日本で育ちながら「国に帰れ」 在留資格がない若者たちの現実と制度の課題
皆さんおはようございます。いつもブログを見ていただきありがとうございます。
新潟市西区のビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所です。
とても読み応えのある記事があり、勉強になりました。
その記事から私自身が感じることを今回はブログにしたいと思います。
出典:「国に帰れ」日本に生まれ育っても、幼少時に来日しても…“在留資格”を得られない外国人青年たちの苦悩
1. 日本で育ち、夢を描いたのに「帰国」を迫られる現実
「国に帰れ」――。
この言葉を、日本で生まれ育った、あるいは幼い頃に来日した外国人の若者が突きつけられることがあります。
彼らは日本語で教育を受け、友人や地域とのつながりを築き、日本を「故郷」と感じています。
しかし、在留資格がないという理由だけで、進学や就職の機会を奪われ、将来の夢が断たれてしまうのです。
こうした状況に置かれる背景には、「仮放免」という極めて制限の多い立場と、在留資格の付与を判断する「在留特別許可(在特)制度」の運用が関係しています。
2. ケース① イラン人青年ファルハッドさんの場合
神奈川県厚木市で育ったイラン人青年・ファルハッドさん。父親は1992年、当時のイラン人査証免除制度を利用して来日し、そのまま不法残留となりました。
日本で事業を立ち上げ家族を支えながら暮らしていましたが、摘発・収容を受け、家族全員が「仮放免」となります。
仮放免は就労禁止で、更新のために定期的な入管への出頭義務があります。
奨学金や専門職資格の申請も難しく、大学受験にも影響が出ます。
さらに、父がイスラム教徒、母がキリスト教徒という宗教的背景から、帰国すれば改宗が求められ、一家の生活は分断されかねません。
3. ケース② クルド人青年ラマザンさんの場合
埼玉県川口市で育ったトルコ系クルド人青年・ラマザンさんは、9歳の時に来日しました。
日本語を習得し、野球部や地域活動に参加して友人関係を築きましたが、在留資格がないため進学先から相次いで不合格や受け入れ拒否を受けます。
自動車整備士を目指し専門学校に入学しましたが、資格取得にも在留資格が必要で、将来の不安は尽きません。
4. 仮放免という制度の制限
仮放免は、退去強制令書を受けながらも一時的に収容を解かれた状態です。
しかし、その制限は厳しく、
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就労禁止
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居住地制限と移動制限
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保証人や身元引受人の確保
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更新時の入管出頭義務(再収容の可能性あり)
といった条件が課せられます。
長期化すれば、経済的困窮だけでなく、精神的負担も大きくなり、教育や社会参加が著しく制限されます。
5. 在留特別許可(在特)制度の実態
在特は、法務大臣(または地方入管局長)の裁量で付与される救済措置です。
しかし問題は、統一基準が存在せず、結果が担当者や裁判官の判断に左右されることです。
例えば、
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東京地裁は「若いから母国でもやっていける」と判断し退去を認めた事例
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大阪高裁は「母国での困難は明らか」として退去を無効とした事例
と、同じ年齢層でも真逆の結論が出ています。
行政には平等原則が求められますが、現行制度はその理念と乖離しています。
6. 国際条約との関係
子どもの権利条約は、子どもの最善の利益を最優先に考慮することを求めています。
しかし、日本の入管実務では、国家の出入国管理権(外国人の受け入れは国家の裁量)を優先し、長年日本で育った子どもでも容赦なく退去を迫るケースが見られます。
結果として、子どもが「母国」と呼ばれる国での生活経験を持たないまま、見知らぬ社会に放り出される事態が起きています。
7. 行政書士から見た制度改善の方向性
私は行政書士として、次のような改善が必要だと考えます。
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在特審査への多職種参加
入管職員だけでなく、教育・心理・医療の専門家が加わり、子どもの最善の利益を総合的に判断できる体制。
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長期仮放免者の在留資格付与の明文化
例えば「日本で10年以上就学・生活した子どもには定住者資格を与える」といった明確な基準化。
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透明性の向上
在特の判断理由や基準を公開し、恣意的な運用を防ぐ。
8. まとめ
在留資格がないまま日本で育つ若者は、進学も就職も制限され、将来の展望を持てません。
これは単なる個人の問題ではなく、日本社会全体の人権と公正さに関わる課題です。
行政書士として、私はこうした方々の現状を制度の枠内で少しでも改善できるよう支援し、同時に法制度の見直しを訴え続けます。
子どもたちが、自らの将来を自由に描ける社会を実現するために――。
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