特定技能2号の「指導対象者」を見直し検討|受入れ企業が今確認したいこと
特定技能2号への移行や更新を準備する企業にとって、気になる動きが出ています。
9月10日の更新として案内された出入国在留管理庁のQ&A・Q102では、「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」(参考様式第1-32号)に関係する指導対象者の取扱いが取り上げられています。
指導対象者の一時的な不足や、フルタイムではない勤務形態などが論点となっており、入管庁は指導対象者の考え方を含め、内容の見直しを検討するとしています。
出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q102
ただし、現段階で「要件が緩和された」と受け止めることはできません。
今回の動きをどう読み、申請準備にどうつなげるか。受入れ企業の視点から整理します。
今回は、見直しを検討しているという段階

入管庁の申請・届出様式一覧にも、参考様式第1-32号について、指導対象者の考え方を含めて見直しを検討中であり、準備が整い次第知らせる旨の注記があります。
出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」
確認できた公表情報の範囲では、具体的に何を変更するのか、いつから適用するのかはわかりません。申請中の案件にどのように対応するのかも、今回の検討表明だけでは判断できません。
「指導対象者がいなくても許可されるようになった」「パート従業員なら誰でも人数に含められる」といった案内は、現時点では避ける必要があります。
見直しへの期待と、今の申請で説明しなければならないことは、分けて考えておきたいところです。
「指導する相手」は、職場の状況によって変わる

例えば、後輩への指導を担当していた外国人社員のもとで、指導を受ける従業員が退職し、次の採用まで空白が生じた場合を考えてみます。
別の職場では、指導を受ける人の多くが短時間勤務で、毎日同じ時間帯に出勤するわけではないかもしれません。
いずれも想定例ですが、職場の人員配置は固定されたものではありません。
退職、異動、採用時期のずれによって、指導体制が変わることはあります。
その際、一時的な欠員と、もともと指導する相手を配置する予定がない状態では、説明すべき事情が異なります。
短時間勤務の場合も、週に何日、何時間勤務し、どの業務について指導を受けているのかによって、職場の実態は違ってきます。
私は、今回の検討を受けた実務対応として、こうした違いを具体的に整理しておくことが大切だと考えています。
人数を数える前に、「誰が何を教えているか」を確認する

企業がまず取り組みたいのは、社内の指導関係を言葉にすることです。
「本人はリーダーです」と説明しても、その肩書だけでは仕事の内容は伝わりません。
誰に対し、どの作業を、どのような場面で教えているのか。作業手順の説明、仕上がりの確認、問題が起きたときの指示など、日常の行動まで落とし込むと、役割が見えやすくなります。
申請準備のためには、次のような整理が役立ちます。
| 確認すること | 整理しておきたい内容 |
|---|---|
| 本人の役割 | 所属、担当業務、指導・管理の具体的な内容 |
| 指導を受ける人 | 人数、担当業務、勤務場所、勤務日・時間 |
| 指導の実態 | 指導する内容、頻度、一緒に働く時間帯 |
| 欠員などの事情 | 発生時期、理由、現在の対応、今後の配置予定 |
これは、すべてを一律に提出しなければならないという意味ではありません。
個別の取扱いを確認するときに、事情を正確に伝えるための準備です。
会社全体の従業員数だけを見て「人数は足りている」と判断する前に、本人との実際の指導関係を確認したいところです。
パート・短時間勤務者については、結論を急がない

今回、特に気になるのが、フルタイムではない人を指導対象者としてどのように扱うかという点でしょう。
ただ、見直しが検討されていることから、直ちに「算入できる」と判断することはできません。
反対に、今回の情報だけを根拠として「短時間勤務者はすべて対象外」と言い切ることも適切ではありません。
実務上は、雇用区分の名称に加え、雇用契約上の労働時間、実際の勤務状況、指導する本人との勤務時間の重なりを整理することをおすすめします。
例えば、名簿には複数人が載っていても、本人とほとんど勤務が重ならなければ、どのように指導しているのか、説明を要するでしょう。
反対に、短時間でも継続的に同じ業務を担当し、指導を受けている場合には、その事実を丁寧に伝えることが出発点になります。
いずれも許可の可否を示す例ではなく、確認に必要な事実の整理です。
見直しを待つ間も、申請準備と期限の確認は進める

「もう少し待てば、申請しやすくなるかもしれない」。そう考える気持ちは理解できます。
しかし、変更内容や時期がわからない以上、見直しを前提に申請日程を組むことはおすすめできません。
まず、本人の在留期限と申請予定日を確認し、現時点で公表されている提出書類や関係する分野の取扱いを照合します。
そのうえで、指導対象者が不足している事情など、判断に迷う点を具体化して管轄の入管へ確認する流れが考えられます。
その際、組織図、勤務表、業務分担表など、すでに社内にある資料を活用すると、説明を整理しやすくなります。将来の採用予定は、現在の在籍者と区別して伝えることも大切です。
書類を整える過程で、現場にはない指導関係を作ってしまっては意味がありません。申請書類と実際の働き方が一致しているかを、本人と現場責任者の双方に確認しておきましょう。
本人の将来と、企業の育成計画をつなげるために

特定技能2号を目指す本人にとって、会社の指導体制は、自分だけでは決められない事情です。
だからこそ企業には、本人にどの役割を任せ、どのような体制で働いてもらうのかを、早い段階から共有してほしいと感じます。
今回の見直し検討を受けて、慌てて人員配置を変える必要があると一律に考えるのではなく、まず現在の仕事と指導関係を確認する。
その整理は、今後どのような運用が示されても、検討の土台になるはずです。
特定技能2号への移行・更新や指導体制の説明に迷う場合は、Asocia行政書士法務事務所へご相談ください。本人の業務内容と職場の状況を踏まえ、申請に向けた確認事項を整理いたします。
4.記事末尾の整理
【結論】
指導対象者の考え方は見直しの検討段階です。緩和が決まったと判断せず、現在の業務内容、指導関係、勤務形態を整理して、個別の取扱いを確認することが大切です。
【根拠】
入管庁Q&A・Q102と、参考様式第1-32号に関する様式一覧の注記が根拠です。本文の資料整理や社内確認の方法は、これらを踏まえた実務上の提案です。
【注意点・例外】
指導対象者の必要人数や対象範囲を、全分野一律に判断することは避けてください。今回の検討表明から、誓約書の提出免除や申請中案件への特例があるとは判断できません。個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。
【出典】
一次情報
【確実性:中】
見直し検討の表明は公式ページの検索表示で確認できました。ただし、今回は公式ページ本文を直接取得できず、Q102の詳細と更新日はご提示の情報も併用しています。具体的な変更内容・適用時期は未確認です。
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