外食業の特定技能申請、保存した様式を使い続けていませんか?10月26日改正の確認点
「前回の申請で使った書類があるので、今回も同じものを使えばよい」。
外国人材の受入れを継続している企業では、過去の申請データを参考に準備することもあると思います。
ただ、特定技能の申請では、運用要領や様式が更新されることがあります。
会社名や本人の情報だけを入れ替える前に、公式サイトの最新版を確認しておきたいところです。
2026年10月26日、外食業分野の特定技能外国人受入れに関する運用要領が一部改正されました。JITCOは翌27日、在留諸申請に必要な分野参考様式も変更されたと案内しています。
JITCO – 公益財団法人 国際人材協力機構
改正日と、個々の取扱いの適用日は分けて確認する必要があります。
今回は、受入企業が申請書類を見直す際の確認点を整理します。
試験名が変わっても、過去の合格を直ちに使えなくなるわけではありません

改正版では、技能を確認する試験として「外食業特定技能1号評価試験」「外食業特定技能2号評価試験」が記載されています。
一方、以前に受験した方の合格証明書には「技能測定試験」と書かれている場合があります。
ここで、試験名が違うという理由だけで、受け直しが必要だと判断するのは早計です。
改正版には、旧名称の1号・2号技能測定試験の合格者を、それぞれ新名称の評価試験の合格者とみなす経過措置が設けられています。
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実務では、合格証明書の試験名、1号・2号の別、本人の氏名等を確認し、どの要件を証明する資料なのか整理します。
書類の名称と要領の表記に違いがあっても、経過措置まで確認することが大切です。
2027年4月以降の証明は、技能実習の修了内容も確認

改正版には、2027年4月1日以降、特定技能1号の在留資格を得る際の技能・日本語能力の証明についても記載されています。
ただし、すべての技能実習修了者に新たな試験受験が必要になる、という説明では正確ではありません。
技能実習2号を良好に修了し、修得した技能と特定技能1号で従事する業務に関連性が認められる場合には、同日以降も当面の間、必要な技能・日本語能力の別途の証明を要しない取扱いが記載されています。
関連性が認められない場合も、技能の証明と日本語能力の証明は分けて確認します。改正版では、技能の証明は必要ですが、技能実習2号を良好に修了した事実をもって日本語能力が証明されたものとして扱う旨が示されています。
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「技能実習の経験がある」という情報だけで判断せず、職種・作業、良好修了を確認する資料、予定業務を照合しておきましょう。
なお、技能実習法施行前の「技能実習」等の修了者には別の取扱いがあるため、実習時期も確認が必要です。
出入国在留管理庁
特定技能2号の日本語要件は、申請の種類と時期を確認
入管庁は、2号の日本語能力水準「B1相当以上」について、在留資格認定証明書交付申請では2027年4月1日以降の申請から必要と案内しています。一方、変更・更新申請の確認開始時期は検討中とされています。
2号への移行を予定している場合は、申請の種類に応じた最新の案内を確認する必要があります。
出入国在留管理庁
受入企業用誓約書は、内容を確認してから作成する

今回の様式変更の案内を受け、企業側でまず確認したいのが「外食業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」です。
受入企業用は分野参考様式第14-1号で、登録支援機関用の第14-2号とは区別されています。maff.go.jp
誓約書は、会社の情報を記入すれば準備が終わる書類ではありません。
誓約する内容と実際の運用が合っているかを、担当者が確認することにも意味があります。
申請準備では、公式サイトから様式を取得した日と参照した要領の改正日を控え、社内で共通して使うひな形も見直すことをお勧めします。
これは、古いファイルの使い回しを防ぐための実務上の提案です。
なお、本記事で確認した資料だけでは、旧様式をいつまで使用できるかは確認できませんでした。「旧様式なら一律に不受理」とも、「以前の様式をそのまま使ってよい」とも判断せず、提出時の案内に沿って準備しましょう。
実務経験の証明は、求められたときに対応できますか

現行要領と添付された誓約書の第13項では、本人から求められた際の実務経験の証明について、書面に代えて作成する電磁的記録も含め、交付・提供することが定められています。
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この取扱いは、2025年5月30日改正時の新旧対照表にも確認できます。
今回初めて証明義務が生じた、あるいは初めて電子データでの提供が認められた、と説明することはできません。
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企業としては、本人から依頼されたときに、誰が勤務期間や担当業務を確認し、証明書を作成するのかを決めておくと対応しやすくなります。
例えば、2号への移行を見据える想定例では、役職名だけを残すのではなく、どの期間にどのような業務を担当したのかを確認できるようにしておくことが考えられます。
記録の整備は、実際の経験を正確に説明するための準備です。今回の改正によって新しい一律の保存義務が生じたと述べるものではありません。
要領の改正と、受入停止措置は別に確認する

外食業分野では、受入れ上限に関する措置と在留諸申請の取扱いが別途案内されています。
農林水産省の掲載ページでも、受入停止措置に関する重要なお知らせが引き続き掲示されています。maff.go.jp
今回、運用要領や様式が改正されたことをもって、受入停止が解除されたと受け止めることはできません。
新たに海外から呼び寄せるのか、国内で在留資格を変更するのか、すでに外食業の特定技能1号で働いている方の転職・更新なのか。まず手続の種類を整理し、その申請に適用される取扱いと必要書類を確認することが先になります。
書類の準備と採用計画を合わせて考えることが、企業にとっても本人にとっても大切です。
Asocia行政書士法務事務所では、新潟県を中心に、特定技能の在留申請や外国人雇用に関するご相談を承っております。
保管している書類で準備を進めてよいか、採用予定者の経歴に応じて何を確認すべきか、具体的な資料をもとに整理いたします。
【結論】
外食業の特定技能申請では、保存済みの書類を使う前に、最新版の要領・様式を確認しましょう。試験合格の経過措置、技能実習修了者の証明、実務経験証明への対応を、申請の種類と時期に応じて整理することが必要です。
【根拠】
2026年10月26日改正版の外食業分野運用要領、入管庁の日本語能力確認時期の案内、農林水産省の掲載資料、JITCOの改正案内を確認しています。
【注意点・例外】
最新版誓約書は運用要領の添付様式で確認しています。今回の新旧対照表は取得できていないため、変更箇所の網羅的な比較や旧様式の使用可否は未確認です。個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。情報は2026年10月28日時点です。
【出典】
- 法務省・農林水産省:外食業分野の運用要領・添付誓約書(2026年10月26日改正)
- 出入国在留管理庁:日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について
- 出入国在留管理庁:特定技能制度に関するQ&A
- 農林水産省:外食業分野における外国人材の受入れについて
- 外食業分野の運用要領・2025年5月30日新旧対照表
- JITCO:外食業分野の要領別冊の改正案内(2026年10月27日)
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