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TOP > コラム > 特定在留カードとは?2026年6月開始の一体化で何が変わるかを行政書士が整理

特定在留カードとは?2026年6月開始の一体化で何が変わるかを行政書士が整理

2026.02.01
コラム在留カード外国人支援
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特定在留カードについて(実務目線で整理)

 

財布の中のカードが増えすぎて、必要な場面で必要な1枚が出てこない。外国人の方の相談を受けていると、こういう“生活の小さな詰まり”が、手続のストレスに直結しているのを感じます。

2026年6月から運用が始まる「特定在留カード」は、その詰まりを減らすための制度です。ざっくり言えば、在留カードにマイナンバーカード機能を載せたもの。つまり「在留カードとしての身分証」と「マイナンバーカードとしての機能」を、1枚で兼ねる設計です。

ここから先は、制度の骨格を押さえつつ、現場で引っかかりやすい点を中心に書きます。


特定在留カードとは何か

特定在留カードは「マイナンバーカードとしての機能を付加するための措置が講じられた在留カード」と整理されています。番号利用法等の適用関係ではマイナンバーカードとみなされ、在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚で果たせます。

特別永住者向けには「特定特別永住者証明書」も同時に用意されます。

いつから始まるのか(運用開始日と申請受付のタイミング)

運用開始は2026年(令和8年)6月14日(日)です。地方出入国在留管理局では翌開庁日の6月15日(月)から申請できる、とされています。市区町村も多くは同様の想定ですが、開庁日は自治体ごとに確認が必要です。

ここ、地味に大事です。開始直後は窓口も問い合わせも混みます。企業担当者の方は、在留期限が近い従業員ほど影響を受けやすいので、春先から「更新・変更の予定」と「窓口対応の余裕」を一度棚卸ししておくのが無難です。

取得は義務か(結論:任意。ただし“周辺が変わる”)

特定在留カードの取得は任意です。従来どおり「在留カード+マイナンバーカードの2枚持ち」も可能です。

ただし、ここで一つだけ含みがあります。制度導入と同時に、特定在留カードを希望しない人には「新様式の在留カード等」が交付される流れになります。

つまり、特定在留カードを選ばなくても、在留カード側の仕様変更の影響は受ける可能性がある、ということです。

対象者は誰か

対象は「住民基本台帳に記録されている中長期在留者」または「特別永住者」です。

ポイントは、住民登録が前提になっていること。短期滞在で住民登録がない方は対象外になり得ます。ここは制度の趣旨(行政サービス利用と本人確認)から見ても自然です。


どこで、どんなタイミングで申請するのか

申請場所は大きく2ルートです。

入管(地方出入国在留管理局)でできる場面

在留に係る申請(更新・変更など)や、在留カードに係る申請・届出を行うときに、あわせて特定在留カード交付申請ができます。

市区町村でできる場面

住居地の届出とみなされる転入届等を行うとき、市区町村窓口で申請できます。

そして大前提として、導入後も「住居地は市区町村」「在留に係る申請や在留カードの届出は入管」という役割分担は維持されます。ワンストップ化といっても、全部が一箇所に寄るわけではありません。

何が便利になるのか(メリットの中身)

従来、中長期在留者が入管で在留関係の許可を受けたり届出をしたりすると、マイナンバーカード側の情報更新のために市区町村へ行く必要がありました。

特定在留カードを入管手続の際に申請・受領すると、マイナンバーカード機能にも最新情報が記録されるため、別途、市区町村でマイナンバーカード更新の手続をしなくてよくなる、と説明されています。

実務的には、この「二度手間の圧縮」が一番の価値です。特に転職や更新が重なる時期は、本人も会社も余裕がなくなりがちなので。


注意点はここに出る(交付日数、空港、オンライン申請、特例期間)

便利さの裏に、運用上のクセもあります。

交付までの日数

特定在留カードは、通常の在留カードより交付まで「10日ほど長くかかる」とされています。

更新期限が迫っている人ほど、この差が効きます。

空港では受け取れない

新規上陸時、空港で交付されるのは在留カードであり、特定在留カードは空港でもらえません。

「最初から1枚にしたい」という希望があっても、初動は段階を踏むことになります。

在留申請オンラインシステムとの関係

当面の間、在留申請オンラインシステムを利用する場合は、特定在留カード交付申請を受け付けられない、とされています。入管窓口での手続が必要です。

企業側のオンライン申請運用が進んでいるほど、ここは運用設計の見直しポイントになります。

特例期間に入ったときの「マイナ機能」

特定在留カードのマイナンバーカード機能の有効期間満了日は「本来の在留期間の満了日まで」とされ、特例期間に入っても自動延長は想定されていません。本来期限までに市区町村で有効期間変更手続が必要です。

