「留学生の在籍管理が甘い学校がある」。
この手の話は、現場ではずっと燻っていました。
けれど今回、文部科学省が“制度として”大学名を公表し、改善を求める枠組みを動かした。
ここがポイントです。
「改善指導校」って、要は何を言われるのか

文科省の指導指針は、対象を大学と高等専門学校、対象学生を「留学」在留資格の外国人留学生(正規か非正規かを問わない)としています。
そして、退学者・除籍者・所在不明者(指針上はまとめて「退学者等」)を毎月報告させ、その割合などで“在籍管理が適正か”を見にいく仕組みです。
今回の報道では、退学者等について「大学側の責任と判断されるもの」が留学生全体の5%を超えると改善指導対象になる、という運用が紹介されています(初指定が東京福祉大と名古屋経営短大)。この「5%」は、制度の入り口としてかなり強い線引きです。
大学側は「退学は本人都合も多い」と言いたくなる。
だからこそ文科省は、退学・除籍の原因が学校側の在籍管理に“帰責性があるかないか”の考え方も別紙で示しています。
ここ、実務感覚で言うと、単なる数合わせでは終わりません。
「入学前に日本語能力や経費支弁能力の確認が薄い」
「入学後の修学・生活支援が弱く、授業欠席が放置される」
こういうところが連鎖して、退学・所在不明につながる。指針が見ているのは、その連鎖の作り方そのものです。
なぜ今さら、ここまで制度化したのか

背景にあるのは、2019年に東京福祉大で多数の留学生が所在不明になった問題です。
文科省の調査結果資料には、所在不明者の割合や、入学者選考・日本語能力確認・経費支弁確認の不備が具体的に書かれています。
あの一件は、「留学生制度」そのものの信用を揺らしました。
だから文科省は、留学生受入れ推進と同時に“信用の土台”を補強する方向へ舵を切った。
その延長線上に、今回の「改善指導校」初指定があります。
「3年続くと入管へ通告」…ここが一番重い

報道では、改善指導対象校の指定が3年続くと「在籍管理非適正校」として公表し、出入国在留管理庁へ通告する流れが説明されています。
文科省の指導指針自体も、必要に応じて入管庁から情報提供を受けたり、合同で改善指導を実施すると明記しています。
入管実務の目線に寄せると、「教育機関の適正性」はそもそも入管庁側でも、留学生受入れ機関の選定・管理の枠組みとして存在します。
基準を満たさない教育機関には通知を出す、といった運用も公表されています。
つまり、文科省の“公表・指導”が、入管側の“手続運用”とつながる設計になっている。
ここを軽く見ない方がいい。
極端な言い方をすると、学校の在籍管理が崩れると、困るのは学校だけじゃない。
学生本人も、まじめに通っている留学生まで疑いの目で見られる。
企業側も、採用やインターン受入れの説明がやりにくくなる。現場は、こういう「制度の信用コスト」に一番苦しみます。
行政書士として感じる「指導される学校の共通点」

推測ですが、改善指導に乗りやすい学校は、次のどこかが弱いことが多いです。
入口の審査が弱い。入学後のフォローが弱い。退学処理や所在確認の記録が弱い。
どれも単発ではなく、だいたいセットで崩れます。
学校さんの担当者と話すと、「学生が来なくなったら、連絡しても出ない。もうどうしようもない」という愚痴にぶつかることがあります。
気持ちは分かる。
でも制度はそこを“どうしようもない”で終わらせない方向へ動いた。
だから今後は、連絡・面談・生活支援・出席把握・記録化まで含めて、「やった形跡」を残していくのが現実的な防御になります。
結論
「改善指導校」制度は、留学生の退学・除籍・所在不明を“学校の在籍管理の問題”として可視化し、大学名公表まで含めて是正を迫る仕組み。3年続けば入管通告につながり得るため、学校運営だけでなく留学生受入れ全体の信用管理の話になる。
根拠
文科省の「外国人留学生の在籍管理が適正に行われない大学等に対する指導指針」(令和6年4月26日 文部科学大臣決定)と関連資料により、対象・調査方法・改善指導の枠組み、入管庁との連携が示されている。
2019年の東京福祉大調査資料で、所在不明や入学選考・支弁確認の課題が具体的に示され、制度化の背景が確認できる。
注意点・例外
帰責性(学校側の責任がある退学等かどうか)は一律ではなく、個別事情で判断が揺れる。運用判断が割れる部分は、専門家に確認が必要。
本記事は制度の枠組み整理であり、個別大学・個別学生のケース評価は別途検討が必要。
出典
文部科学省「外国人留学生の在籍管理の適正を欠く大学等に対する指導指針」関連ページ・PDF
文部科学省「東京福祉大学への調査結果及び措置方針」(2019年)
文部科学省「退学者及び除籍者の算定に係る帰責性の考え方」(2024年11月7日)
出入国在留管理庁「教育機関の選定について」
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