「留学生は増えている」。
数字だけ見れば、その通りです。
2024年5月1日現在、日本の外国人留学生は33万6708人で過去最多。
ところが、大学現場は落ち着いていない。
増えているのに、胃が痛い。
そんな空気がある。
理由は単純で、構造が偏っているからです。
国別で見ると中国が12万3485人、全体の36.7%。ダントツです。
この「中国の厚み」は、国際化の成果でもある一方、大学経営のリスクでもある。
特に地方や都市部の私立小規模大学にとって、中国人留学生は「経営の安全弁」として機能してきた、という指摘は現場感覚としても腑に落ちます。
日中緊張は、大学の募集にどれくらい効くのか

東洋経済オンラインの記事では、日中関係の緊張が次年度の中国人留学生募集に与える影響について、緊急の聞き取り調査を実施し、「減少」と答えた関係者が約8割、学生募集として「打撃」との回答も80%に上ったとしています。
厳しいのは「代替」の難しさで、減少分を他国からの募集で代替できると答えたのは9%にとどまった。
ここ、軽く見ないほうがいい。
大学側も分かっているから、余計に不安が強い。
留学生市場は「国を変えれば穴埋めできる」ほど単純ではありません。
言語、進学ルート、学費観、親の意思決定、ビザ取得の実務、卒業後の就職可能性。
全部つながっている。
募集広報だけの話では終わらないわけです。
「早稲田」は象徴で、モデルでもあった

記事は、中国人留学生にとって早稲田が特別な存在である歴史的背景や、2004年の国際教養学部新設など英語で完結する設計が、中国人側の「日本の大学全体」評価の底上げにつながった点を述べています。
そして上位校への集中、美術・理系人気など、「日本留学」の質的変化も描いている。
ここで私が気になるのは、「成功モデル」が全国に波及したとき、いつの間にか“成功の条件”がすり替わることです。
留学生の受け入れ体制を整えるのは本来、教育と研究の国際化のため。
でも現場では、定員充足と収支のための装置として動き始めやすい。
そうなると、国際情勢の揺れが直撃します。
留学生は「増えている」—ただし増え方が違う

統計を見ると、中国は前年差6.9%増。
一方、ネパールは71.1%増、ミャンマーは113.5%増など、増加が目立つ国もあります。
つまり「中国が減ったら、別の国で」という発想自体は間違いではない。
けれど、大学が欲しいのは単なる人数ではなく、学修の継続可能性と、卒業後の進路の見通しです。ここが一致しないと、退学率・不就学・不法就労リスクなど、別の形でツケが回る。
行政書士の実務でいえば、留学生の「在留資格の適正な維持」は、出席率や成績だけの問題ではなく、生活費、アルバイト、学費、そして卒業後の手続まで一本の線でつながっています。
大学が「入口」だけ整えても、出口が渋滞すれば、学生側の不満が積み上がる。
いちばん甘いのは「出口」設計

記事の終盤が刺さります。求められる次の一手は「量から質へ」。
外国人留学生の学費の適正化(引き上げ)で出稼ぎ目的の流入を抑え、教育の質担保と意欲ある学生の選別につながる、という提案。
さらに、留学生を長期的ステークホルダーとして位置づけ、ネットワークや寄付文化を育てる。
そして何より、「受け入れ後の出口の設計が甘い」。
日本で学位を取った優秀層が、日本の硬直的な採用慣行や賃金水準で外資や母国企業へ流出している、と指摘しています。
ここは、入管実務とも直結します。
留学生が日本で就職するなら、多くは「技術・人文知識・国際業務」などへの在留資格変更が絡む。企業側の採用設計、職務内容の整理、日本語要件、給与水準、研修体制。
大学のキャリア支援が「一般的な就活指導」にとどまると、最後の最後で詰まります。
大学にとっても、就職実績はブランドそのもの。
留学生を“通過点”にしないなら、産学連携の中身を、もう一段「実装」する必要があると感じます。
私が考える「次の一手」:ポートフォリオと手続の設計思想

私見ですが、大学の留学生戦略は、次の2つを同時にやらないと苦しい。
1つ目は、国別偏重の是正。これは理念ではなく、リスク管理です。
政治・外交は大学の努力ではコントロールできないから。
2つ目は、出口を「制度」として設計すること。就職先の開拓だけでは足りない。
就労ビザに乗る職務設計、企業のコンプライアンス、学生の生活設計まで含めた“線”を作る。
ここまでやって初めて、留学生が大学の長期的ステークホルダーになります。
きれいごとを言えば、国際化は多様性のため。でも現実の大学経営は、資金繰りと定員の話を避けられない。その現実を直視しつつ、国際情勢に振り回されない「仕組み」に落とす。
そこに、次の10年の勝負がある気がしています。
結論

中国人留学生への高い依存は、国際情勢の揺れで大学経営に直撃しうる。
対策は「国別ポートフォリオの分散」と「就職・在留資格まで含めた出口設計」を、理念ではなく制度として実装すること。
根拠
外国人留学生は33万6708人で過去最多だが、中国は12万3485人で36.7%を占める。日中緊張により次年度募集が減少すると約8割が回答し、代替可能とする回答は9%にとどまる。
注意点・例外
・「減少」見通しは聞き取り調査に基づくため、地域・大学類型で影響は濃淡が出る
・統計は「留学」在留資格で在籍する学生が対象で、短期滞在等は含まれない(集計定義に注意が必要)
・米国ビザ動向など国際要因は変動が大きく、最新状況は継続確認が必要(推測では断定できない)
出典
・文部科学省「日本人学生の海外留学状況」及び「外国人留学生の在籍状況」(2025-04-30公表資料)
・JASSO(日本学生支援機構)「2024(令和6)年度外国人留学生在籍状況調査結果」
・東洋経済オンライン(東洋経済education×ICT)西田浩史「中国人留学生激減か…」(2026-02-05)
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