「外国人が増えたのに、摘発は減っている」。
2026年2月28日の共同通信の報道は、この一点だけでも、SNSでよく見る雑な断定にブレーキをかける材料になります。
全国で2021~2025年の摘発外国人が合計5万6706人、ピークの2001~2005年の9万3899人から約4割減という整理でした。
ただ、ここで一度深呼吸したい。というのも「摘発が減った=犯罪が減った」と短絡するのも、逆に「外国人が増えた=治安が悪化した」と決めつけるのも、どちらも統計の使い方としては危ういからです。
行政書士の現場感覚としても、数字を“政治スローガン”にされるのが一番こわい。
在留外国人の推移

まず、母数(分母)としての在留外国人数は、直近で約395万6,619人(2025年6月末)まで増えています。これは出入国在留管理庁の公表値で、過去最高を更新しています。
ここだけを見ると、摘発人数が減り、在留外国人が増えているので「割合としての関与」は下がり得ます。共同の報道が指摘する方向性は、ここに立脚しています。
一方で、警察統計の「外国人」は、資料によって定義や切り口が変わります。
警察白書では「来日外国人犯罪」という区分で、刑法犯・特別法犯の検挙状況を継続的に整理しています。そこでは、年によって増減しつつも、近年は罪種・国籍別の特徴(たとえば窃盗や薬物事犯など)にも言及しています。
また、法務省の犯罪白書(犯罪統計の読み物版)でも、来日外国人による刑法犯の検挙人員は長期ではピークアウト後に減少傾向、その後は増減を繰り返す、という捉え方が示されています。
ここで実務的に大事なのは、「摘発(検挙人員)」は“起きた行為の総量”そのものではない、という点です。
摘発は、取締りの重点、警察力の配分、摘発しやすい類型(例えば集団万引き、入管法違反、薬物など)への集中で、振れます。逆に言えば、摘発が減った年でも、別の領域にリソースが移っていれば、数字は下がり得る。これは外国人に限らず、統計一般のクセです。
もう一点。報道では「永住者らを除く外国人」を集計対象にしたとされています。ここは議論が割れやすいポイントです。
永住者や特別永住者を外すことで「移動性が高い層」に焦点が当たる一方、地域で暮らす“生活者としての外国人”の像からは少し離れます。
現場で相談を受けていると、永住者も含めて家族単位で地域に根を張っている方が増えています。
治安の話をするなら、本来は「誰の、どの類型の、どの罪種を見ているか」まで丁寧に言わないと、話がすぐにすれ違う。
そして、SNSでよくあるのが「体感治安」と「統計治安」を混ぜる議論です。
例えば、技能実習・特定技能・留学など、制度上の属性が違えば、抱えるリスク(労働トラブル、失踪、ブローカー、偽造在留カード等)も変わります。
ここを無視して“外国人一般”で語ると、制度改善の論点も消えてしまう。
私はここが一番もったいないと思っています。
批判すべきは個人ではなく、穴のある仕組みのほうです。
では、今回の「摘発4割減」をどう受け止めるか。
私は、結論として「排外的な煽りに対する、最低限の歯止めになる数字」だと思います。
いっぽうで、「じゃあ問題は何もない」と楽観する材料でもありません。
数字が示しているのは、少なくとも“外国人が増えたから治安が直線的に悪化した”という単純な物語ではない、ということ。
そこから先は、罪種別・地域別・制度別に、必要な対策を切り分けて議論する番です。
行政書士として言うなら、現場で効くのはだいたい地味な対策です。
在留カードや本人確認の運用、雇用側のコンプラ、賃金未払いの抑止、在籍管理、ブローカー遮断。派手な言葉より、こういう実務が、数字を静かに押し下げていく。
記事末尾まとめ
【結論】
「外国人摘発4割減」という長期データは、外国人増加と治安悪化を短絡する主張に対して、統計的な反証になり得る。ただし摘発は取締り運用にも左右されるため、罪種・定義・対象範囲を切り分けた議論が必要。
【根拠】
在留外国人数は2025年6月末で395万6,619人と公表されている。
警察白書・犯罪白書でも「来日外国人犯罪」の検挙状況が継続的に整理され、長期ではピークアウト後の減少傾向や近年の増減が示されている。
【注意点・例外】
摘発(検挙人員)は、取締り重点や運用で増減し得る。
「外国人」の定義(来日外国人、永住者除外など)が資料ごとに異なり、比較には注意が要る。
統計の読みは専門家でも見解が割れる場面があり、厳密な比較には元データ・定義の突合が必要。
【出典】
出入国在留管理庁「令和7年6月末現在における在留外国人数について」
警察庁「令和7年警察白書(来日外国人犯罪の検挙状況)」
法務省「犯罪白書(来日外国人による刑法犯等の検挙状況)」
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