永住許可は、更新や変更よりも「生活の総点検」に近い審査だと感じます。
書類を揃えるだけでは足りず、これまでの在留の歩き方そのものが問われる。
だからこそ、ガイドラインが少し動くだけで、現場の相談の質が変わります。
2026年2月24日、出入国在留管理庁が「永住許可に関するガイドライン」を改訂しました。
掲載ベースでも「一部変更」の案内が出ています。
今回の改訂は、要件を大きく増やすというより、審査で見ているポイントをもう一段はっきり言語化した印象です。
実務で効くのは主に2つです。
変更点の核は「永住の前に、いまの在留資格が正しいか」

ガイドラインの「法律上の要件」1(3)に、新しい観点が明記されました。
「現に有している在留資格について、法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること」
言い換えるなら、永住申請は「今のビザの内容と、今やっていることが一致している」ことが前提になった、ということです。
これ、現場だと地味に効きます。たとえば技人国の方で、採用時の職務内容からいつの間にか業務が寄ってしまっているケース。
本人は「会社の指示で手伝っているだけ」と思っていても、永住審査では「そもそも現行の在留資格で適法に活動できているのか」が入口で止まるリスクが出ます。
配偶者等でも同じです。
婚姻関係の実体が揺らいでいる、別居が長い、扶養実態が薄い。
そういう相談は以前からありましたが、今回の文言は「永住で何とかする」発想にブレーキをかけます。永住は“救済”ではなく、“状態が整っている人の安定化”だと、はっきり示した形です。
ここは、申請の直前に慌てて整えるのが一番しんどい。
できれば永住の1年前から、仕事内容、雇用契約、給与体系、勤務地、役職、配偶者関係の実体、住民票の世帯状況など、説明できる形にしておくのが安全です。
「在留期間の最長要件」と3年の扱いが、期限付きで整理された

永住申請では、現に持っている在留資格について「最長の在留期間」で在留していることが要件として置かれています(ガイドライン上の整理)。
ここで重要なのが注記です。
令和9年3月31日までの間は、在留期間「3年」を持っていれば「最長」として扱う。
さらに、令和9年3月31日時点で「3年」を持っている人は、その在留期間内に処分を受ける場合、初回に限り「最長扱い」を維持する。こういう経過措置が明記されました。
実務的には、こう考えるのが落ち着きます。
1つ目。今「3年」を持っている方は、2027年3月31日までは永住の入口に立ちやすい。
2つ目。逆に言うと、それ以降は“原則”が戻る可能性があるので、「永住を狙うなら、3年が出たタイミングを無駄にしない」発想が現実的です。
3つ目。更新で1年しか出ない状況が続く場合は、永住以前の問題として、なぜ短期が出続けるのか(転職直後、収入変動、職務の適合性、届出の履歴など)を整える必要が出ます。
このあたりは、申請設計がものを言います。永住申請は“提出日”がゴールではなく、“その日に耐える履歴を作る”のが仕事になりがちです。
実は「納付済みでも、期限内でなければ消極評価」はさらに重く響く

今回の改訂本文にも残っている一文が、相変わらず強いです。
納税や年金、医療保険の保険料などの公的義務は、申請時点で払っていても「当初の納付期限内に履行されていない」場合は原則として消極的に評価される。
相談現場だと、ここが一番“うっかり”で起きます。会社員でも住民税の切替タイミングでズレる。
国保から社保に変わる時期に空白が生まれる。
年金の免除・猶予の手続が追いつかない。
悪意はなくても、履歴としては残ります。
永住は「払ったか」より、「期限内に払える生活が回っているか」を見ているように感じます。
きれいごとではなく、行政の審査は記録でしか判断できません。
だから、生活が立て込むほど、口座振替や納付管理の仕組みに寄せた方が強いです。
改訂を踏まえた、申請前のチェックポイント

今回の改訂で、永住申請はより「現在地確認」になりました。私は、申請前に次の3点だけは必ず棚卸しするのが良いと思っています。
-
今の在留資格の“前提条件”と、現在の活動は一致しているか
-
在留期間(3年か、5年か)と経過措置のタイムラインを踏まえて、いつ出すのが合理的か
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税・年金・医療保険・各種届出の履歴が「期限内」で揃っているか
派手な改正ではありません。でも、申請の可否を左右するのは、こういう地味な一本です。
永住は、最後に気合いで押す手続ではなく、途中から淡々と勝ち筋を作る手続になってきています。
【結論】
2026年2月24日改訂の永住許可ガイドラインは、「永住申請時点で現行の在留資格の要件に適合していること」を明文化し、在留期間「3年」の最長扱いを2027年3月31日までの経過措置として整理した点が実務上の核心になる。
【根拠】
永住許可は入管法第22条等を根拠とし、申請手続や審査運用としてガイドラインが示されている。
【注意点・例外】
日本人・永住者・特別永住者の配偶者や子など、素行要件・生計要件の一部が不要となる例外や、難民等で生計要件が不要となる整理がある(ガイドライン本文)。
個別事情で判断が割れる場面(職務内容の適合性、別居・扶養の実体、納付遅延の評価の強弱など)は、専門家に確認が必要。
【出典】
出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
出入国在留管理庁「永住許可(入管法第22条)」および関連案内
出入国在留管理庁「永住許可制度の適正化Q&A」
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