「技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)だと分かっていたが、法律違反ではないと思っていた」
2026年2月21日配信の報道で、台東区の中華料理店経営者が、技人国の中国籍従業員をホールスタッフとして働かせた疑いで逮捕されたとされています。
働いた側も別途逮捕済み、という筋立てです。
この「違反だとは思わなかった」という感覚、現場ではわりと見ます。
特に飲食店は忙しい。
人が足りない。
現場が回るなら、つい「少しくらいなら」となりやすい。でも入管の世界は、善意でも容赦なく事故になります。
技人国の「できる仕事」と、ホール業務の相性が悪い理由

技人国は、ざっくり言えば、学術的素養や一定の専門性を背景にした業務が前提です。
IT、通訳、海外取引、企画、設計、技術職などが典型です。
一方、ホールスタッフとしての接客・配膳・会計・清掃が主になっていると、活動内容としては技人国の射程から外れやすい。
肩書を「マネージャー候補」「国際業務担当」にしても、入管は名刺ではなく、実態を見ます。ここが現場と制度の摩擦点です。
「資格外活動許可を取っていない」が何を意味するか

報道では「資格外活動として必要な許可を取っていなかった」とされています。
資格外活動許可は、原則として“いま持っている在留資格の活動をきちんと行っていること”などを前提に、例外的に別の活動を認める仕組みです。
根拠は入管法19条です。
留学生のアルバイトでよく出てくるので、飲食店側も「許可があれば働ける」という理解になりがちですが、就労系の在留資格(技人国など)で、飲食のホールを副業として広く認める運用かは、ケースで判断が割れます。
少なくとも、許可がない状態で実態としてホールに入っていれば、かなり危ない。
雇う側が問われる「不法就労助長」

雇用主側にかかる典型が、不法就労助長罪(入管法73条の2)です。
警視庁も、外国人雇用の注意としてこの点を明示しています。
厚労省も、不法就労防止の観点から、在留資格確認の重要性を繰り返し周知しています。
そして最近の重要ポイント。報道や実務解説でも触れられていますが、不法就労助長の罰則は改正で「3年以下・300万円以下」から「5年以下・500万円以下」へ引上げ方向(施行時期を含め要確認)と整理されることが多いです。
ここは必ず最新の施行日を押さえる必要があります。
条文改正の施行日は、経営判断のリスク計算に直結します。
飲食店での「安全な設計図」 ざっくり3ルート

現場の相談で私が最初に整理するのは、「その人が飲食店で何をする人なのか」を、在留資格の言葉に翻訳する作業です。
1つ目。外食分野であれば、特定技能1号(外食)など、制度として現場業務を前提にした在留資格に寄せる。これは設計が素直です。
2つ目。日本の大学卒・N1等の条件を満たす人であれば、特定活動(46号)の検討余地が出ることがある。ただし、単純作業“だけ”は不可で、一定水準の業務が含まれる必要がある、という線引きが実務の肝になります。
3つ目。技人国のまま使うなら、仕事内容を本当に技人国に寄せる。例えば、外国人客向けのマーケ、海外仕入れ、メニューの多言語化と運用、SNS運用、予約導線の設計、店舗システム改善など。ホールは「付随的」に落とす。
ここ、口で言うほど簡単ではない。
忙しい店ほど、結局ホールに入ってしまうからです。
「在留カードを見たから大丈夫」が危ない

在留カード確認は入口にすぎません。雇用側が見るべき最低限は、
在留資格の種類
在留期間
就労制限の有無
資格外活動許可の有無と内容
実際の従事業務との整合性
このうち最後の「業務との整合性」が、いちばん事故りやすい。
現場は“やってほしいこと”で動きます。
制度は“やっていいこと”で動きます。
両者のズレが、逮捕や在留更新不許可の形で表に出ます。
今回の報道でも、経営者側の認識がズレていたことが示唆されています。
正直、こういう言葉が出た時点で、社内に「止める人」がいなかった可能性が高い。止め役は、社長の良心ではなく、仕組みで作るしかありません。
【結論】

技人国でホール業務をさせるのは、実態次第で一発アウトになり得る。
雇用側は「在留カード確認」ではなく「業務設計と整合性確認」までやらないと守れない。
【根拠】
不法就労助長(入管法73条の2)により、雇用側が処罰対象になり得ること。
資格外活動許可は入管法19条に基づく例外的制度で、許可の有無と要件が整理されていること。
本件報道では、技人国の従業員をホールとして就労させ、許可未取得とされていること。
罰則強化の方向性が公表情報として流通していること。
【注意点・例外】
個別案件では、実際の職務内容、雇用契約、勤務実態、社内体制で評価が変わる
特定活動46号など例外ルートは要件が細かく、専門家に確認が必要
罰則改正の「施行日」は必ず一次情報で最終確認が必要(ここを誤るとリスク評価が崩れる)
【出典】
北海道放送(HBC)/TBS NEWS DIG 配信記事(2026-02-21)
出入国在留管理庁「資格外活動の許可(入管法第19条)」
警視庁「外国人の適正雇用について」
厚生労働省「不法就労に当たる外国人を雇い入れないように」/リーフレット
三井住友銀行 法人情報サイト(不法就労助長罪の厳罰化解説)
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