新潟県は58円引上げ、時給1,108円へ

2026年9月3日、厚生労働省は、すべての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されたと公表しました。全国加重平均は1,177円で、前年度から56円の引上げとなります。厚生労働省の発表
新潟県の答申額は、現在の1,050円から58円増の1,108円。発効予定日は10月1日です。新潟労働局の案内でも、同じ金額と効力発生日が示されています。都道府県別答申一覧、新潟労働局の案内
外国人従業員を雇用する企業にとっても、給与設定を点検する時期です。特に、秋の入社や在留期間更新に向けて、すでに雇用契約書を作成している場合は注意が必要でしょう。
作成した時点では問題がなくても、実際に働く時点の最低賃金に届かなくなることがあるからです。
「答申」「発効日」「全国平均」を分けて考える

答申は、地方最低賃金審議会が改定額について示す結論です。
厚生労働省の一覧には、異議の申出の状況などによって発効日が変更となる可能性も記載されています。この記事は9月4日時点の公表情報に基づくため、実際の適用に当たっては労働局の最新案内を確認してください。
また、全国加重平均1,177円は、全国共通の最低賃金ではありません。
各都道府県の金額を、適用労働者数で重み付けして算出した数字です。勤務地の違う従業員を一つの給与表で管理している企業では、それぞれの適用額と発効日を確認する必要があります。
新しい金額に対応する際に基準となるのは、給与を振り込む日ではなく、発効日以降の労働です。
例えば、9月21日から10月20日までを一つの給与計算期間としている場合、10月1日以降の勤務分について新しい最低賃金を満たす必要があります。
「次の契約更新から上げる」「給与の締め日を過ぎてから変更する」という社内都合で、適用を先送りすることはできません。
外国人も月給の正社員も対象になる

最低賃金は、技能実習生や特定技能外国人にも適用されます。資格外活動許可を受けて働く留学生のアルバイトや、試用期間中の従業員も、原則として対象です。
「外国人だから」「仕事を覚えている途中だから」という理由だけで、下回る賃金にすることはできません。労働局による適用対象の説明
時給制だけの問題でもありません。月給制の場合は、最低賃金の対象となる月額賃金を「1か月平均所定労働時間」で割り、時間額に換算して確認します。厚生労働省の確認方法
毎月の総支給額がそれなりにあっても、計算してみると最低賃金に届かない。こうした見落としを防ぐには、給与明細の合計欄だけで判断しないことです。
残業代と通勤手当は、そのまま足せない
最低賃金との比較では、時間外・休日労働に対する賃金、深夜割増分、賞与、通勤手当、家族手当、精皆勤手当などを除きます。
一方、算入できる手当もあるため、基本給だけで一律に判定するわけでもありません。新潟労働局「最低賃金の対象となる賃金」
説明用の例として、月平均所定労働時間170時間、基本給18万7,000円、固定残業代3万円、通勤手当1万円という給与を考えてみます。
ここでは、固定残業代が時間外労働の対価として明確に区分され、ほかに算入する手当はないものとします。
総支給額は22万7,000円ですが、比較に使うのは18万7,000円です。
18万7,000円 ÷ 170時間 = 時間額1,100円
この条件のままでは、新しい1,108円を下回ります。
最低賃金の対象賃金として必要なのは、1,108円×170時間=18万8,360円以上です。残業代を多く払っていることでは、この不足を補えません。
所定労働時間は会社の年間カレンダーなどに基づいて確認します。
便宜的に全員を同じ時間数で割ると、勤務形態による違いを見落とします。
在留資格の報酬要件も確認したい

在留資格実務で気になるのは、「最低賃金さえ満たせば、外国人の給与はそれでよい」と受け止められてしまうことです。
例えば特定技能では、日本人が同等の業務に従事する場合と同等額以上の報酬が求められます。
最低賃金との比較だけで、在留資格上の要件を満たしたことにはなりません。
出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」
同じ仕事をする日本人との処遇、本人の技能や経験、社内の賃金規程も見ておく必要があります。最低賃金が上がった際に、外国人従業員の賃金だけを機械的に改定するのではなく、職場全体の賃金のバランスを確かめる機会にしたいところです。
契約書、給与計算、本人への説明をそろえる

企業としては、対象従業員の洗い出し、時間額への換算、改定後の賃金の決定を進めたうえで、雇用契約書や賃金改定通知と給与計算の設定をそろえておくことをおすすめします。
在留申請中の案件では、提出済みの給与条件から何が変わったのかを整理し、追加説明や届出の要否も確認します。賃上げをしたら一律に在留申請をやり直す、という話ではありません。
手続の種類と変更内容に応じて扱いを判断します。
本人にも、いつから、どの項目が、いくら変わるのかを伝えたいものです。
総支給額と手取り額の違いも含めて説明できれば、「聞いていた金額と違う」という不安を減らせます。
最低賃金の改定対応は、給与ソフトの数字を書き換えるだけでは終わりません。
実際に支払う給与と、本人に約束している条件を一致させる作業です。
賃金計算は社会保険労務士や労働局、在留資格上の報酬要件や申請書類との整合性は行政書士などに、早めに確認してください。個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。
記事末尾の整理
【結論】
新潟県は時給1,108円、10月1日発効予定として準備を進め、直前に最新の公示・案内を確認してください。外国人従業員と月給制の従業員も含め、対象賃金と所定労働時間から点検することが必要です。
【根拠】
厚生労働省の2026年度答申状況、新潟労働局の最低賃金案内、最低賃金の比較方法、特定技能の報酬要件に基づき整理しています。
【注意点・例外】
全国平均は各人に適用される金額ではありません。特定最低賃金との関係や、行政の許可を要する減額特例は別途確認が必要です。計算例は架空の条件であり、在留申請の許可を保証するものではありません。
【出典】
一次情報:本文中にリンクした厚生労働省、新潟労働局、奈良労働局、出入国在留管理庁の各資料(2026年9月4日確認)。報道記事には依拠していません。
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