「インド・ネパール料理店があと3年で激減」「新大久保が廃墟になるかも」
刺激的な言葉ほど、現場の不安を増幅させます。
実際、私のところにも、飲食店オーナーや紹介会社から「更新はどうなるのか」という相談が増えています。
ただ、最初に線を引いておきたいのはここです。
今回の話は「外国人がやっている飲食店すべて」の話ではありません。
多くの店主は、永住者、日本人の配偶者等、定住者など別の在留資格で経営していることもあります。影響が直撃するのは、在留資格「経営・管理」で継続していくケースが中心です。
何が変わったのか。結局いくら必要なのか

今回の改正の核心は、「事業規模」の基準が大きく上がった点です。
条文上は、事業に用いられる財産の総額(資本金・出資総額を含む)が「三千万円以上」とされています。
つまり、世間で言われる「資本金3,000万円」という言い方は、方向性としては外れていません。
ここで実務上の引っかかりが出ます。
条文は「財産の総額」と書いているのに、世の中の説明は「資本金」に寄りがちです。
店舗設備、敷金、運転資金、一定の借入をどう評価するのか。
ここは個別事情で審査の組み立てが変わり得るため、断言しにくい領域です。
専門家に確認が必要です。
※入管側は資本金3,000万円を求めているようです。
もう一つのポイントは、更新に関する「猶予」が明示されていることです。
施行日から3年を経過する日(令和10年10月16日)までの更新では、新基準に未達でも、経営状況や新基準に適合する見込み等を踏まえて判断する、と整理されています。
この「見込み」が、これから多くの店で争点になります。
「理不尽」に見える理由。制度設計の筋の悪さ

報道で語られている不満は、私はかなり理解できます。
真面目に店を回し、税金や社会保険を払い、雇用も作ってきたのに、ある日いきなり“6倍”のハードルが出てくる。
生活の基盤を揺さぶるには十分です。
一方で、改正の背景に「実体の薄い申請」や「移住目的の濫用」を問題視する空気があったのも事実でしょう。
問題は、濫用対策としての刃が、零細の正規プレイヤーに先に刺さりやすい点です。
電話一本、現地確認一回、取引先の裏取り。
早い段階でできたはずの対策は他にもあった。
そう感じます。
飲食店オーナーが今すぐ考えるべき現実的な順番

私は相談を受けると、まず次の順で整理します。
1つ目。そもそも「経営・管理」で更新し続ける必要があるのか。
配偶者ビザ、永住、定住、家族の在留資格の組み替えなど、別ルートがある人は意外といます。
ここを確認せずに増資の話に飛ぶと、遠回りになります。
2つ目。「3年経過措置」の間に何を積み上げるか。
見込みで評価される期間は、言い換えると“宿題を出された期間”です。数字(売上、利益、納税、社会保険)と、実体(店主が経営判断をしている証拠)が必要になります。
丸投げ経営は危ない。
3つ目。新基準を満たすための設計を、現実のキャッシュフローで組む。
3000万円を一気に積むのが難しいなら、段階的な増資、設備投資の整理、資金の性格付け(自己資金か、借入か、投資か)を含めて、説明の筋を作ります。
ここは税理士や金融機関との連携が必須です。
4つ目。常勤職員の論点を軽く見ない。
「雇えばいい」ではなく、雇用の実態、社保加入、勤怠、賃金台帳まで一体で見られます。
形式だけ整える発想は、今後ますます通りにくい。
「新大久保が廃墟」になるか

推測ですが、「一気に廃墟」というより、じわじわと構造が変わる、が現実に近いと思います。
不確実性が嫌われるので、新規の開業が減る。
更新期限が近いオーナーほど投資を止める。
人材の入れ替えが鈍る。
結果として、街の多様性が薄くなる。
こういう形です。
そして、影響は外国人側だけで終わりません。
家主、内装業者、食材卸、近隣の日本人客。
小さな店ほど、地域の毛細血管みたいに効いています。切れると、思ったより冷えます。
行政書士として、ここは言いたい

制度は「悪用を止める」だけでは足りません。
「真面目に回している人が残れる導線」を同時に用意しないと、産業も地域もやせ細る。
少なくとも、3年経過措置の運用は、形式ではなく実態に寄り添ってほしい。
数字を整えるのが上手い人だけが残り、現場で汗をかく人が落ちる。
そんな結果になったら、本末転倒です。
【結論】
経営・管理ビザの改正は、飲食店、とくに零細の外国人オーナーに強い圧力を与える。とはいえ「3年経過措置」があり、更新の可否は「現状」と「新基準を満たす見込み」の作り方で分かれやすい。まず在留資格の選択肢を棚卸しし、次に実体と数字の積み上げへ進める。
【根拠】
上陸基準省令上、「事業に用いられる財産の総額(資本金等を含む)三千万円以上」という基準が置かれている。
また、施行日から3年(令和10年10月16日)までの更新は、新基準未達でも経営状況や適合見込み等を踏まえて判断する旨の整理が示されている。
【注意点・例外】
・「3000万円」をどう評価するか(財産総額の範囲、資金の性質、説明方法)は個別事情で変わり得る。専門家に確認が必要
・そもそも経営者が「経営・管理」以外の在留資格で在留できる場合、影響の受け方が異なる
・報道で語られる将来予測(街が廃墟等)は推測の域を出ない
【出典】
・出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(上陸基準省令)関連条文(e-Gov法令検索の掲載内容)
・在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正(Q&A抜粋の掲載内容)
・(制度の周辺情報として)外国人起業活動促進事業(スタートアップビザ)案内
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