この記事のポイント

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技能実習生の租税条約による免税は自動適用ではなく、国ごとの条約確認と届出が必要です
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今後、租税条約に関する届出を行う際は、改定された様式8を使用します
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宿泊分野のアンケートは制度改正ではありませんが、今後の受入れ施策を考えるための調査です
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随時技能検定は、技能実習計画の認定後、受検手続支援を通じて早めに申し込むことが重要です
2026年9月4日、外国人雇用と技能実習の実務に関する公表がいくつかありました。
どれも入管法の大きな改正ではありません。届出書の様式変更、アンケートの実施、技能検定予定の更新です。
ニュースとしては地味に見えるかもしれません。
しかし、現場で困るのは、必ずしも大きな制度改正だけではありません。保存していた古い様式を使う。アンケート案内を見落とす。受検の手配が遅れ、希望時期に試験を受けられない。
こうした小さなずれが、給与計算や技能実習の段階移行に影響することがあります。
今回は、実習実施者、監理団体、特定技能所属機関が確認しておきたい3件を整理します。
技能実習生の「租税条約に関する届出書」が新様式に

外国人技能実習機構は、国税庁からのお知らせとして、「租税条約に関する届出書(様式8)」が改定されたことを公表しました。
今後、新たに届出を行う場合は、新様式を使用するよう案内されています。
技能実習生が日本で受け取る賃金は、日本の所得税の対象となるのが基本です。
ただし、出身国と日本との租税条約に、事業等の修習者に関する免税規定がある場合には、一定の条件の下で所得税と復興特別所得税の免除を受けられることがあります。
技能実習生なら全員免税、ではない
ここは誤解されやすいところです。
技能実習生であることだけを理由に、税金が当然に免除されるわけではありません。
条約の有無だけでなく、その条約が技能実習生の賃金をどのように扱っているか、滞在目的や期間などの条件に該当するかを個別に確認する必要があります。
国によって規定が異なるため、一律には判断できません。
免税を受けようとする場合、国税庁の案内では、原則として入国後最初に報酬を受ける日の前日までに届出が必要です。
技能実習生本人が作成した届出書を賃金の支払者である実習実施者へ提出し、実習実施者が所轄税務署へ提出します。事業等の修習者であることを証明する書類など、添付書類も必要です。
「年末調整のときに確認すればよい」という手続ではありません。
受入れ決定後、給与計算を始める前の段階で確認する事項です。
保存済みのPDFや過去案件の様式を流用せず、国税庁の最新様式を取得しているか確認したいところです。
なお、租税条約の適用可否や源泉徴収の処理は税務判断を伴います。
個別事情により結論が変わるため、所轄税務署や税理士への確認が必要です。
宿泊分野の特定技能所属機関にアンケート第2弾

観光庁は、宿泊分野特定技能協議会に所属する特定技能所属機関を対象に、アンケート第2弾を実施しています。
回答期間は2026年9月4日から9月30日までで、内容は特定技能外国人の活用状況、課題、今後の展望などです。問合せ先は、観光庁の委託事業者である三菱総合研究所とされています。
今回のアンケートは、在留資格の申請要件を追加するものではありません。
未回答だから直ちに在留申請が不許可になる、という公表も確認できません。
一方で、現場の声が今後の受入れ施策の基礎になる可能性はあります。
宿泊業では、フロント、接客、レストランサービスなど業務が幅広く、外国人材の定着には日本語だけでなく、勤務時間、寮、地域での生活、繁忙期の配置といった課題が重なります。
制度を利用している施設だからこそ分かる「書類には現れにくい負担」があります。
対象施設に案内が届いている場合は、単なる事務連絡として流さず、現在の受入れ体制を振り返る機会にしてもよいのではないでしょうか。
詳細資料にはパスワードが設定されており、一般公開ページだけでは設問や提出方法の全内容は確認できません。
対象機関は、委託事業者から届いた案内を確認してください。
また、第1弾とは実施者と問合せ先が異なる点にも注意が必要です。
令和8年度の随時技能検定実施予定が更新

厚生労働省は、技能実習生等を対象とする令和8年度の随時2級、随時3級、基礎級の都道府県別実施予定を、2026年9月4日時点の情報に更新しました。PDF版とExcel版が公開されています。
随時技能検定は、技能実習生が修得した技能を評価するための試験です。
基礎級、随時3級、随時2級は、それぞれ実習の段階や修了時の評価に関わります。
実務で大切なのは、公表された予定表を眺めてから動くのではなく、技能実習計画の認定後、外国人技能実習機構の「受検手続支援」を通じて速やかに申請することです。
試験日程は、都道府県職業能力開発協会または指定試験機関と受入れ企業等との間で調整されます。
希望する職種が、希望する都道府県で公示されていない場合もあります。
その場合は、受検希望地の都道府県または都道府県職業能力開発協会へ相談するよう案内されています。
今回、厚生労働省は前回版から変更された都道府県や職種の一覧を公表していません。
したがって、以前保存した予定表ではなく、9月4日時点の最新版を確認する必要があります。
外国人雇用は「申請後の管理」で差が出る

外国人雇用というと、在留資格の許可を取ることに意識が集中しがちです。
ただ、許可は入口にすぎません。
給与を支払う前の税務確認、所管省庁から届く調査への対応、技能実習の進行に合わせた受検手配。こうした日常の管理が途切れずにつながって、初めて安定した受入れになります。
私は、外国人雇用の難しさは制度の数よりも、制度ごとに異なる期限や窓口が並行して動くことにあると感じています。
入管、外国人技能実習機構、税務署、業界所管省庁、試験実施機関。担当者が一人で把握するには、なかなか複雑です。
大きな改正だけでなく、小さな更新を社内の誰が確認し、誰が対応するのか。今回の3件を機に、役割分担と期限管理を見直しておくことをおすすめします。
在留資格申請、特定技能の受入れ、技能実習の手続は、在留状況や職種、受入れ体制によって必要な対応が変わります。個別事情により判断が分かれるため、判断に迷う場合は早めに専門家へ確認してください。
記事末尾の整理
【結論】
技能実習生の租税条約による免税は自動適用ではなく、国ごとの条約内容を確認したうえで、原則として最初の給与支払日前に届出が必要です。今後の届出では改定後の様式8を使用します。宿泊分野のアンケートと随時技能検定予定の更新は制度改正ではありませんが、受入れ後の管理として見落とせない情報です。
【根拠】
外国人技能実習機構の2026年9月4日付案内、国税庁の租税条約に関する届出手続、観光庁の宿泊分野特定技能・育成就労協議会ページ、厚生労働省の技能実習生等向け技能検定の概要に基づき整理しています。
【注意点・例外】
租税条約による免税の有無や要件は国ごとに異なります。具体的な税務処理は所轄税務署または税理士へ確認してください。
宿泊分野のアンケート詳細は、一般公開ページだけでは全内容を確認できません。対象機関へ送られた案内の確認が必要です。
随時技能検定の実施予定は今後も更新される可能性があります。実際の受検時には最新版を確認してください。
【出典】
一次情報
- 外国人技能実習機構「国税庁からのお知らせ 租税条約に関する届出書の様式が変わりました」
- 国税庁「租税条約に関する届出」
- 観光庁「宿泊分野特定技能・育成就労協議会」
- 厚生労働省「技能実習生等向け技能検定の概要」
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