山梨の解体現場で、近隣住民とのトラブルをきっかけに不法滞在が発覚し、雇用主が「不法就労助長」で逮捕されたという報道がありました。
雇用主は「在留カードを確認していた」「その後はしていなかった。切れているのも知らなかった」と話した、とされています。
この「最初は見た」が一番こわい。現場感覚として、忙しい業種ほど、最初の採用時の確認で安心してしまい、その後の更新・期限管理が空洞化します。
解体・建設は応援や下請け、紹介が多い。
人が入れ替わり、書類の管理が置き去りになりやすい。
そこに「紹介だから大丈夫」が乗ると、事故が起きる構図ができあがります。
1. いまは「知らなかった」で逃げにくい(厳罰化)

不法就労助長罪(入管法73条の2)は、法定刑が「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科あり)」という水準になっています。
条文の比較ページでも、この刑の枠が示されています。
つまり、昔の感覚で「3年・300万くらいでしょ」と言っていると、認識がズレます。
ズレたまま採用現場を回すと、会社のダメージが大きくなる。
2. 「在留カードは確認した」でも、確認の中身が問われる

警視庁の注意喚起でも、雇用時に在留カード確認をしていない等の過失がある場合は処罰対象になり得ると明記しています。
ここでいう確認は、カードを“見た気がする”では足りません。少なくとも実務では次の3点が核になります。
在留カードで最低限見るべきところ
・就労制限の有無(就労不可なのに働かせない)
・在留期間(満了日)
・資格外活動許可の有無(留学生等のアルバイト枠)
この「在留期限の管理」は、採用時だけやっても意味が薄い。更新が通らない、本人が出頭しない、住所不定になる。
そういう局面があるのが現実です。期限が切れた瞬間に、会社側のリスクが跳ね上がる。
3. 「紹介で来た」「他社から回ってきた」こそ危ない

報道では、雇用主が「中国に行って連れてくることもあるが、紹介を受け連れてくることが多い」と述べた、とされています。
紹介・応援は便利ですが、コンプライアンスの責任まで“紹介元に外注”はできません。
むしろ紹介案件は、書類が雑になりやすい。
「前の現場で働いてたから大丈夫」
「日本語できないけど腕はある」
こういう言葉が先に来ると、確認が後回しになる。
4. 仕組みで防ぐ:現場に馴染むチェック体制

建設・解体のようにスピードが命の業種では、立派な規程より、回る運用が大事です。
私は次の形が現実的だと思っています。
・入場前チェックを固定化(初日入場の前に、在留カード等を確認して控えを残す)
・在留期限を台帳化(紙でもExcelでもいい。満了日の60日前でアラート)
・失効番号照会をルーチン化(行政側も照会手段を案内しています)
・「雇う/雇わない」の最終判断者を決める(現場判断にしない)
加えて、厚労省も、雇入れ時に在留カードや旅券等で就労可否を確認するよう明確に求めています。
雇用状況の届出など、周辺の義務も含め、外国人雇用は「採用」ではなく「管理」だと捉え直したほうが、結果的にラクになります。
5. 住民トラブルは「入管リスクの入口」になりやすい

今回のように近隣住民とのトラブルから警察が関与し、そこから在留状況が露見する流れは、珍しくありません。
現場の安全や騒音、駐車、ゴミ、生活面の摩擦は、入管法違反の有無とは別の話に見えて、現実にはつながります。つまり、地域対応を軽く見ると、別の地雷を踏む。
外国人本人に悪意がないケースでも、会社側が管理を怠れば、処罰の矢面に立ちます。厳罰化の時代は、ここが経営リスクとして重い。
結論

「採用時に在留カードを見た」だけでは足りない。在留期限の継続管理が欠けると、不法就労助長で会社が一気に詰む。
根拠
・不法就労助長罪の法定刑は「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科あり)」と示されている。
・在留カード未確認等の過失でも処罰対象になり得る旨の注意喚起がある。
・雇入れ時に在留カード等で就労可否を確認するよう厚労省が示している。
注意点・例外
・在留カードを持たない在留形態(特別永住者など)や、個別に就労可否が分かれるケースがあるため、形式だけで判断しない。
・「紹介だから」「前の現場で働いていたから」は免責にならない。最終責任は雇用側に残る。
・具体的な事案評価(故意・過失、社内体制、下請構造の責任分界)は、事実関係次第で専門家確認が必要。
出典
・e-Gov 法令検索(出入国管理及び難民認定法 第73条の2 比較ページ)
・警視庁「外国人の適正雇用について」
・厚生労働省「外国人の雇用」
・岐阜労働局(失効した在留カード番号の照会案内等)
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