新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所です。
先日、技能実習制度についての記事を書きました。
本日は、技能実習制度には、日本の技術や技能を発展途上国に移転するという目的がある一方で、さまざまな問題が指摘されています。以下に、技能実習制度に関連する主な問題点を詳しく解説します。
1. 労働環境の問題
技能実習生の労働環境に関しては、多くの問題が報告されています。具体的には以下のような状況です。
- 長時間労働: 技能実習生が長時間にわたって働かされるケースが多く、場合によっては過労死(過労による死亡)に至ることもあります。残業が過剰であるにもかかわらず、適正な残業代が支払われないこともあります。
- 低賃金: 技能実習生の多くが、日本人労働者よりも低い賃金で働かされています。最低賃金法や労働基準法に違反する事例もあり、賃金未払いが発生することもあります。
- 安全管理の不備: 安全教育や労働環境の整備が不十分なまま危険な作業を行わせるケースもあります。これにより、労働災害が発生し、技能実習生が負傷することがあります。
2. 人権侵害の問題
技能実習制度において、人権侵害が問題視されています。具体的には以下のような問題が報告されています。
- パスポートや在留カードの没収: 受け入れ企業や管理団体が技能実習生のパスポートや在留カードを取り上げ、事実上の拘束状態に置くことがあります。これにより、技能実習生の自由が制限され、逃げることが難しくなります。
- 強制的な労働: 技能実習生が契約条件に反する仕事を強制されることがあります。これは労働契約違反であり、人権侵害に当たります。
- ハラスメント: 技能実習生が職場でパワーハラスメントやセクシャルハラスメントを受ける事例もあります。こうしたハラスメントは精神的・肉体的なストレスを引き起こし、技能実習生の健康に悪影響を及ぼします。
3. 制度の悪用
技能実習制度が本来の目的とは異なる形で利用されることがあります。主な問題は以下の通りです。
- 安価な労働力の確保: 一部の企業や農家は、技能実習制度を安価な労働力を確保する手段として利用しているとの批判があります。これにより、本来の技能移転という目的が損なわれています。
- 偽装実習: 技能実習生が、実際には実習と関係のない仕事をさせられることがあります。例えば、製造業の技能実習生が農業の仕事をさせられるなど、実習内容が契約内容と異なるケースがあります。
4. 不十分な監督と管理
技能実習制度の適切な運用を確保するための監督・管理体制にも問題があります。
- 監督の不徹底: 管理団体や企業に対する監督が十分でないため、法令違反や不正行為が見過ごされることがあります。技能実習生が不当な扱いを受けても、救済措置が取られないこともあります。
- 管理団体の役割不足: 管理団体は技能実習生と受け入れ企業との間で適切な関係を保つ役割を担っていますが、十分な対応ができていない場合があります。特に、実習生からの苦情に対する対応が不十分であると指摘されています。
5. 言語と文化の壁
技能実習生が日本で生活し、働く上で、言語や文化の違いが大きな壁となることがあります。
- 日本語能力の不足: 多くの技能実習生が十分な日本語能力を持っていないため、コミュニケーションに支障をきたしやすいです。これにより、業務指示の理解不足や、緊急時の対応が遅れることがあります。
- 文化の違い: 日本の職場文化や社会習慣に慣れるのに時間がかかることがあります。このため、技能実習生が孤立しやすく、精神的な負担が増大することがあります。
改善のための取り組み
これらの問題に対処するために、日本政府や関連機関はさまざまな改善策を講じています。具体的には、労働基準監督署による監査の強化、不正行為に対する罰則の厳格化、技能実習生向けの支援センターの設置などです。また、技能実習生が適切なサポートを受けられるよう、受け入れ企業や管理団体への教育・指導も強化されています。
しかし、技能実習制度の問題を完全に解決するためには、制度全体の見直しや、より強力な監督・管理体制の構築が求められています。技能実習生が安心して働き、日本の技能を学ぶことができる環境づくりが重要です。
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