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TOP > コラム > 監理団体の監査は機能していますか?許可取消事例から考える監査・報告・是正

監理団体の監査は機能していますか?許可取消事例から考える監査・報告・是正

2026.10.11
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監理団体の監査は機能していますか?許可取消事例から考える監査・報告・是正

「監理団体が定期的に来てくれているから、うちの受入れは大丈夫」

技能実習生を受け入れる企業では、そう考えることもあるでしょう。
ただ、訪問を受けていることと、監査が適切に機能していることは、必ずしも同じではありません。

法務省と厚生労働省は2026年9月29日付けで、関西企業管理協同組合の監理団体の許可を取り消しました。

今回の発表は、制度改正の施行ではなく、技能実習法に基づく個別の行政処分です。
mhlw.go.jp

この記事では、監理団体による監査と報告の責任に焦点を当て、受入企業も確認しておきたい実務上の意味を考えます。

今回の処分では、何が問題とされたのか

厚生労働省の別紙1では、複数の受入企業について、監査後の報告書を外国人技能実習機構へ遅滞なく提出していなかったこと、認定計画に沿った実習監理や監理責任者による必要な指導を行っていなかったこと、法令の基準に沿う監査を実施していなかったことが示されています。

さらに、出入国や労働に関する法令違反を隠す目的で、虚偽の監査報告書を提出したことも処分理由に含まれます。許可取消しの根拠は、技能実習法第37条第1項第1号・第4号です。
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ここで気を付けたいのは、「報告書の提出が遅れたから取り消された」と一つの理由だけにまとめないことです。

今回の資料には、監理や指導、監査の内容、報告の真実性に関わる複数の問題が記載されています。

公表資料からは、個々の監査でどのようなやり取りがあったのか、違反の詳細や関係する実習生の人数まではわかりません。

確認できる処分理由と、それ以上の事情は分けて受け止める必要があります。

監査は、現場と計画のずれを見つける機会

監査を受ける側からすると、資料を用意し、質問に答える時間は負担に感じられるかもしれません。忙しい時期なら、なおさらです。

それでも、認定された技能実習計画と実際の仕事が合っているか、雇用条件と日々の管理に食い違いがないかを確かめることには意味があります。

書類の記載だけを整えても、現場で行われていることが違えば、問題は残ります。

たとえば、計画上の作業と現場で任せている仕事を照らし合わせる。勤怠記録と賃金の計算に矛盾がないかを見る。本人が困り事を伝えられる状況かを確かめる。これらは一般的な点検の例であり、今回の団体で具体的に起きた事実を示すものではありません。

行政書士としては、監査を「問題がないと確認してもらう日」だけでなく、「ずれを早めに見つけ、直す機会」として考えることが大切だと思います。

指摘を受けること自体を避けようとすると、小さな問題を修正する機会も失われてしまいます。

報告書の提出と、改善の確認までつなげる

監査を実施した後に、何を確認し、何が問題で、どう対応するのかが曖昧なままでは、現場は変わりません。

監理団体の内部では、監査の実施日、報告書の作成・確認・提出状況、指摘事項への対応を追えるようにしておきたいところです。担当者が不在になっても、次に何をするべきかがわかる形が望ましいでしょう。

これは、今回の処分理由を踏まえた実務上の提案です。
新たな帳票や独自の期限が制度として義務付けられたという意味ではありません。

たとえば「担当者へ口頭で伝えた」で止めず、誰が、何を、いつまでに直すのかを共有する。対応後は、説明を受けるだけでなく、修正した資料や現場の状況も確認する。こうした流れがあって、指摘が改善につながります。

報告書は、その場を収めるための書類ではありません。確認できた事実を記録し、問題があれば対応につなぐためのものです。

今回、違反を隠す目的の虚偽報告が処分理由に挙げられた点は、重く受け止める必要があります。

受入企業も「監理団体に任せている」で終わらせない

監理団体の業務と、受入企業が自社の雇用や実習を管理することは、役割が異なります。
監理団体と契約しているというだけで、自社の実態を確認しなくてよいとは考えられません。

企業側でも、直近の監査がいつ行われ、どのような指摘があり、対応が終わっているかを把握しておきたいところです。人事担当者だけが内容を知っていて、現場責任者には伝わっていない。

