外国人教員の採用、学校に合った資料を準備していますか?在留資格「教育」の確認点
外国人教員を採用する際、本人に卒業証明書や職歴の証明書を依頼してから、学校の種類によって必要資料が違うことに気付く場合もあると思います。
海外の学校や以前の勤務先から証明書を取り寄せるには、時間がかかることもあります。
採用準備では、最初に「何を、どの要件のために確認するのか」を整理しておきたいところです。
入管庁の在留資格「教育」の現行案内には、インターナショナルスクールの教員について、「学習歴又は職歴等」に関する資料を不要とする注記が掲載されています。
出入国在留管理庁
ただし、これを「教員の経歴を確認する書類はすべて不要」と読むことはできません。
今回の記事では、現行案内の読み方と、学校側で進めたい準備を整理します。
学歴・免許の証明と、学習歴・職歴の証明を分けて読む

在留資格認定証明書交付申請の案内では、申請人の履歴に関する資料が、次の3つに分かれています。
出入国在留管理庁
| 区分 | 確認する資料の内容 |
|---|---|
| (1)履歴書 | 関連する職務、勤務先、活動内容・期間等 |
| (2)学歴・資格の証明 | 卒業等の証明、教育に係る免許等の証明 |
| (3)学習歴・職歴等の証明 | 担当する外国語で教育を受けた期間や、担当科目の教育経験の証明 |
インターナショナルスクール教員について不要と記載されているのは、このうち(3)です。(2)の学歴や免許等の証明まで、この注記だけで省略できるという意味ではありません。
また、学歴と免許等は、本人がどの要件を満たすかに応じて確認するものです。
全員に大学の卒業証明書と教員免許の両方が必要、と一律に案内することも避けたいところです。
履歴書に本人が記載した内容と、卒業証明書や免許証等で証明する内容を分けて整理すると、本人への依頼も具体的になります。
「12年以上」は、外国語を教えた年数とは限りません

上陸基準省令では、一定の教育機関等で教育に従事する場合について、外国語を教える方は、その外国語で12年以上の教育を受けていること、外国語以外の科目を教える方は、その科目の教育に5年以上従事した実務経験を有することを定めています。
学校の性格等による例外も規定されています。
e-Gov 法令検索
ここで混同しやすいのが、「教育を受けた経験」と「教えた経験」の違いです。
英語を教える予定の方に対して、12年間の英語教員としての職歴を求める、という読み方ではありません。
一方、英語で数学を教える予定であれば、授業に使う言語だけでなく、担当科目が何かを確認する必要があります。
学校から本人へ資料を依頼するときも、「職歴の証明をください」という言い方だけでは、何を証明すればよいのか伝わりにくくなります。
担当する授業と適用される基準を確認してから、必要な証明内容を説明したいところです。
学校名に「インターナショナル」があればよい、とは判断しない

今回の注記を使う際には、勤務先がどのような教育機関なのかを確認することが重要です。
上陸基準省令には、各種学校等で、外交・公用・家族滞在の在留資格で在留する子女に、初等教育又は中等教育を外国語で施すことを目的として設立された教育機関について、学歴・免許等と学習歴・職歴の要件を分けて扱う規定があります。
e-Gov 法令検索
したがって、名称だけで資料の省略を判断するのは避ける必要があります。学校の法的な位置付け、設立目的、教育内容、教育対象などを確認し、その学校での活動に適用される取扱いを整理します。
また、大学等で教育を行う場合には在留資格「教授」が関係します。
「教師」「講師」という肩書だけで、全員が在留資格「教育」の対象になるわけではありません。
出入国在留管理庁
私は、本人の経歴を確認するのと同じくらい、受入先が自校の位置付けを説明できることが大切だと考えます。
学校種別と常勤・非常勤で、申請カテゴリーも確認する

入管庁の案内では、所定の小中高校等に常勤で勤務する方、その他の教育機関に常勤で勤務する方、非常勤で勤務する方をカテゴリーに分け、提出資料を案内しています。
カテゴリー1では、共通資料以外は原則不要とされるなど、扱いが異なります。
出入国在留管理庁
同じ外国語教育でも、学校の種類や勤務形態が変われば、準備する資料も変わり得ます。
学校側では、本人に資料を依頼する前に、学校の区分、担当科目、常勤・非常勤、契約先を整理しておくと進めやすくなります。
海外から呼び寄せる認定申請なのか、日本にいる方の変更申請なのかという手続の違いも、先に確認しておきましょう。
過去に採用した別の教員の書類一式があっても、今回の採用条件に合わせて見直すことが必要です。
採用担当者と授業を担当する部署で、説明をそろえる

ここからは、当事務所の実務上の提案です。
想定例として、採用担当者は「英語講師」と理解している一方、授業担当部署では数学や理科の授業も任せる予定になっている場合が考えられます。
このままでは、本人に依頼する証明書や、申請書類に記載する活動内容が合わなくなるおそれがあります。
採用時には、担当科目と授業内容、契約上の職務、本人の資格・経歴を並べて確認しておきたいところです。
そのうえで、必要資料と担当者を一覧にし、海外から取り寄せる資料は早めに依頼します。省略する資料がある場合も、どの注記やカテゴリーに基づいて判断したかを控えておくと、担当者間で共有しやすくなります。
外国人教員に安心して授業を担当してもらうためには、採用条件と在留手続を、学校内で同じ理解にしておくことが大切だと感じます。
Asocia行政書士法務事務所では、新潟県を中心に、外国人教員の在留資格や採用時の申請準備に関するご相談を承っております。
学校の位置付け、予定する教育活動、本人の経歴を確認し、必要資料の整理からお手伝いいたします。
【結論】
現行案内の省略対象は「学習歴又は職歴等」の資料です。学校種別、担当科目、申請カテゴリーを確認し、学歴・免許等の証明と分けて準備しましょう。
【根拠】
入管庁「教育」の現行案内、上陸基準省令の教育に関する規定、在留資格一覧表を参照しています。
【注意点・例外】
正式な更新日と旧版との差分は未確認です。民間記録の10月31日は更新の検知日であり、制度の施行日ではありません。今回新たに要件が緩和されたとは断定していません。fh-watch.com
公式ページは検索収録本文で確認しました。認定・変更申請のチェックシートPDFは取得制限により本文・新旧比較を確認できていません。審査により追加資料が求められる場合もあります。個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。情報は2026年10月31日時点です。
【出典】
確認対象PDF(本文未取得):
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