徳島県が「高度外国人材」の採用活動を支援
徳島県は2026年8月、「徳島県高度外国人材採用活動支援補助金」の募集を開始しました。
海外で採用面接を行うための渡航費、外国人本人の来日費用、人材紹介手数料、在留資格申請を行政書士へ依頼する費用などが補助対象となります。
人手不足への対応といえば、これまでは技能実習や特定技能が中心に語られることが多かったように思います。
今回の制度は、エンジニア、研究者、経営人材などの専門的・技術的分野に目を向けたものです。
外国人材を単に「不足する労働力」としてではなく、企業の技術力や海外展開を担う人材として採用しようとする政策の表れとして、私は注目しています。
徳島県内では、2025年10月末時点の外国人労働者数が7,324人となり、前年同期比13.5%増で過去最多を更新しました。もっとも、そのうち技能実習が3,231人と全体の44.1%を占めています。
今回の補助金には、専門的・技術的分野の外国人材を増やしたいという県の意図も感じられます。徳島労働局の公表資料
「高度外国人材」は「高度専門職」だけではない

ここは非常に誤解しやすいところです。
今回の補助金における「高度外国人材」は、入管庁の高度人材ポイント制で認定される「高度専門職」だけを意味していません。
徳島県の交付要綱では、次の在留資格を持つ人、または取得する見込みのある人が対象とされています。
- 高度専門職
- 経営・管理
- 法律・会計業務
- 研究
- 技術・人文知識・国際業務
したがって、一般的な企業が海外から採用するエンジニア、通訳、マーケティング担当者なども、「技術・人文知識・国際業務」の要件を満たせば対象となる可能性があります。
徳島県の補助金交付要綱
なお、就労系の在留資格には技能実習や特定技能1号のような通算在留期間の上限がないものもありますが、「一度取得すれば無期限に働ける」という意味ではありません。
例えば「技術・人文知識・国際業務」の在留期間は、5年、3年、1年または3月であり、その都度更新が必要です。「高度専門職1号」も在留期間は5年で、在留期限が無期限となるのは一定の要件を満たした「高度専門職2号」です。
出入国在留管理庁「高度専門職」、出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」
どのような費用が補助されるのか

在留資格の取得費用と渡航費
在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請の代行費用、行政書士への相談費用が対象となります。
企業の担当者が採用面接のため海外へ渡航する航空運賃、採用された外国人本人が来日する航空運賃、県外在住者が徳島県内で面接を受けるための国内交通費も対象です。
補助率は対象経費の2分の1以内で、在留資格取得費用と渡航費を合わせて1事業者25万円が上限です。宿泊費や飲食代は対象になりません。
人材紹介手数料
人材紹介会社に支払う手数料は、対象経費の2分の1以内、外国人材1人につき50万円が上限です。
1事業者2人、合計100万円まで利用できます。
労働者派遣契約に基づく派遣料金も対象ですが、こちらの補助率は10分の1以内です。
3つの事業区分は併用可能です。対象経費と人数の条件を満たす場合、制度上の合計上限は1事業者あたり125万円となり得ます。
ただし、消費税や振込手数料などは対象外です。
徳島県の公式募集案内
最も注意したいのは「いつ動き始めるか」

補助金を利用する場合、最初に航空券を購入したり、行政書士や人材紹介会社へ正式発注したりするのは危険です。
県のQ&Aでは、補助金の交付決定前に事業へ着手した場合、補助を受けられないとされています。申請後であれば、交付決定前に依頼すること自体は差し支えないとされていますが、不交付となれば全額自己負担です。
さらに、見積額から金額が変わる場合は、少額であっても発注や支払いの前に変更承認申請が必要とされています。補助金は「後から申請すれば戻ってくる」という制度ではありません。
徳島県の補助金Q&A
申請期限は2027年2月23日ですが、予算の範囲内で募集が早く終了する可能性があります。
補助金の前に、在留資格から逆算する

