【2026年11月1日開始】免税販売は「後から返金」へ|新潟の店舗が準備する3つのポイント
こんにちは。新潟市でビザ専門行政書士、Asocia行政書士法務事務所の播磨史雄です。
「免税店なのに、なぜ消費税を払うのですか?」
2026年11月からの免税販売では、こうした質問に答えられる準備が大切になります。
外国人旅行者等に対する免税販売が、店舗では税込価格で販売し、出国時の税関確認後に消費税相当額を返金する「リファンド方式」へ変わるためです。
(国土交通省)
この移行に向け、経済産業省は2026年9月17日、免税店向けの「リファンド方式移行の準備ガイド」の作成を公表しました。
今回の新着情報は準備ガイドの公表であり、制度変更そのものが新たに決まったというニュースではありません。リファンド方式への移行は、令和7年度税制改正に基づくものです。
(経済産業省)
今回は、新潟県内で免税販売を行う小売事業者の皆さまに向けて、会計・返金・接客の準備を整理します。
1.11月から免税販売の流れはどう変わる?

リファンド方式の基本的な流れは、次のとおりです。
| 場面 | 新しい手続の流れ |
|---|---|
| 店舗で購入 | 免税対象者の確認などを行い、いったん税込価格で販売します。 |
| 出国時 | 購入者が、購入日から90日以内の出国時に、商品の持出しについて税関の確認を受けます。 |
| 税関確認後 | 店舗側が税関確認情報を取得・保存し、その情報に基づいて店舗または委託先が返金します。 |
購入時の手続だけで終わるのではなく、出国時の確認と、その後の返金までをつなぐ仕組みになります。(国土交通省)
適用の基準は、原則として「出国日」ではなく、2026年11月1日以降の販売、すなわち商品の引渡しです。また、新制度への移行後も旧方式を自由に選べるような併用期間は設けられていません。
なお、「空港の税関が、誰にでもその場で現金を返してくれる」という制度ではありません。
税関による確認と、店舗・委託先による返金は、別の手続として理解しておきましょう。
(国税庁)
2.店舗が準備する3つのポイント

① システムは「税込販売」だけでなく、確認情報の取得・保存まで点検する
まずは、現在利用している免税システムの提供会社や、免税データの送信等を委託している事業者に、リファンド方式への対応状況を確認しましょう。
観光庁も、利用中の承認送受信事業者への連絡を案内しています。
(国土交通省)
新制度では、購入記録情報を送信するだけでなく、税関確認情報を取得し、必要な情報を保存することが重要です。
レジを税込価格に変更するだけで準備が完了するわけではありません。
実務上は、改修・切替日、追加契約の要否、担当者の操作方法、通信障害時の連絡先まで確認しておくと安心です。店舗内の担当者を決め、営業中のトラブルにも対応できるようにしておくことをお勧めします。
② 返金方法・時期・手数料を決める
返金は、店舗が自ら行う方法のほか、事業者へ委託する方法があります。
銀行振込、クレジットカードへの送金、アプリ送金などが考えられますが、具体的な方法が全国一律に決まっているわけではありません。
(国税庁)
委託先との打合せでは、利用できる返金方法、購入者による登録の要否、返金までの目安、手数料の負担、返金できなかった場合の対応を確認しましょう。
リファンド手数料を旅行者と店舗のどちらが負担するかについても、消費税法令上の一律の定めはありません。
(国土交通省)
「いつ、どの方法で、いくら戻るのか」を購入前に説明できることが、トラブル防止のポイントです。
また、課税売上げから免税売上げへの振替処理なども生じるため、経理担当者や顧問税理士と、返金データ・会計データの連携方法を確認しておきましょう。
③ 従業員研修と多言語案内を見直す
外国人スタッフが接客を担当する店舗でも、語学力に任せるのではなく、説明内容を店舗として統一することをお勧めします。
特に、購入日から90日以内に税関確認を受けること、税関の求めに応じて商品を提示できるようにすること、確認後は商品を遅滞なく国外へ持ち出すことを案内する必要があります。
商品を受託手荷物に入れる場合は、航空会社等に預ける前に税関確認を受けるという順序も重要です。
国税庁は、リファンド方式に対応した英語・中国語・韓国語等のリーフレットを公開しています。公式資料を使いながら、自店の返金方法や問い合わせ先を補足するとよいでしょう。
新制度用の案内は、11月1日以降の販売に合わせて切り替えます。
(国税庁)
3.お土産店で注意したい「一部の商品を消費した場合」

食品や化粧品を扱う店舗では、出国前の消費について、特に丁寧な説明が必要です。
新制度では、一般物品と消耗品の区分や、消耗品の特殊包装などが廃止されます。
しかし、包装が不要になることと、日本国内で消費しても免税になることは別です。
食品や化粧品などの消耗品を、全部または一部でも国内で消費した場合、購入時の商品をそのまま国外へ持ち出すことにならないため、税関の持出し確認を受けられません。
さらに、確認は購入記録情報ごとに行われ、同じ購入記録に含まれる商品のうち一つでも確認できなければ、その記録に含まれる全商品が免税になりません。
例えば、同じ購入記録にお菓子と工芸品が含まれ、そのお菓子を出国前に食べてしまった場合、工芸品だけは持っているから返金される、とは限らないのです。
接客時には、国内で食べる商品と、国外へ持ち帰る商品を区別して確認する運用が考えられます。ただし、会計や購入記録を分ける場合は、購入金額などの免税要件も踏まえ、自店のシステムでの取扱いを確認してください。
なお、消耗品以外の商品は、国内で使用していても、最終的に国外へ持ち出す物品であれば税関確認を受けられます。「すべての商品が未使用でなければならない」と一律に説明しないことも大切です。
(国土交通省)
4.在留資格の許可基準が変わる話ではありません

今回の改正は免税販売の仕組みに関するものであり、「経営・管理」や就労の在留資格の許可基準を変更するものではありません。
また、免税購入対象者そのものに変更はありません。
(国税庁)
引き続き、外国籍であれば誰でも免税になるわけではありません。
「短期滞在」等の対象となる資格・許可を持つ非居住者であることなどを確認する必要があり、日本で生活する外国人就労者や留学生が、外国籍という理由だけで対象になるものではありません。
外国人経営者の方も、外国人スタッフを雇用する店舗も、「働くための在留資格」と「免税購入の対象者の確認」を分けて理解しておきましょう。
5.まとめ――「返金まで説明できる店舗」を目指して

今回の準備で大切なのは、システム対応・返金条件・従業員の説明を、別々に進めないことです。
私としては、まず契約中のシステム事業者へ連絡し、その回答をもとに返金条件を整理し、最後に接客マニュアルと店頭表示へ落とし込む進め方をお勧めします。
開始前には、実際のお客様対応を想定した練習も行っておきたいところです。
新潟でのお買い物を、帰国後の返金まで含めて気持ちよく終えていただく。
そのための準備を、今のうちから進めていきましょう。
Asocia行政書士法務事務所では、外国人経営者の在留手続や、外国人雇用に関するご相談を承っております。ご相談は、公式LINEまたはお問い合わせフォームからご連絡ください。
免税販売の具体的な税務処理については、所轄税務署または税理士へご確認ください。
本記事は2026年9月18日時点で確認できた公表資料に基づいています。
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以上、新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所でした。
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