2025年の訪日外国人旅行者数が「約4270万人」、旅行消費額が「約9.5兆円」と国交大臣会見で示されました。数字だけを見ると、景気の良い話に見えます。
けれど、現場の空気はもう少し複雑です。観光で潤う一方、生活者の側には「混む」「うるさい」「ルールが通じない」という小さなストレスが積み重なる。
いわゆるオーバーツーリズムは、こういう“生活の端っこ”から始まります。
思い出すべき基準点が2019年です。コロナ前の訪日外客数は3,188万2,049人。2025年はそこからさらに一段上に行ったわけです。
しかも2024年の確定値(3,687万0,148人)から見ても伸びの勢いが強い。
では、何が変わったのか。円安や航空便の回復といった要因はもちろんあります。
ただ、私が実務家として気になるのは「数が増えたこと」そのものより、増え方が局所に偏ることです。人気観光地や大都市の一部エリアに人が集中し、摩擦も集中する。
すると行政は規制やルール整備に動きます。ここから先は、観光だけの話ではなく、地域の秩序設計の話になります。
「訪日外客」と「在留外国人」を混同しない

相談現場で時々あるのが、「観光客が増えているなら、在留資格も取りやすくなるのでは」という連想です。ここは切り分けが必要です。
JNTOが扱う「訪日外客数」は、短期の旅行者を中心とする統計で、留学生や就労者、永住者など“生活者”は別の枠にあります(定義も明示されています)。
観光の伸びは国全体の交流を押し上げますが、就労・居住の在留資格審査は別ロジックで動きます。期待と制度の距離感を間違えると、準備が雑になり、申請も生活設計も崩れます。
2030年「6000万人・15兆円」目標が示すもの

政府は2030年に訪日外国人旅行者数6000万人、消費額15兆円という目標を掲げています。
ただ、6000万人は“宣言”では達成できません。
空港・交通、宿泊、地域交通、案内、医療、災害対応、そして住民合意。こうした受入れの基礎体力が揃って初めて、数字に意味が生まれます。
私はここで「量から質へ」という言葉を、あえて現場語に言い換えたい。
観光の質とは、単に高級旅行の誘致だけではありません。
地域の生活動線を壊さないこと。ルールが通じる導線を作ること。
困りごとが起きた時に、言葉の壁を越えて解決できる窓口があること。これらが積み上がると、住民側の“受け入れ疲れ”が減り、結果として観光の持続性が上がります。
オーバーツーリズム対策は「ルール作り」より先に「仕組み作り」

国交大臣会見でも、オーバーツーリズム対応を含めた「持続可能な観光」への言及がありました。
現場で効くのは、禁止よりも設計です。例えば次のような発想です。
人が集中する時間帯や場所を分散させる導線を作る
多言語で「してほしいこと」を短く、具体的に示す
トラブルが起きた時、警察や役所に行く前に吸収できる相談窓口を置く
この「吸収層」があるかどうかで、地域の体感治安が変わります。外国人を責めるか、地域を責めるか、という不毛な構図に行く前に、受け止める構造を作る。行政の仕事も、民間の仕事も、ここに価値があります。
実務家の目線:企業と地域が“巻き込まれる”時代

観光客が増えると、地域企業も巻き込まれます。宿泊・飲食・小売だけでなく、清掃、人材、物流、交通、医療通訳など、周辺産業まで波及します。
一方で、外国人対応が属人的なままだと事故が起きる。クレーム対応、支払いトラブル、SNS炎上。ここは「人を増やす」だけでなく「手順を整える」領域です。
行政書士としては、在留資格の話だけでなく、外国語対応の体制整備、委託契約や表示文言、苦情導線の整備など、法務と運用の間を埋める支援の需要が増えるだろうと見ています。観光が伸びるほど、社会は“細部の合意”を求めてくるからです。
まだ分からないこともある

なお、国・地域別の詳細や内訳は、会見時点では「翌日の観光庁長官会見で説明予定」とされています。
この手の数字は、どの市場が伸びたかで打ち手が変わります。報道の見出しだけで断定せず、一次情報の続報を見てから評価するのが安全です。
【結論】

訪日外国人4270万人は“観光の成功”である一方、地域の生活と秩序を守る「受入れ設計」が追いつくかが勝負になる。
【根拠】
・2025年の訪日外国人旅行者数は約4270万人、旅行消費額は約9.5兆円(国交大臣会見)
・2019年の訪日外客数は31,882,049人、2024年は36,870,148人(JNTO統計)
・2030年目標として訪日客6000万人、消費額15兆円(観光立国推進基本計画関連資料)
【注意点・例外】
・「訪日外客(旅行者)」と「在留外国人(生活者)」は統計上も制度上も別枠。議論を混同すると判断を誤りやすい。
・国・地域別内訳など詳細は、当該会見時点では後日の説明予定。追加の一次情報で更新が必要。
【出典】
・国土交通省「金子大臣会見要旨(2026年1月20日)」
・JNTO「訪日外客数(2025年11月推計値)」
・JNTO「年別 訪日外客数、出国日本人数の推移(1964年‐2024年)」
・国土交通省「観光立国推進基本計画(第4次)について」
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