実務でよく問題になるのは、採用を決めてから在留資格を検討する順番です。
海外まで面接に行き、優秀な人材と出会い、その場で内定を出した。しかし、帰国後に確認すると、担当させる業務と本人の学歴・職歴との関係が弱かった。このようなケースは決して珍しくありません。
特に「技術・人文知識・国際業務」では、単に大学を卒業していればよいわけではなく、本人の学歴や実務経験と、入社後に担当する業務との関係が審査されます。現場作業を中心とする職務であれば、本人が優秀でも在留資格の該当性が認められないことがあります。
海外面接を決める前に、少なくとも次の点は整理しておきたいところです。
- 入社後に担当させる具体的な業務
- 本人の専攻、学位、職歴との関係
- 日本人社員と比較した報酬額
- 雇用契約の期間と就業場所
- 誰が在留資格申請を進めるのか
補助金は採用コストを軽減してくれます。
しかし、在留資格の許可まで保証してくれるものではありません。
採用費だけでなく「定着費」も考える

徳島県では別に、日本語学習、宿舎の整備、インターンシップなどを対象とした「外国人材受入環境整備事業補助金」も設けています。
徳島県「外国人材受入環境整備事業補助金」
採用にお金をかけても、業務内容の説明不足、評価制度の不透明さ、生活支援の不足によって短期間で退職してしまえば、企業にも本人にも大きな損失となります。
採用できるかだけではなく、入社後にどのような役割を任せ、どのようなキャリアを描いてもらうのか。
高度外国人材の採用では、そこまで準備して初めてスタートラインに立てるのだと思います。
在留資格申請や外国人採用の判断は、本人の学歴や職歴だけでなく、企業の事業内容、具体的な職務、雇用管理の状況によって結論が変わります。
海外での採用活動を始める前に、在留資格の見通しを確認しておくことをおすすめします。
4.記事末尾の整理
【結論】
徳島県の補助金は、海外面接、外国人本人の来日、在留資格申請、人材紹介など、高度外国人材の採用に伴う企業負担を軽減する制度です。ただし、補助金の検討より先に、予定する業務と在留資格の適合性を確認する必要があります。
【根拠】
徳島県高度外国人材採用活動支援補助金交付要綱、同Q&A、出入国在留管理庁の在留資格案内、徳島労働局の外国人雇用状況を根拠としています。
【注意点・例外】
- 「高度外国人材」と「高度専門職」は同じ意味ではありません。
- 補助率は原則2分の1であり、対象費用がそのまま上限額まで補助されるわけではありません。
- 交付決定前の着手、契約、発注、支払いには注意が必要です。
- 公式案内は「県内に事業所を有する事業者」としていますが、交付要綱では「県内事業者」を県内に本社または主たる事務所を有する法人等と定義しています。本社が県外で徳島県内に支店だけがある場合は、県への事前確認が必要です。
- 在留資格の許可は個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。
【出典】
一次情報
- 徳島県「高度外国人材採用活動支援補助金」募集案内
- 徳島県高度外国人材採用活動支援補助金交付要綱
- 同補助金Q&A
- 出入国在留管理庁「高度専門職」
- 出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」
- 徳島労働局「外国人雇用状況」
参考情報
特定技能ビザをはじめとする各種ビザ・在留資格のご相談や代行申請はホームページのお問い合わせフォームをはじめ、お電話・LINE・Facebook・Instagramからもお問い合わせが可能です。
また、当事務所のYouTubeチャンネル「ビザ新潟ちゃんねる」も更新中です。興味のある方はYouTubeもぜひのぞいてみてください。
ビザ新潟ちゃんねる
以上、新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所でした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
新潟のビザ・入管業務のことならお任せ下さい。
ビザの相談・申請代行専門
Asocia行政書士法務事務所
新潟県初の登録支援機関(19登-000085)
代表行政書士 播磨 史雄
住所:新潟市西区平島2丁目13-11 2F
℡:025-201-7514
mail:info@fumio-h-office.com
総合ホームページ:https://fumio-h-office.com/
新潟ビザ相談センター:https://visa-asocia.com/
新潟県お酒の販売許可申請代行センター:https://www.sakemenkyo.com/
一般社団法人設立専門ページ:https://niigata-syadan.com
新潟成年後見相談センター:http://www.niigata-seinenkouken.com/
LINEからの相談は『24時間365日』受け付けています。
【※ご注意】ご依頼に関する相談料は初回無料ですが、ブログ記事に内容に関するご質問やご依頼に関係ないご相談は有償となります。
友達追加してお気軽にご相談ください。
対応エリア
新潟県全域・福島県全域・山形県全域
上記エリア以外でも当事務所はオンライン申請に対応しております。

