特定活動15号「国際文化交流」に削除案|インターンシップへの影響は?
出入国在留管理庁は2026年9月29日、特定活動告示第15号を削除する改正案について、意見募集を開始しました。
外国の大学生が地方自治体の国際文化交流事業に参加し、日本の学校で講義を行う活動が対象です。意見募集案件
まず押さえたいのは、現時点では意見募集の段階だということ。
そして、削除の対象は「特定活動」の中の一つの類型です。
外国大学生のインターンシップやサマージョブを含めて廃止する案ではありません。
自治体や学校が海外の学生を招くとき、どこまで影響するのでしょうか。
制度の対象と、受入れを計画する際の注意点を整理します。
第15号は、外国大学生が学校で講義を行うための類型

第15号が想定しているのは、外国の大学に在学する学生が、一定の要件を満たす地方自治体の国際文化交流事業に参加する場面です。
日本の受入機関との契約に基づき報酬を受け、小中学校、高校、特別支援学校、専修学校などで国際文化交流に関する講義を行います。
活動できるのは、本人の大学の授業が行われない期間で、3か月以内です。
対象となる学生にも条件があり、卒業・修了によって学位が授与される課程に在籍していることが必要です。通信教育の課程は除かれています。
自治体側には、滞在中の住居提供などの支援体制や、出入国・在留を管理する体制等が求められます。
今回の告示案では、第15号に加え、こうした自治体の要件を定める別表第4も削除する内容になっています。
告示案・新旧対照表
「国際文化交流」という名称は幅広く聞こえますが、この類型は参加者、事業の実施主体、活動内容が具体的に定められた仕組みです。
削除の理由は、利用実績が限られていること

入管庁の改正概要によれば、この類型が設けられたのは2005年です。
その後の活用実績は極めて限られており、統計上確認できる2018年以降の新規入国者数と、2020年以降の在留外国人数は、いずれも0人と説明されています。改正の概要
ここは、数字の範囲を丁寧に読みたいところです。
示されているのは、この第15号による受入れの実績です。地域の国際交流そのものが行われていないという意味ではありません。
また、制度ができてから一度も利用されていないとまでは断定できません。利用が少なかった具体的な理由も、今回の資料だけではわからない部分が残ります。
行政書士としては、利用人数の少なさだけで話を終えるよりも、今後の受入計画でこの類型を想定している自治体や学校に、変更がきちんと伝わることが大切だと考えます。
インターンシップとサマージョブは、それぞれ別の類型

入管庁の案内では、三つの活動が同じページに掲載されています。
ただし、告示上の番号と活動の目的は異なります。
出入国在留管理庁
| 類型 | 主な活動 | 今回の削除案 |
|---|---|---|
| 第9号・インターンシップ | 外国大学の教育課程の一部として行う、日本の企業等での報酬を伴う実習 | 対象外 |
| 第12号・サマージョブ | 外国大学の夏季休暇等を利用し、3か月以内で行う日本の企業等での業務 | 対象外 |
| 第15号・国際文化交流 | 自治体の事業に参加し、休暇期間中の3か月以内に学校等で行う講義 | 削除対象 |
表は主な違いを整理したものです。各類型には契約関係などの要件があり、活動内容だけで利用の可否が決まるわけではありません。
入管庁の制度案内
たとえば、海外の大学生を企業の実習に招く計画であれば、教育課程との関係や大学と受入機関との契約を確認することになります。
一方、自治体の交流事業で学校の講義を担当してもらう計画なら、その事業の実態から在留資格を検討します。
第15号が削除されるからといって、同じ活動をそのまま第9号や第12号に置き換えられるとは限りません。「インターン」という呼び名を付ければ足りるものでもありません。
意見募集は10月29日まで。施行日はまだ予定

意見募集要領では、募集期間は2026年9月29日から10月29日まで、必着とされています。
e-Gov上の受付締切表示は10月30日0時ですので、10月30日の日中まで提出できると誤解しないようにしてください。
意見募集要領public-comment.e-gov.go.jp
公布は2026年11月末ごろ、施行は公布日と同日を予定しています。
日付も内容も、現段階で確定した改正として扱うことはできません。
改正の概要
申請中の案件や、施行前に交付された在留資格認定証明書を利用する場合などの経過的な取扱いは、今回確認した概要・告示案には記載がなく、わかりません。
該当する計画がある場合は、最終的な告示と入管庁の案内を確認する必要があります。
自治体・学校は、募集前に活動の中身を確かめる

これから外国大学生を招くなら、まず「誰が、どの契約に基づいて、どこで何を行うのか」を言葉にしてみてください。報酬の有無、活動期間、大学の授業や教育課程との関係も、確認の手掛かりになります。
私が実務上おすすめしたいのは、募集案内を出す前に、事業計画と在留資格の説明を並べて確認することです。
過去の案内文や協定書に第15号を利用する記載があれば、改正の動きを踏まえた見直しが必要になります。
今回のように対象が限られた改正でも、実際に利用を予定している担当者には大切な情報です。
受入れの時期が施行予定日をまたぐ場合は、日程だけを先に確定させず、手続の見通しも合わせて整理しておきたいところです。
在留資格の選択は、個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。
Asocia行政書士法務事務所では、外国人の受入計画や活動内容の整理から、在留資格に関するご相談を承っております。
4.記事末尾の整理
【結論】
削除案の対象は、外国大学生による国際文化交流の特定活動第15号です。インターンシップの第9号、サマージョブの第12号は今回の削除対象に含まれません。改正はまだ確定していません。
【根拠】
2026年9月29日公示の意見募集要領、改正概要、告示案・新旧対照表を確認しました。第15号の削除に加え、別表第4の削除も告示案に記載されています。
【注意点・例外】
公布・施行時期は予定です。経過的な取扱いは今回の資料からはわからず、他の特定活動類型を利用できるかも個別確認が必要です。統計上の0人という数字は、公表資料に示された期間と類型の範囲で受け止める必要があります。
【出典】
一次情報(確認日:2026年9月29日)
- e-Govパブリック・コメント/特定活動告示の一部改正に係る意見公募
- 出入国在留管理庁「意見募集要領」
- 出入国在留管理庁「告示案・新旧対照表」
- 出入国在留管理庁「改正の概要」
- 出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(インターンシップ・サマージョブ・国際文化交流)」
- 出入国在留管理庁「インターンシップをご希望のみなさまへ」
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