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TOP > コラム > 外食業で特定技能1号が使えない?2026年4月13日以降の実務対応と注意点

外食業で特定技能1号が使えない?2026年4月13日以降の実務対応と注意点

2026.04.15
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特定技能1号の外食業分野が受入れ停止に

「人手不足だから外国人採用を増やそう」という話は、いまや外食業では珍しくありません。むしろ、そうしなければ現場が回らない店のほうが多いはずです。

ところが、その前提になっていた特定技能1号の外食業分野について、2026年4月13日から在留資格認定証明書交付の一時停止措置が取られました。

農林水産省と出入国在留管理庁は、外食業分野の在留者数が2026年5月ごろに受入れ見込み数5万人を超える見通しになったため、この措置を取ると公表しています。

このニュースを見て、私は「ついに来たか」と感じました。

突然の制度変更というより、上限を置いて運用している制度である以上、いつかは起き得た話だからです。

実際、特定技能制度は分野ごとに5年間の受入れ見込み数を定めており、原則としてそれが1号特定技能外国人の受入れ上限として運用されます。

外食業分野の5万人という数字も、この枠組みの中で設定されていました。

今回の停止措置で何が変わるのか

ただ、理屈のうえでは予想できたとしても、現場はそんなにきれいには動きません。

報道にもあるとおり、多くの外食企業は、留学生アルバイトを将来的に特定技能へ切り替えて戦力化する前提で採用計画を組んでいました。

制度の蛇口が急に細くなると、困るのは企業だけではありません。現場でまじめに働いてきた留学生本人が、進路の見通しを失いやすい。ここがいちばん重いところです。

4月13日以降に止まるもの

2026年4月13日以降に受理された、外食業分野の特定技能1号に関する在留資格認定証明書交付申請は、不交付の扱いになります。

つまり、海外から新たに呼び寄せる前提の案件は、大きくブレーキがかかることになります。

4月13日以前の申請はどうなるのか

4月13日より前に受理された在留資格認定証明書交付申請については、審査のうえ、受入れ見込み数の範囲内で順次交付されるとされています。

ここで大事なのは、「全部止まるわけではない」という点です。

すでに受理済みの案件まで当然に全部だめになるわけではありません。

ただし、安心はできません。

農林水産省は、すでに受理済みの在留資格認定証明書交付申請についても、現に日本に在留している人からの在留資格変更許可申請を優先的に処理するため、交付までに相当な遅延が見込まれると明記しています。

