外食業の特定技能1号、審査はどこまで進んだ?
2026年10月19日公表を解説
「採用は決まっているのに、いつから働いてもらえるのかわからない」
外食業で特定技能外国人の受入れを予定する企業にとって、審査の進み具合は店舗の人員配置に直結する問題です。本人にとっても、生活の見通しに関わります。
出入国在留管理庁は、2026年10月19日、特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況を公表しました。今回の案内を読む際は、海外から呼び寄せる申請、日本国内で在留資格を変更する申請、現在の在留期間を更新する申請を分けて確認する必要があります。
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審査を左右する「受入れ見込数」

背景には、外食業分野の受入れ見込数があります。
農林水産省は2026年3月の公表で、特定技能1号の在留者数が受入れ上限の5万人を超える見込みとなったことから、4月13日に在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置を講じる方針を示しました。maff.go.jp
その後の取扱いを示す今回の公表では、在留資格変更許可申請を優先し、毎月の在留者数を踏まえて認定証明書を交付するとされています。
書類が整っているかに加え、受入れ見込数の範囲内で処理できるかが関わる状況です。
認定証明書は2月6日受付分までが交付対象

海外からの呼び寄せに用いる在留資格認定証明書(COE)について、今回示された交付対象は、受付日が2026年2月6日までの申請です。
交付が可能な場合に、受付日順で順次交付する取扱いとなっています。
10月16日時点で申請中の件数は、次のとおりです。
| 申請の受理期間 | 申請中の件数(速報値) |
|---|---|
| 2026年2月7日~2月28日 | 732件 |
| 2026年3月1日~3月31日 | 1,825件 |
| 2026年4月1日~4月12日 | 4,804件 |
この3区分の合計は7,361件です。
ただし、これは上記期間に受理された申請の合計であり、許可予定人数や、今後交付できる枠の数ではありません。
「2月6日まで」という表示も、その日までの申請がすべて交付済みという意味には読めません。
書類の状況などで順番が前後することもあります。
自分の申請がいつ交付されるかは、この公表だけではわかりません。
なお、4月13日以降に受理された認定証明書交付申請は、原則不交付とされています。
在留資格変更は、現在の資格によって取扱いが異なる

日本国内からの変更申請については、次の区分が示されています。
| 変更前の在留資格・申請内容 | 通常どおり審査終了後に許可する対象 |
|---|---|
| 技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)からの変更 | 2026年9月30日までの受付分 |
| 外食業分野に係る特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更 | 2026年9月30日までの受付分 |
| 特定技能1号(外食業分野)からの変更・同分野内での転職 | 全ての申請 |
| 上記以外の在留資格からの変更 | 2026年4月12日までの受付分 |
ここでいう対象とは、個別の審査を経て許可する取扱いの対象です。
受付日だけで許可が保証されるわけではありません。
例えば、留学から外食業の特定技能1号へ変更する申請は、通常、表の最後の区分に当たります。
この区分では、4月13日以降に受理された申請は原則不許可です。
試験合格と内定だけを理由に、変更が可能と考えないよう注意が必要です。
また、最初の2区分にある9月30日は、今回公表された審査の進捗を示す日付です。
10月以降の受付分を一律に不許可とする基準として示されたものではありません。
在留期間更新許可申請については、通常どおり、順次審査が終了次第許可するとされています。外食業の特定技能1号で働く人の更新まで、一律に止まっているわけではないのです。
審査待ちの間も、在留期限の確認は必要

実務で特に気になるのは、許可を待つ間に在留期限が近づく場合です。
今回の案内では、順番が来る前に在留期間を満了する見込みの申請について、不法残留を防ぐため、特定活動(特定技能1号準備)(外食業分野)への変更又は同特定活動の更新に向けた「申請内容変更申出」を案内する場合があるとされています。
この在留期間更新許可は1回限りです。
「待っていれば自動的に特定活動になる」「何度でも更新できる」という説明はできません。
対象となるか、どの申出を行うかは、個別の申請状況と入管の案内を確認する必要があります。
さらに、この申出により当該特定活動を許可された人が、期間満了後も同様の活動を希望する場合には、満了する概ね3か月前に、特定技能1号(外食業分野)への変更申請を行うよう求められています。
その際の提出書類は、申請書と写真のみで差し支えないとされています。
ただし、これは上記の経緯で特定活動を許可された人についての案内です。
外食業の変更申請全般に書類省略が認められたわけではありません。
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企業と支援者は「働き始められる日」を共有する

例えば、年末の繁忙期に合わせて採用を決めた場合でも、希望する入社日と許可の時期が一致するとは限りません。
採用担当者だけでなく、店舗責任者にも現在の申請状況を共有しておきたいところです。
特に技能実習生について、入管庁は、実習計画修了後は稼働できないと明記しています。
技能実習からの変更を希望する場合は、就労開始予定日の2か月以上前に変更申請を行うよう案内していますが、これは2か月で許可されるという約束ではありません。
また、交付・許可停止中でも、書類の修正や追加提出を求められる場合があります。
追加資料の提出を求められたことだけで、許可が間近だと判断するのも避けたいところです。
私としては、現在の在留資格、申請受付日、在留期限、予定する就労開始日を並べ、本人・企業・支援者で同じ見通しを持つことが大切だと考えます。
交付・許可状況については、入管庁、地方入管、農林水産省に問い合わせても回答できない旨も公表されています。公表情報を確認しながら、必要な手続と準備を進めていくことになります。
個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。
Asocia行政書士法務事務所でも、申請状況と在留期限を踏まえた手続の整理についてご相談を承ります。
4.記事末尾の整理
【結論】
外食業の特定技能1号は、すべての申請が同じ取扱いではありません。申請の種類、変更前の在留資格、受付日を確認し、許可の見通しと在留期限を分けて管理することが大切です。
【根拠】
出入国在留管理庁の2026年10月19日掲載の審査状況と、農林水産省が公表した受入れ上限の運用に関する資料に基づきます。7,361件は、公表された3区分の件数を合算した数値です。
【注意点・例外】
申請内容、提出書類、在留期限によって処理の順番は前後します。公表上の対象に含まれても、許可や処理時期が保証されるものではありません。特定活動への対応と提出書類の省略は、案内された対象・条件を確認してください。本記事は2026年10月19日公表分を対象としており、その後の更新に注意が必要です。
【出典】
いずれも一次情報です。
- 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年10月19日掲載)
- 農林水産省「外食業分野における外国人材の受入れについて」
- 農林水産省「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」(2026年3月27日)
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