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TOP > コラム > 外食業の特定技能1号はなぜ止まったのか 上限5万人と今後の実務対応

外食業の特定技能1号はなぜ止まったのか 上限5万人と今後の実務対応

2026.04.28
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外食業の特定技能1号について、2026年4月13日から新たな受入れが一時停止されました。
飲食店の人手不足が続く中での停止措置だけに、現場への影響は小さくありません。
しかも今回は、海外から来ようとしていた人だけでなく、日本で働いている留学生アルバイトの進路にも影響が出ています。

制度上どこが止まり、どこが止まっていないのか。
実務上の注意点を、行政書士の視点で整理します。

この記事のポイント
・外食業の特定技能1号は、2026年4月13日から新たな受入れが原則停止
・ただし、更新や、すでに外食分野で在留している人の転職等まで一律停止ではない
・留学生アルバイトが卒業後に外食分野で働き続けるルートに影響が出ている
・企業側は採用計画の見直しが必要になりつつある
・個別案件は在留資格、申請時期、例外類型の確認が不可欠

目次
外食業の特定技能1号は何が止まったのか
留学生アルバイトにどんな影響が出るのか
飲食店側への影響も大きい
例外はあるのか
行政書士として感じること
今後の実務で気をつけたいこと
まとめ

外食業の特定技能1号は何が止まったのか

まず押さえておきたいのは、「外食業の特定技能が全部止まった」という理解は正確ではないという点です。

2026年4月13日から止まったのは、外食業分野における新たな受入れです。
背景には、外食業分野の特定技能1号在留者数が2026年2月末時点で約4万6千人となり、5月ごろには受入れ見込数である5万人に達する見込みとなったことがあります。

つまり、制度の入口が絞られたということです。
上限管理の仕組みがある以上、制度上は想定された動きともいえます。
ただ、現場から見ればかなり急ブレーキに映ります。

停止の中心は「新たに入る人」

今回の措置で大きく影響を受けるのは、これから外食業分野の特定技能1号に進もうとしていた人たちです。

たとえば、
・海外から新たに来日して外食業で働こうとしていた人
・留学生から外食業の特定技能1号へ移行しようとしていた人
・特定技能試験を受けて進路を決めようとしていた人

こうした層に直接影響が及びます。

すでに外食業で特定技能1号の人まで一律停止ではない

一方で、すでに外食業分野で特定技能1号として在留している人については話が別です。

公表内容では、
・在留期間更新許可申請は通常どおり審査
・同じ外食業分野での転職等に伴う申請も通常どおり審査
とされています。

ここは実務上かなり大事なポイントです。
「外食業の特定技能が止まった」とだけ聞くと、更新も転職もできないように受け取られがちですが、そこまで一律ではありません。

留学生アルバイトにどんな影響が出るのか

今回の報道で特に重く感じるのは、日本国内で既に働いている留学生アルバイトへの影響です。

報道では、すかいらーくホールディングスで働く32人の留学生アルバイトが、卒業後も働き続けたいとして6月の特定技能試験を受ける予定だったものの、今回の受入れ停止により受験できなくなったとされています。

これは現場感覚としてかなり痛い話です。
なぜなら、外食の現場を知っていて、日本語にも慣れ、店舗にも馴染んでいる人材こそ、本来はそのまま戦力化しやすいからです。

現場で育った人材が次の段階へ進めない

留学生アルバイトは、単なる補助戦力ではありません。
実際には、接客の空気感や職場ルール、日本語でのやり取りを日々の業務の中で覚えていきます。

その人たちが、卒業後にそのまま外食業の特定技能へ進めないとなると、本人にとっても企業にとっても損失が大きい。


制度としては上限管理の問題だとしても、現場からすると、せっかく育った人材の出口が急に狭くなったように見えます。

試験に受かればよい時代ではなくなった

これまでは、特定技能試験に合格し、企業との雇用関係が整えば、次のステップに進めるという発想が比較的取りやすかった面があります。

しかし今は違います。
分野の受入れ見込数、申請受理日、本人の現在の在留資格、例外類型に当たるかどうかまで見ないといけません。

つまり、試験対策だけでは足りません。
制度枠そのものを確認しながら進路設計をする必要があります。

飲食店側への影響も大きい

外食業は、もともと人手不足が深刻な分野です。
営業時間が長く、ピークもあり、離職も起きやすい。
その中で特定技能1号は、現場を支える重要な制度になっていました。

だからこそ、今回の停止措置は企業側にも重く響きます。

報道でも、店舗側からは、新規採用が難しくなれば出店にも少なからず影響が出るという声が出ています。
これは大げさな話ではなく、採用計画と店舗運営が直結している外食業では自然な反応だと思います。

