「外国人から入国税を取れ」は本当に現実的か
― オーバーツーリズム議論を制度と実務から見直す ―

京都の市バスが地元の人を乗せきれない。富士山の登山道は人で埋まり、沖縄では観光客のレンタカーが生活道路を塞ぐ。
こうした光景を前に、「外国人観光客からもっと負担を取るべきだ」という声が強まるのは、ある意味で自然だと感じる。
実際、SNSや政治家の発言でも「外国人入国税」という言葉は頻繁に登場する。だが、制度の現場を見ている立場からすると、この議論は少し単純化されすぎている印象もある。
「外国人だけに課税」は、なぜ難しいのか

最大の壁は、租税条約だ。
日本は多くの国と租税条約を結び、国籍による不利益な課税をしない「無差別原則」を採用している。これは所得税だけの話ではなく、「税」という形式を取る以上、入国時課税も原則として同様に扱われる。
つまり、
外国人だけに入国税を課す
→ 租税条約に抵触
→ 条約改正や破棄が必要
という、現実的とは言い難い道筋になる。
ここは感情論ではなく、制度論として押さえておく必要がある。
出国税の引き上げという「分かりやすいが弱い策」

現在、日本では「国際観光旅客税(いわゆる出国税)」として1,000円が徴収されている。
政府・与党内では、これを3,000円程度に引き上げる案も検討されているとされる。
ただし、この税は日本人も外国人も同額だ。
オーバーツーリズムの原因が主に訪日外国人である以上、「負担の公平感」という点では、どうしても物足りなさが残る。
現実解としての「日本版ESTA(JESTA)」

ここで注目されているのが、「日本版ESTA(仮称:JESTA)」だ。
これは税ではなく、電子渡航認証に伴う手数料という位置付けになる。
アメリカのESTAやニュージーランドのNZeTAと同じ仕組みで、
・事前にオンラインで情報登録
・審査を受ける
・その対価として手数料を支払う
という流れだ。
重要なのは、
これは「税」ではないため、租税条約の制約を受けにくい
という点だ。
日本では2028年度以降の導入が検討されており、不法滞在・犯罪・テロ対策が主目的とされているが、手数料の一部をオーバーツーリズム対策に充てることは、制度設計上十分に可能だと考えられる。
個人的には、この方法が「もっとも現実的」だと感じている。
問題は財源より「数をどうコントロールするか」

ただ、ここで一つ立ち止まる必要がある。
財源を確保しても、観光客が押し寄せ続ければ、現場は疲弊したままだ。
日本の観光政策は、
「2030年に訪日外国人6000万人」
という数値目標が独り歩きしてきた面がある。
本来、観光は手段であって目的ではない。
住民の生活が壊れてまで人数を増やす政策は、どこかで見直す必要がある。
海外では当たり前の「事前予約制」

ヨーロッパでは、すでに10年以上前からオーバーツーリズムが問題化していた。
たとえばスペインの**バルセロナ**では、観光客の流入を前提に、
・中心部での宿泊施設新設制限
・違法民泊の厳格取締り
・主要観光地の事前予約制
といった対策が取られてきた。
グエル公園や、サグラダ・ファミリアの予約制は象徴的だ。
事前予約制は、
観光客の満足度を下げるどころか、むしろ上げる
という側面もある。
並ばない、待たない、無理をしない。
結果として、地域経済にもプラスに働く。
日本でも、少なくとも主要観光地から段階的に導入すべきだろう。
【結論】

外国人だけに課税する「入国税」は、租税条約上きわめて困難。
現実的には、日本版ESTA(JESTA)による手数料徴収と、事前予約制による人数管理の組み合わせが最適解に近い。
【根拠】
・租税条約における無差別原則
・既存の国際観光旅客税制度
・海外(米国・NZ・EU諸国)の電子渡航認証・予約制事例
【注意点・例外】
・JESTAの制度設計次第では、実質的な負担感が強まり反発が出る可能性
・事前予約制は、地方観光地とのバランス調整が不可欠
・制度導入には観光業界との丁寧な合意形成が必要
【出典】
・法務省・出入国在留管理庁 公表資料
・観光庁 国際観光旅客税制度
・講談社現代ビジネス(昼間たかし氏 記事内容要約)
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