申請できていたとしても、予定どおり入国できるとは限らない。

その点は企業側もかなり慎重に見ておく必要があります。

留学生から特定技能への切替えはどうなるのか

今回、実務上とくに影響が大きいのは、日本国内にいる留学生などの扱いです。

公表資料では、在留資格変更許可申請を優先処理する姿勢が示されています。※4月13日以前に申請したものに限ります。

したがって、外食業で働いている留学生本人にとって、完全に道が閉ざされたとまでは言えません。

ただ、ここは誤解しやすいところです。優先処理されることと、必ず許可されることは違います。

受入れ見込み数の範囲内という制約がある以上、申請時期や審査の進み方、残枠の状況によって結果は左右され得ます。

制度の入口が狭くなったこと自体は変わりません。

外食業で多かった採用モデルへの打撃

実務の感覚でいうと、今回いちばん打撃を受けるのは、「留学生をアルバイトで雇い、卒業や試験合格のタイミングで特定技能に切り替える」という設計を組んでいた会社です。

このモデルは外食ではかなり合理的でした。

現場を知っていて、日本語もある程度通じ、店側も人物評価ができているからです。

ところが、枠が埋まる局面では、その王道がそのまま使えなくなる。制度の設計図が正しくても、椅子が足りない。

そんな状態です。

企業が焦ってやってはいけないこと

こういう局面で企業がやってはいけないのは、焦って制度の横道を探し始めることです。

たとえば、本来は特定技能で受けるべき現場職を、無理に別の在留資格で説明しようとする発想です。

外食業の店舗業務は、特定技能制度の枠内で正面から受け入れるべき業務であり、そこを別資格で迂回しようとすると、業務内容との整合性で大きな問題が出やすい。

最近の在留審査は、以前よりもずっと実態重視です。

私は、こういうときほど「何とか通す方法」より、「何が通らないのか」を先に確認したほうがいいと思っています。

外食企業が今すぐ見直すべき実務対応

では、企業は何を見直すべきか。

まず必要なのは、採用計画を在留資格前提で分解し直すことです。

誰が今どの資格で在留していて、いつ変更予定だったのか。すでに申請済みなのか、これから申請予定だったのか。その整理ができていない会社は、まずそこで詰まります。

次に、留学生本人への説明です。「会社として採用したい」という気持ちと、「今この制度で確実に進めるか」は別です。

ここを曖昧にすると、期待だけを持たせることになります。制度が揺れる時期ほど、説明責任の重さが増します。

整理しておきたい確認事項

・対象者が現在どの在留資格で在留しているか
・特定技能への変更予定時期はいつか
・すでに申請済みか、これから申請か
・外食業分野での受入れを前提とした雇用契約や配置計画があるか
・本人への説明内容に無理や曖昧さがないか

今回の停止措置は外食業だけの問題ではない

今回の停止措置は、単に外食業の人手不足が深刻だ、という話だけでは終わりません。

政府は特定技能制度について、分野別に受入れ見込み数を設定し、上限として運用するという考え方を明確にしています。

つまり、他分野でも受入れの進み方しだいでは、同じように上限管理が実務上の大きな論点になり得るということです。

外食業はその先頭に立ったにすぎない。そんな見方もできると思います。

上限引上げ要請はどう見るべきか

業界団体が今後、上限引上げを要請する方針だとしても、その要請がいつ、どのような形で実るかは現時点ではわかりません。

報道はその動きを伝えていますが、上限が直ちに見直されると断定できる公的発表は、私が確認した範囲ではまだありません。

ここは希望的観測で語らないほうが安全です。

わからないものは、わからないと置いておくしかない。

実務では、その冷たさが意外と大事です。

まとめ

外食業は、人が足りない。でも、制度の椅子には数がある。現場から見れば、なんとももどかしい話です。

とはいえ、だからこそ企業側は、外国人採用を「人が集まらないから使う制度」ではなく、「在留資格、試験、申請時期まで織り込んで設計する採用」に変えていく必要があります。

今回の停止措置は、その現実をかなりはっきり見せた出来事だったと感じます。

【結論】
2026年4月13日から、外食業分野の特定技能1号について、新たな在留資格認定証明書交付申請は原則として不交付となりました。外食企業は、留学生から特定技能への切替えを前提にした採用計画の見直しが必要です。すでに受理済みの案件や国内在留者の変更申請にはなお動く余地がありますが、枠の制約と審査遅延を前提に考えるべきです。

【根拠】
農林水産省と出入国在留管理庁は、外食業分野の特定技能1号在留者数が受入れ見込み数5万人を超える見通しとなったことから、2026年4月13日以降に受理する在留資格認定証明書交付申請を不交付とする一時停止措置を公表しています。また、特定技能制度は分野ごとに5年間の受入れ見込み数を設定し、原則それを上限として運用しています。

【注意点・例外】
4月13日以前に受理された申請は直ちに無効になるわけではありません。ただし、国内在留者の在留資格変更申請が優先処理されるため、交付までに相当の遅延が見込まれます。上限引上げについては報道上の動きはありますが、現時点で確定的な公的決定は未確認です。専門的判断が分かれる個別案件では、最新の公表資料と申請時点の運用確認が必要です。

【出典】
出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」
農林水産省「外食業分野における外国人材の受入れについて」
農林水産省「食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について」
出入国在留管理庁「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について(令和6年3月29日閣議決定)」

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