「最近、高度人材の相談が増えた気がするんですよね」
現場でこう言われるとき、だいたい肌感覚で終わってしまいがちです。
でも今回は、数字がその感覚を追いかけてきました。出入国在留管理庁が公表した令和7年の新規入国者数(速報値)では、高度専門職での入国者数が3020人。
前年2175人から38.9%増、ざっくり「4割増」です。
この「3020人」をどう受け止めるか。私は、単に高度人材が増えたというより、日本の採用が「在留資格の設計」を強く意識する局面に入ってきた、と見ています。
まず、同じ資料で他の就労資格も増えている

労働新聞の報道では、主な就労可能な在留資格として、技術・人文知識・国際業務(技人国)が6万1528人(前年比8.8%増)、特定技能が7万6104人(同17.8%増)、技能実習が15万7217人(同6.3%増)などが挙げられています。
増えているのは高度専門職だけではありません。裾野の広い就労ルート全体が、じわっと上向いている。
ただし、ここで一つ注意があります。これらは「新規入国者」の数字です。国内で在留資格変更や更新をした人は含みません(少なくとも、この見出しの文脈ではそう読まれる)。
つまり、海外から日本へ入ってくる入口の動きです。入口が動くと、数年後に更新、家族帯同、永住、そして転職の相談が増えてきます。行政書士的には「波の予告編」みたいなものです。
高度専門職が伸びる理由は、制度の“使い勝手”にある

高度専門職はポイント制で、一定点数を超えると優遇措置が用意されています。
家族関係の扱い、在留期間、永住への距離感など、設計の自由度が高いのが特徴です(詳細は個別事情で変わるので専門家に確認が必要)。
外務省の説明でも、高度専門職のビザ申請では原則として在留資格認定証明書(COE)が必要であることが整理されています。
「技人国で十分では?」という会社も多いのですが、優秀層ほど、最初からキャリアの伸びしろを計算します。年収、学歴、職歴、研究実績。そこに家族帯同や将来の永住も絡んでくる。
結果として、採用段階から“高度専門職で行きたい”という話になる。
採用担当者からすると、ここが悩みどころです。
高度専門職は、書類の組み立て方が雑だと通りません。ポイント計算の根拠資料、職務内容の専門性、報酬水準の整合。
突っ込みどころが一つでも残ると、時間が溶けていきます。
経営・管理も「増」だが、安心材料ではない

同じ記事では、昨年10月に厳格化を図った経営・管理が6003人で前年比33.9%増と書かれています。
ここは誤解が生まれやすいところで、「増えてるなら通りやすいんですね」と言われがちです。
そうは限りません。
推測ですが、厳格化前後の制度理解が進んで、要件を満たす形で申請が組み直された可能性もある。あるいは、駆け込みではなく、むしろ“整えた申請だけが残った”結果として数字が出ている可能性もあります。
いずれにせよ、件数増イコール審査緩和、とは直結しません。ここは実務で何度も見てきた落とし穴です。
企業が今やるべきことは「在留資格の棚卸し」

数字を見ると、つい「どの在留資格が増えたか」だけに目が行きます。でも、会社側の勝負はそこではありません。
やるべきは、次の2点に尽きます。
1つ目。採用要件を、職務内容から逆算して言語化すること。
「エンジニア」なのか「運用保守」なのか「プリセールス」なのか。
職務記述書が薄いと、技人国でも高度専門職でも説明が立ちません。
2つ目。報酬設計を、社内の整合で固めること。
同種業務の日本人と比べて不自然に低い、高すぎて説明不能、役職と給与がねじれている。ここが歪むと、審査の説得力が落ちます。
この2点が整うと、在留資格は「当てにいく」ものになります。逆に、整っていない会社は、制度変更のたびに振り回されます。今の日本は、残念ながら後者が損をする局面に入っています。
最後に。数字は「世論」ではなく「実務」の道具

外国人受入れの話題は、すぐに感情論になります。
でも、出入国管理統計は、感情のためではなく、実務のために使うのが一番強い。e-Statでも出入国管理統計(新規入国・在留資格別等)のデータセットが整備されており、追いかけようと思えば追いかけられます。
「高度専門職が増えた」という事実は、採用の現場に具体的な宿題を置いていきます。書類の精度、職務の定義、報酬の合理性。派手さはないけれど、ここを丁寧にやる会社ほど、結果的に外国人材の定着も早い。私はそう感じています。
記事末尾まとめ
【結論】
令和7年の新規入国者速報で高度専門職が前年比約4割増。採用現場では「在留資格の設計」を前倒しで整える会社が有利になる。
【根拠】
労働新聞報道にある新規入国者速報値(高度専門職3020人、技人国・特定技能等の増加)。
出入国管理統計がe-Stat上で体系化されている点。
高度専門職ビザの基本説明(COE要件等)。
【注意点・例外】
速報値は後日修正される可能性がある。
「新規入国者」であり、国内での在留資格変更・更新の動きとは別物。
経営・管理の増加は審査緩和を意味しない(個別案件は専門家に確認が必要)。
【出典】
労働新聞ニュース(2026-02-25配信記事の内容)
e-Stat 出入国管理統計(データセット説明)
外務省 高度専門職ビザ案内
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