宮城で「労災保険に加入していることを証明する書類」を偽造した疑いで、中国籍の男女が逮捕されたというニュースが出ました。
期間は2025年10月上旬から11月中旬にかけて、書類1通を偽造した疑い。男は別件で免許証や資格証の偽造でも逮捕・起訴されていたと報じられています。
こういう事件を見るたび、胸がザワつきます。
なぜなら、労災保険そのものは「労働者を守るセーフティネット」なのに、現場では時々“入っている体裁”が目的化してしまうからです。
体裁づくりは、一瞬ラクに見える。けれど、バレた瞬間に全部が崩れます。
そもそも、労災保険は「入るかどうか選べる」ものではない

労災保険は、原則として一人でも労働者を使う事業は規模や業種を問わず適用されます。
アルバイト・パートでも同じ扱いです。
ここが大事で、「加入していない」こと自体が、単なる手続漏れでは済まなくなる局面があります。労災は事故が起きてからが本番なので、未加入だと現場がパニックになる。
だからこそ、安易に“証明書っぽい紙”に手を出す土壌が生まれる。
ただ、紙で取り繕うと別の地雷を踏みます。
「有印私文書偽造」は、想像より重い

報道では「有印私文書偽造」の疑いとされています。
一般論として、有印私文書偽造等は刑法159条に規定があります。
実務感覚としては、ここで刑事事件化すると、本人側も雇用側も、以後の信用回復に時間がかかる。特に許認可・在留手続の世界は「信用」が通貨みたいなところがあるので、ダメージが長引きます。
外国人雇用の現場では「労災」だけで終わらないことがある

今回、他社報道では「不法残留者の労働をめぐり、書類偽造を繰り返していた可能性」という趣旨も出ています。
ここは事実認定がこれからなので断定はしません。
ただ、もし不法就労が絡むと、企業側は不法就労助長罪の問題が一気に現実味を帯びます。
不法就労助長罪は、入管法上、雇用した側やあっせんした側が処罰対象になり得るもので、周知資料でも「5年以下の懲役・500万円以下の罰金」と整理されています。
ポイントは「知らなかった」で逃げ切れない場面があること。現場が忙しいほど、確認が薄くなる。薄くなったところにブローカーや偽造屋が入り込む。よくある構図です。
在留手続への波及:いちばん痛いのは「次の申請が通りにくくなる」こと

行政書士として現場で怖いのは、事件そのものより「その後」です。
書類偽造や不適正雇用が疑われると、
会社側は採用や在留手続の信頼性を疑われやすくなる
本人側も、更新・変更・永住などの局面で説明コストが跳ね上がる
この“説明コスト”が地味に効きます。追加資料、経緯書、確認書、取引の実態、給与の支払い実態、勤怠、社会保険、労働保険。
全部つながっているので、一枚の偽造が芋づる式に広がりやすい。
じゃあ、どう防ぐか。現場で効くのは「仕組み化」

派手な対策より、地味な運用が強いです。
労働保険の成立手続と年度更新の担当者を固定する
加入状況を「口頭」ではなく、公的な手続記録で追える形にする
在留カード確認とあわせて、雇用時チェックリストに労働保険を組み込む
厚労省も、労働者を一人でも雇えば労働保険に加入が必要だと案内しています。
「やっているつもり」をやめて、誰が見ても再現できる形に落とす。
結局これが一番コスパがいい。
事件は氷山の一角かもしれません。
でも、氷山の下にあるのは、現場の焦りと、確認の省略と、“バレなければいい”の誘惑です。そこを断ち切るのは、根性論じゃなくて、確認の型です。
結論

労災保険加入証明の偽造は、刑事リスクに直結するだけでなく、不法就労・在留手続・企業信用へ連鎖的に波及しやすい。加入状況と雇用適法性は「仕組み」で守るのが現実的。
根拠
労災保険は原則として一人でも労働者を使用する事業に適用される(厚労省)。
不法就労助長罪の罰則(5年以下の懲役・500万円以下の罰金)が周知されている(入管庁・厚労省資料)。
私文書偽造等は刑法に規定がある。
本件の逮捕事実・概要(報道)。
注意点・例外
本件の動機や、実際に不法就労が絡んでいたか等は、捜査段階の報道であり確定情報ではない
個別事案の法的評価(企業側の責任範囲、故意過失、関与の程度)は専門家に確認が必要
出典
TBS NEWS DIG(東北放送)記事
FNNプライムオンライン記事
厚生労働省「労災補償」「労働保険制度」
出入国在留管理庁 周知資料(不法就労助長罪)
e-Gov法令検索(刑法)
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