戦略的プロモーションに取り組む方針が示されています。
ただ、現場で効くのはプロモーションより「生活のルール」と「支援の導線」です。ゴミ出し、防災、医療、相談窓口。
こういう地味な仕組みが、摩擦の芽を摘みます。観光客が増えるほど、“言わなくても分かるはず”が通じない場面が増えるので、丁寧さがコストではなく投資になっていく。
推測ですが、4000万人が常態化すれば、入国審査の高度化(事前情報の活用や対象の絞り込み)と、地域側の受け入れ設計(多言語・案内・相談)がセットで進まないと、どこかで無理が出ます。数字が伸びるほど「運用の細部」が主役になります。
受け入れる側・来る側が、今のうちに揃えておきたいこと

来る側は、目的・行程・滞在先・帰国予定を“説明できる形”にしておくこと。
受け入れる側(企業や店舗)は、短期滞在者を就労に近い形で使わないこと。
これはコンプライアンス以前に、本人を危険にさらします。
結論
訪日外客数は2025年11月までに39,065,600人で過去最多を更新。中国の渡航注意の影響は「伸び率の鈍化」として見えつつ、現時点の統計では全面的な失速には至っていない。
根拠
JNTOの2025年11月推計値(11月3,518,000人、累計39,065,600人、前年同月比10.4%増)および報道内容。
注意点・例外
数値は推計値であり、今後の確定値で修正され得る。政治・外交要因や航空便、為替によって国別動向は短期間で変動する。入国審査の運用は個別事情で異なるため、一般論の当てはめには注意が必要。
出典
・日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年11月推計値)」
・FNNプライムオンライン(2025年12月17日配信記事)
・Reuters(2025年12月17日)
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