ここは、うっかりが起きやすい匂いがします。


 

紛失したらどうなる(個人的には一番気になるところ)

特定在留カードは「マイナンバーカードと在留カードの両方の性質」を持つため、紛失時は両方の手続が必要になります。まずマイナ機能は一時利用停止。加えて、警察への届出後、入管で在留カードの再交付申請を速やかに行う流れです。

そして紛失時は、まず特定在留カードではなく通常の在留カードが交付され、その後に交換希望で特定在留カードを再度申請する、という段取りになります。

制度としては理屈が通っていますが、生活者の体感は「失くしたときのダメージが大きいカード」になり得ます。私はここを、メリットと同じくらい丁寧に説明すべきだと思っています。

券面に何が書かれるか(そして、書かれなくなるもの)

特定在留カードの券面には、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間満了日、番号、有効期間満了日、就労制限、資格外活動許可の有無などが記載されます。

一方で、現行在留カードの券面にあった「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」など一部事項は、今後はICチップにのみ記録される、とされています。

さらに、マイナンバー(個人番号)はカード裏面に記載されます。

この変更は、企業の本人確認実務にも影響します。券面だけ見て判断していた運用は、どこかで限界が来ます。

なお、券面から消えた事項は「在留カード等読取アプリケーション」でICチップ内の記録を確認できる、とされています。ただし利用時は、本人同意のうえで提示を受ける必要がある点が明記されています。

新様式の在留カードも同時に始まる(特定在留カードを選ばない人にも関係する)

特定在留カード導入と同時に、特定在留カードではない在留カード・特別永住者証明書も、新様式へ切り替わります。現行様式は引き続き有効で、切替えは必須ではありません。

また、永住者・高度専門職2号・特別永住者に交付されるカード等の有効期間(満了日の考え方)が「交付の日後の10回目の誕生日まで」へ延長される旨も示されています(年齢により例外あり)。

マイナ保険証・マイナ運転免許証として使えるのか

特定在留カードも、マイナンバーカードと同様にマイナ保険証・マイナ運転免許証として利用可能とされています。

ただし、マイナ運転免許証は、既存利用者を含め「新たに交付される特定在留カード等には情報が引き継がれない」ため、別途、警察署等で免許情報の書込み手続が必要、とされています。

ここは周知不足が起きやすいので、私は注意喚起を強めたいところです。

行政書士として、相談者にどう勧めるか(私見)

推測ですが、最初の1年は「選ぶ人」と「様子を見る人」がはっきり分かれます。制度が悪いというより、運用が落ち着くまでの“生活防衛本能”です。

私が相談対応で意識したいのは、次の線引きです。

入管手続が多い人、転職や更新が多い人は、メリットが出やすい。

一方で、紛失リスクや交付までの期間差、オンライン申請との相性など、引っかかる点も先に織り込むべきです。

そして企業側には、券面情報が減る前提で「確認のやり方」を整えること。読取アプリの利用には本人同意が必要、という当たり前を、当たり前に運用へ落とすこと。

ここを雑に扱うと、便利になるはずの制度が、現場の摩擦になります。

結論

特定在留カードは、在留カードにマイナ機能を載せて1枚化する制度で、2026年6月14日から運用開始。取得は任意だが、新様式在留カードへの移行など周辺は確実に変わる。メリットは二度手間削減。一方で、紛失時負担、交付日数、オンライン申請との相性、券面情報減少への実務対応が要点になる。

根拠

制度定義(在留カードにマイナ機能付加、番号利用法等でマイナンバーカードとみなす)、開始日、任意性、対象者、申請先、券面・ICチップ記録、読取アプリ、オンライン申請の当面対応、紛失時手順などのQ&A記載。

注意点・例外

・市区町村の開庁日など、運用初期の細部は自治体差が出る可能性がある

・当面、在留申請オンラインシステム利用時は特定在留カード申請ができない

・特例期間に入ってもマイナ機能の有効期間は本来期限まで。期限前の市区町村手続が必要

・紛失時はマイナと在留カードの双方対応が必要で、まず通常在留カードが交付される

・読取アプリ利用は本人同意が必要で、企業の本人確認運用に配慮が要る

出典

・出入国在留管理庁関連Q&A(特定在留カード等交付申請について)を転載掲載している公開資料(内容出典は入管庁HPと明記)

・JITCOニュース(政令公布と入管庁公開情報への言及、令和7年政令第423号へのリンク)

 

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