皆さんおはようございます!
新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所です。
外国人雇用と人件費増が破産の一因に
2025年4月1日、新潟県村上市でとび工事業を営んでいた「稲葉工業」が新潟地方裁判所新発田支部から破産手続き開始決定を受けたことが明らかになりました。
創業から20年以上にわたり、土木・建築物の足場工事を中心に地域に根ざした経営を行ってきた同社。
しかし、積極的な外国人労働者の登用が裏目に出てしまった形です。
報道によると、若手人材の確保と並行して外国人労働者の雇用を進めた結果、人件費が大幅に増加。その一方で建設業界全体の市況低迷も影響し、売上が思うように伸びず、2022年以降は連続して赤字を計上。ついには2025年2月末に事業を停止、同年3月21日に自己破産を申請しました。負債総額は約7180万円とみられています。
外国人雇用は万能薬ではない
外国人労働者の雇用は、慢性的な人手不足に悩む地方中小企業にとって有力な選択肢です。
特に「特定技能」などの在留資格制度を活用することで、一定のスキルを持つ外国人を戦力として迎えることができます。
しかし、今回の稲葉工業のケースのように、雇用コストの増大を吸収できるだけの事業規模や経営の柔軟性がなければ、逆に経営を圧迫してしまうリスクも存在します。
特に特定技能外国人の受け入れには、支援計画の策定や生活支援、労働条件の整備など、雇用主としての責任が多岐にわたります。
誤解されがちな外国人雇用のコスト構造
外国人労働者の雇用に対して「人件費を安く抑えられる」といった印象を持つ事業者も少なくありません。
しかし実際には、【外国人を雇用することで発生する“見えにくいコスト”】が存在し、これを十分に理解せずに雇用を進めると、経営を圧迫するリスクがあります。
■ 特定技能の場合の主なコスト
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登録支援機関への支援委託料
支援業務(生活オリエンテーション、相談対応、同行支援等)を外部に委託する場合、1人あたり月額3~5万円程度の支援委託料が発生します。複数名雇用する場合はこの負担も積み重なります。 -
社内で支援業務を行う場合の人件費
登録支援機関に委託せず自社で支援業務を行うには、日本語で対応可能な支援人材の確保や研修時間の捻出などが必要となり、社内コストが増加します。 -
日本語教育や生活支援コスト
生活習慣の違いによるトラブル防止や定着支援のため、日本語教育費や生活支援の費用(例えば住居探しの支援、通訳者の手配など)も必要です。 -
ビザ手続き・書類管理
在留資格の取得や更新に関わる手続きにも時間と専門知識が必要であり、行政書士などの専門家に依頼する場合は報酬が発生します。
■ 技能実習生の場合の主なコスト
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監理団体への管理費(管理料)
技能実習生を受け入れるには監理団体を通じる必要があり、1人あたり月額3~6万円程度の管理料が発生します。 -
初期費用(渡航費・日本語研修費など)
来日前の現地研修、日本語学習、渡航費などについて、受入企業側が一部または全額を負担することも多く、初期投資として数十万円が必要になる場合もあります。 -
住居・生活環境の整備
宿舎の確保や家電の整備など、生活環境の準備にも相応の費用が必要です。
■ コストを「投資」として捉える視点が必要
外国人雇用は単なる「人手不足対策」ではなく、人材育成や中長期的な戦力化を見据えた「投資」として捉えることが重要です。
制度の目的や支援義務を軽視し、安価な労働力としてのみ受け入れた結果、今回の稲葉工業のように経営基盤が揺らぐリスクもあるのです。
帰国後の人手不足と制度のはざま
もうひとつ見逃せないのは、外国人労働者が帰国した後の「人手不足の再燃」です。
外国人に頼りきった人員構成になっていた場合、彼らが一斉に退職・帰国すれば、企業は再び人材難に直面します。
今回の破産にも、その影響があったと考えられます。
また、在留資格によっては契約終了や事業停止に伴い短期間での帰国が求められることもあり、労使ともに準備不足のまま事態が進行してしまうケースもあります。
受け入れる企業側も制度や在留資格の運用について、より深い理解と中長期的な視野が求められる時代です。
行政書士としての視点
外国人材の活用は、地域経済を支える大きな力になる一方で、その「制度設計の理解」と「持続可能な雇用戦略」が求められます。
行政書士として、企業が制度を正しく理解し、無理のない形で外国人材を受け入れられるよう、支援していく必要性を改めて感じました。
今回の事例は、外国人雇用にまつわる光と影の両方を私たちに突きつけるものです。
今後もこうした現場の声や事例をもとに、よりよい外国人雇用の在り方を模索していくことが求められます。
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