その状態では、書類を直しても仕事の進め方が変わらないことがあります。

「監査で何か言われましたか」と聞くだけでなく、「指摘に対して何を変えましたか」まで確かめる。経営者がそこまで関心を持つことは、受入体制を支える一歩になります。

監査への対応で迷う場合も、見せ方を整えることから始めるのではなく、実態と計画のどこに違いがあるのかを整理することが先です。

必要な手続や対応は、個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。

処分の公表だけで、実習生の今後は判断できない

今回の公表資料だけでは、関係する実習生の実習継続や、監理団体の変更に向けた調整状況はわかりません。

監理団体の許可取消しと、個々の実習生の在留資格や受入企業の計画の取扱いを、一つの結論にまとめないことが大切です。

同日の発表には受入企業への別の処分も掲載されていますが、それらすべてが今回の監理団体と関係しているとは、資料からは判断できません。
mhlw.go.jp

関係する企業や支援者は、本人への説明を曖昧にしたままにせず、外国人技能実習機構などへ具体的な状況を確認する必要があります。

監査の予定表に印が付いているだけでは、実習生を守る仕組みが動いているかは見えてきません。
何を確認し、何を報告し、どこまで改善できたか。今回の処分は、そのつながりを点検する材料になると考えます。

Asocia行政書士法務事務所では、外国人の受入れに関する手続や管理上の確認事項の整理について、ご相談を承っております。

4.記事末尾の整理

【結論】

監査は、実施した事実だけでなく、内容の適切さ、正確な報告、改善への対応が大切です。監理団体と受入企業の双方で、指摘事項が現場の改善につながっているかを確認する必要があります。

【根拠】

厚生労働省の2026年9月29日発表と別紙1に、許可取消しの内容・理由・根拠条文が記載されています。記事中の管理方法は、処分理由を踏まえた実務上の提案です。

【注意点・例外】

本件は個別の行政処分であり、新たな制度改正ではありません。関係する実習生の人数や今後の調整状況は未確認です。個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。

【出典】

一次情報(確認日:2026年9月30日)

  1. 厚生労働省「技能実習法に基づく行政処分等を行いました」(2026年9月29日)
  2. 厚生労働省「別紙1:監理団体に対する許可の取消しの内容」(PDFの1ページ目)
  3. 厚生労働省「別紙20:参照条文」

【確実性:高】

処分日と公表された処分理由は一次資料で確認しています。非公表の事情や実習生への個別の影響は断定していません。

2026-10-01 JST

新着のブログ候補は1件です。 会話履歴・保存原稿・公開記事をテーマ名で再照合し、今回の改正を扱った作成済み原稿は確認できませんでした。

育成就労の分野別運用要領を改正――自動車整備・ビルクリーニングの計画審査基準を公表

  • 公表・改正日:2026年9月30日。 外国人技能実習機構が両分野の運用要領改正を案内しました。制度の就労開始日を知らせる発表ではありません。otit.go.jp
  • 概要: 両分野で、主たる技能・必須業務・安全衛生業務などを示す「育成就労計画審査基準」を新たに掲載。また、技能実習からの移行に関する説明を「技能実習を2年以上」から「2年を超えて」へ修正しています。otit.go.jp
  • 実務上の意味: 受入企業と監理支援機関が、実際に任せる作業と育成計画を具体的に照合できる資料です。移行を検討する人については、実習期間がちょうど2年か、2年を超えるかを区別して確認する必要があります。
  • 記事化の切り口: 「育成就労計画は仕事内容の記載だけで足りる?自動車整備・清掃分野の新しい審査基準を解説」。既存の施行日前申請の記事とは分け、現場の作業と計画の整合性に焦点を当てます。
  • 一次情報: OTITの改正案内/分野別資料・新旧対照表/ビルクリーニングの審査基準
  • 参考報道・未確認事項: この改正を詳しく扱う主要報道は確認できませんでした。申請済み案件への追加資料要求や補正の取扱いは未確認です。

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この記事の執筆者

播磨 史雄 代表 入管取次行政書士

平成23年行政書士登録、同年開業。法人設立・補助金業務のほか、2018年より新潟県委託の外国人材受け入れサポートセンター相談員として入管業務にも従事。

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