採用計画の見直しが避けられない

とくに、留学生アルバイトを卒業後に外食業の特定技能へつなげる形で人材確保を考えていた企業にとっては、今回の措置はかなり大きいです。

店舗側からすると、
・今いるアルバイトを将来の正社員や中核人材として見込んでいた
・試験合格後に継続雇用する前提で育成していた
・採用費や教育コストをかけてきた

こうした前提が崩れかねません。

制度と実需のズレが見えてきた

制度には上限管理が必要です。
その点は理解できます。

ただ、外食業の実需に対して、5万人という枠がすでに足りていないのではないか。
今回の停止措置は、そのズレをかなりはっきり見せたように思います。

現場では人が足りない。
一方で、制度上は新規受入れが止まる。
この温度差が、これからさらに問題になっていくはずです。

例外はあるのか

今回の措置は原則停止ですが、例外もあります。

公表資料では、
・技能実習の「医療・福祉施設給食製造作業」を修了して外食業分野の特定技能1号へ移行する人
・すでに外食業分野に係る「特定活動(特定技能1号移行準備)」の許可を受けていて、特定技能1号へ移行する人
については、受入れ見込数の範囲内で順次許可するとされています。

原則停止でも一律ではない

この点からも分かるように、今回の運用は単純に「全部だめ」ではありません。

実務では、
・いつ申請が受理されたのか
・現在の在留資格は何か
・どの類型から移行するのか
・例外に当たるのか
によって結論が変わります。

報道だけで判断すると誤りやすい部分なので、個別案件では丁寧な確認が必要です。

行政書士として感じること

私は今回の件を、単なる受入れ抑制の話としてだけ見るべきではないと思っています。

本来、特定技能制度は、人手不足分野に必要な人材を受け入れるための制度です。
ところが、実際には、現場で既に働いている人まで次の段階に進みにくくなっている。

このねじれは小さくありません。

外食の現場は、料理と同じでタイミングがとても大事です。
必要なときに人がいないと店が回らない。
制度も同じで、調整が遅れると現場にしわ寄せが出ます。

今回の措置は、制度設計と現場の実情の間にあるズレをかなりはっきり浮かび上がらせたように感じます。

今後の実務で気をつけたいこと

外食業分野で特定技能1号を検討している企業や本人は、これまで以上に早い段階で進路設計をする必要があります。

とくに注意したいのは、外食だけを前提にしないことです。
報道でも、送り出し側は介護や宿泊など他分野への切り替えに納得してもらうしかないとしています。

今後は、
・外食以外の分野も含めた進路設計
・本人の在留資格と卒業時期の確認
・試験だけでなく申請可能性まで含めた検討
が必要になるでしょう。

ここはもう、「合格したらどうにかなるだろう」では危ないです。

まとめ

外食業の特定技能1号は、2026年4月13日から新たな受入れが原則停止となりました。
ただし、更新や、すでに外食分野で特定技能1号として在留している人の転職等まで一律停止ではありません。

本当に影響が大きいのは、これから外食分野へ進もうとしていた人たちです。
なかでも、卒業後も働き続けたい留学生アルバイトにしわ寄せが出ている点は、かなり重く受け止めるべきだと思います。

制度上の管理は必要です。
ただ、現場で育ってきた人材が次に進めない仕組みが続くとすれば、企業にも本人にも厳しい。
今後の上限見直しや運用調整がどうなるのか、引き続き注視が必要です。

CTA

外食業で特定技能1号の採用を検討している企業の方、
留学生から外食分野への在留資格変更を考えている方は、報道だけで判断せず、現在の在留資格や申請時期、例外の有無を個別に確認することが大切です。

Asocia行政書士法務事務所では、特定技能、留学、就労系在留資格に関するご相談を承っています。
採用前の制度確認から、在留資格変更・更新の実務まで、状況に応じて整理いたします。
気になる点があれば、お早めにご相談ください。

【結論】
外食業の特定技能1号は、新たな受入れが原則停止となりました。
一方で、更新や同分野内の転職等まで一律停止ではありません。
実務上は、「誰が、どの立場から、いつ申請するのか」で結論が変わります。

【根拠】
2026年2月末時点で、外食業分野の特定技能1号在留者数は約4万6千人となり、5月ごろには受入れ見込数の5万人に達する見込みです。
そのため、2026年4月13日以降、外食業分野における新たな受入れが原則停止となりました。

【注意点・例外】
更新申請は通常どおり審査されます。
すでに外食業分野で特定技能1号として在留している人の転職等も通常どおり審査されます。
技能実習の医療・福祉施設給食製造作業修了者など、一部例外があります。
個別案件では専門家に確認が必要です。

【出典】
出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」
農林水産省「外食業分野における外国人材の受入れについて」
FNNプライムオンライン「外食業『特定技能1号』外国人受け入れ一時停止」

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